北爪道夫
日本の作曲家、指揮者、音楽学者 (1948-)
人物・来歴
東京都出身。東京藝術大学大学院作曲科修了。東京藝術大学、京都市立芸術大学、愛知県立芸術大学、国立音楽大学、東京音楽大学などで後進の指導にあたる。現在、東京音楽大学客員教授、愛知県立芸術大学名誉教授。インターナショナル・ロストラム・オブ・コンポーザーズグランプリなど、国際的に評価されている。父はクラリネット奏者の北爪利世。
略歴と作風
「サイド・バイ・サイド」や「映照」で独自のオーケストラ音楽における楽器法が認められ、「楽器が無理無く、しかも斬新に扱える」異才として評価が確立する。音選択としては教会旋法をはじめとするモードを単数あるいは複数の層で用いながらそれらの構成音をトーン・クラスター的に幅広く密度の高い和音として埋める作風をこの時期多用した。
1990年代後半あたりから量的な音響から線的な楽器法へ徐々に傾斜。「ペアワーク」、「彩られた地形第二番」、「推移」などがこれらの路線で作曲されている。音組織が取分け複雑ではなく調的である瞬間も多いが、音選択の勘が冴えており聞き飽きない。
現在は合唱の為の音楽やクラリネット協奏曲で、さらに新しい境地を指向している。一作一作が慎重に作られる為思いのほか寡作だが、丁寧な仕事振りでファンも多い。
主な作品
管弦楽
協奏曲
- シャドウズ II (1976)(perc & orch)
- サイド・バイ・サイド(perc & orch)
- サイド・バイ・サイド(室内オケ版)
- クラリネット協奏曲
- 管弦楽のための協奏曲
- チェロ協奏曲
室内楽
- スラッピング・クロッシング
- 青い宇宙の庭 I, II(guit solo)
- ペア・ワーク(fl & pf)
- 連歌(cl solo)
- ツインズ(vn & marimba)
- 森の声(perc ensemble)
- トリプレッツ(vn, cl, pf)
合唱
- 合唱組曲「さる」
- 男声合唱のための「槐多のガランス」
- 混声合唱のための「海をみている」
- 混声合唱のための「ことばの旅 I」
- 混声合唱のための「オデオン」
- 混声合唱のための「ことばあそびうた・また」
- 混声合唱のための合唱組曲「万葉の歌」
- 混声合唱のための「万葉の歌 II」
- 混声合唱のための回文集「四季」
吹奏楽
- 吹奏楽のための「風の国」
- フェスタ
- 祈りの旅(全日本吹奏楽コンクール 2004年度課題曲)
- 並びゆく友(バンド維新2008)
- 雲の変容(東京佼成ウインドオーケストラ第100回定期演奏会委嘱作品)
- 雲の上の散歩道(バンド維新 2009)
- ファンファーレ・リズミック(バンド維新 2010)
- はなのなは?(吹奏楽と筝合奏、バンド維新 2011)
- To The Sky(航空自衛隊60周年記念委嘱作品)
- Dancing Shadow(バンド維新 2012)
マンドリンオーケストラ
- カント
- ギター協奏曲「青い宇宙の庭 III」