サトノダイヤモンド
この記事は現役競走馬を扱っています。 |
サトノダイヤモンドは、日本の競走馬である。2016年のきさらぎ賞[2]、神戸新聞杯[3]、菊花賞、有馬記念、2017年の阪神大賞典の勝ち馬。馬名の由来は、冠名+宝石名。額の流星の形から連想。母のマルペンサはアルゼンチンのGI銀杯大賞など、GI3勝を挙げている[4]。
サトノダイヤモンド | ||||||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
![]() 第77回菊花賞レース後 (2016年10月23日) | ||||||||||||||||||
欧字表記 | Satono Diamond | |||||||||||||||||
品種 | サラブレッド | |||||||||||||||||
性別 | 牡 | |||||||||||||||||
毛色 | 鹿毛 | |||||||||||||||||
生誕 | 2013年1月30日 | |||||||||||||||||
死没 | (現役競走馬) | |||||||||||||||||
父 | ディープインパクト | |||||||||||||||||
母 | マルペンサ | |||||||||||||||||
母の父 | Orpen | |||||||||||||||||
生国 |
![]() | |||||||||||||||||
生産者 | ノーザンファーム | |||||||||||||||||
馬主 | 里見治[1] | |||||||||||||||||
調教師 | 池江泰寿(栗東)[1] | |||||||||||||||||
競走成績 | ||||||||||||||||||
生涯成績 | 10戦7勝[1] | |||||||||||||||||
獲得賞金 |
7億4266万4000円 (2017年3月19日現在)[1] | |||||||||||||||||
|
経歴
デビュー前
2013年7月9日、北海道苫小牧市のノーザンホースパークで行われたセレクトセールで、里見治に2億3000万円(税込2億4150万円)で落札された[5]。
2歳
11月8日の京都競馬場芝2000m新馬戦でデビュー。ロイカバードと合わせた取引金額『5億円対決』として注目を集める中、先行し最後の直線で前を捉えるとそのまま独走、デビュー戦を勝利で飾った[6]。 2戦目は2015年12月26日の阪神競馬場芝2000m2歳500万下に出走、ここでも圧倒的人気に応え勝利した[7]。
3歳
2016年の初戦はGIIIきさらぎ賞。2度目となるロイカバードとの『5億円対決』で注目を集めた[8]。ここでも単勝人気1倍台の支持を集めた。道中は5〜6番手でレースを進め、直線で楽々と先頭に立って後続を突き放し、最後は外から追い上げてきた4番人気レプランシュに3馬身1/2差をつけレースレコードで優勝した[2]。
その後はトライアルやステップレースを使わず直接皐月賞へ向かい、当日は前年の2歳王者リオンディーズ、弥生賞勝ち馬マカヒキらを抑え単勝2.7倍の1番人気に推された。レースでは道中馬なりのいい競馬をするも、最後の直線で先行したリオンディーズの斜行で不利を受け失速してしまう。体勢を立て直して差し切りを図ったが、後方から追い込んだディーマジェスティ、さらに大外から追い込んだマカヒキの末脚に屈し3着に終わった[9]。
続く日本ダービーでは、サトノダイヤモンドに加えディーマジェスティ、マカヒキが人気を分け合う形となった。レースでは向正面で左後肢を落鉄[10]するアクシデントに見舞われるが、それでも最後の直線では好位置につけ、ラスト3ハロン(=600m)33秒4の豪脚で迫り、最後はマカヒキと並んでのゴール。写真判定の末、マカヒキに8cm及ばず2着に終わった[10][11]。
4か月の休養を経て、菊花賞への前哨戦として神戸新聞杯に出走。このレースには、マカヒキ(仏・凱旋門賞へ出走するため)、ディーマジェスティ(当馬は関東馬ということもありセントライト記念の方へ出走したため)といった、これまでクラシック路線で熾烈な戦いを繰り広げてきた強豪たちが不在ということもあり、最終オッズ1.2倍という圧倒的な支持を得て1番人気に推された[12]。レースでは中団に位置し、普段通りの手応えで迎えた直線では早めに先頭を奪い取り、最後は内から迫るミッキーロケットとの争いをクビ差で制し勝利を遂げた[3]。
迎えた菊花賞では、皐月賞馬であるディーマジェスティと人気を分け合う形となり、その中でもサトノダイヤモンドは単勝2.3倍の1番人気に支持された。因みに2番人気となったディーマジェスティの単勝オッズは3.2倍で、3番人気以降の馬の単勝オッズは10倍を超える2強ムードでの開催となっていた。道中は中団に位置し、抑え気味だった同馬に対してディーマジェスティが並んでいくと、それに呼応するように2周目の3-4コーナーでは順位を徐々に上げ、絶好のポジションにつけ最後の直線に入る。ディーマジェスティを瞬く間に突き放し、前で逃げ粘るミライヘノツバサを差し切り、追いすがるエアスピネルやレインボーラインを寄せ付けず、2着に2馬身半差をつけ勝利。クラシック最後の1冠で悲願のGIタイトルを手にした。ディープインパクト産駒の菊花賞制覇は初であると同時に、馬主の里見にとって初めてのGIタイトル、さらに鞍上のクリストフ・ルメールにとっても初のクラシックタイトル獲得となった[13][14]。
古馬との初対戦となった第61回有馬記念では、サトノダイヤモンドは単勝2.6倍の1番人気に推され、2番人気のジャパンカップ勝ち馬キタサンブラックは2.7倍、3番人気に推された前年の覇者ゴールドアクターが7.9倍と人気を2分した。レースでは中団あたりを追走するも、前半1000mタイムが61秒とスローペース[15]な展開になり3コーナーあたりから一気にまくりをかけ、最終コーナーでキタサンブラック、ゴールドアクターに並びかけた。直線では先頭に立ったキタサンブラックの脚色は鈍らなかったが、外から追走し残り100mあたりで脚を伸ばしてゴール前でキタサンブラックをクビ差差し切りゴール。3歳馬ながら古馬を下し優勝した。勝ちタイムは2分32秒6だった[15]。レース後、勝利騎手インタビューでルメールは感激のあまり涙を見せた。
4歳
4歳になったサトノダイヤモンドに対して、陣営は未だ日本馬で優勝経験のない、フランス・凱旋門賞制覇を目標に掲げた[16]。 2016年度の最優秀3歳牡馬を受賞したJRA賞授賞式にて、調教師はローテーションを発表。阪神大賞典で始動して、天皇賞・春へ。秋は渡仏し、フォワ賞を叩いて凱旋門賞に向かうプランを明かした[17]。
迎えた初戦・阪神大賞典では、3歳時の活躍から最終オッズ1.1倍という圧倒的な人気を集め[18]、1番人気に推された[18](因みに2番人気は連覇を狙い出走したシュヴァルグランの4.9倍であり[18]、3番人気のワンアンドオンリーは19.6倍と[18]、圧倒的支持を集めた)。レースでは、好スタートを切り1周目の直線では後方2番手に位置する。2周目の1~2コーナーから前へ進出し、後方4番手となった。向こう正面では、先に動いたシュヴァルグランに呼応するように3コーナーから順位を徐々に上げ、最後の直線ではほぼ先頭につけた。最初に先頭に立ったシュヴァルグランを残り200m付近で交わし、そのまま他馬を寄せ付けず、2着馬シュヴァルグラン[18]に1馬身半の差をつけ勝利した[19][18]。
前年の年度代表馬・キタサンブラックとの再戦となった天皇賞・春は戦前から「2強対決」といわれ、前売り段階では1番人気、最終的には2番人気を集めた。レースではスタートから中団7~8番手に位置し先行馬を見る形でレースを進めるも、ヤマカツライデンのハイラップ(前半1000m58秒台)の逃げに動くに動けず、ほぼポジションをそのままに最終コーナーまで進み直線の末脚勝負に挑み徐々に差をつめていくが、早め先頭に立ったキタサンブラックを捕らえるには至らず、アドマイヤデウスをクビほど交わしたところがゴール、0.2秒差の3着に敗れた。なお、勝利したキタサンブラック[20]はディープインパクトが保持していた京都芝3200mのレコード3分13秒4を0.9秒も上回り世界レコードとなる3分12秒5で走破した[20]。サトノダイヤモンドも負けはしたもののレコードを0.7秒更新するタイムであった。
競走成績
競走日 | 競馬場 | 競走名 | 格 | 距離(馬場) | 頭 数 |
枠 番 |
馬 番 |
オッズ (人気) |
着順 | タイム (上り3F) |
着差 | 騎手 | 斤量 | 1着馬(2着馬) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2015.11. 8 | 京都 | 2歳新馬 | 芝2000m(重) | 10 | 6 | 6 | 1.6 (1人) | 1着 | 2:03.8(34.8) | -0.4 | C.ルメール | 55kg | (ロイカバード) | |
12.26 | 阪神 | 2歳500万下 | 芝2000m(稍) | 15 | 6 | 11 | 1.2 (1人) | 1着 | 2:03.8(33.9) | -0.6 | C.ルメール | 55kg | (クィーンズベスト) | |
2016. 2. 7 | 京都 | きさらぎ賞 | GIII | 芝1800m(良) | 9 | 8 | 9 | 1.2 (1人) | 1着 | 1:46.9(34.2) | -0.6 | C.ルメール | 56kg | (レプランシュ) |
4.17 | 中山 | 皐月賞 | GI | 芝2000m(良) | 18 | 6 | 11 | 2.7 (1人) | 3着 | 1:58.3(34.8) | 0.4 | C.ルメール | 57kg | ディーマジェスティ |
5.29 | 東京 | 東京優駿 | GI | 芝2400m(良) | 18 | 4 | 8 | 3.8 (2人) | 2着 | 2:24.0(33.4) | 0.0 | C.ルメール | 57kg | マカヒキ |
9.25 | 阪神 | 神戸新聞杯 | GII | 芝2400m(良) | 15 | 8 | 14 | 1.2 (1人) | 1着 | 2:25.7(34.2) | 0.0 | C.ルメール | 56kg | (ミッキーロケット) |
10.23 | 京都 | 菊花賞 | GI | 芝3000m(良) | 18 | 2 | 3 | 2.3 (1人) | 1着 | 3:03.3(34.1) | -0.4 | C.ルメール | 57kg | (レインボーライン) |
12.25 | 中山 | 有馬記念 | GI | 芝2500m(良) | 16 | 6 | 11 | 2.6 (1人) | 1着 | 2:32.6(35.5) | 0.0 | C.ルメール | 55kg | (キタサンブラック) |
2017. 3.19 | 阪神 | 阪神大賞典 | GII | 芝3000m(良) | 10 | 8 | 9 | 1.1 (1人) | 1着 | 3.02.6(35.4) | -0.2 | C.ルメール | 57kg | (シュヴァルグラン) |
4.30 | 京都 | 天皇賞・春 | GI | 芝3200m(良) | 17 | 8 | 15 | 2.5 (2人) | 3着 | 3:12.7(35.0) | 0.2 | C.ルメール | 58kg | キタサンブラック |
- 競走成績は2017年4月30日現在
以上の「競走成績」における内容は「netkeiba.com - サトノダイヤモンドの競走成績」に基づく[1]
血統表
サトノダイヤモンドの血統 | (血統表の出典)[§ 1] | |||
父系 | ヘイロー系 |
[§ 2] | ||
父 ディープインパクト 2002 鹿毛 |
父の父 *サンデーサイレンスSunday Silence 1986 青鹿毛 |
Halo | Hail to Reason | |
Cosmah | ||||
Wishing Well | Understanding | |||
Mountain Flower | ||||
父の母 *ウインドインハーヘアWind in Her Hair 1991 鹿毛 |
Alzao | Lyphard | ||
Lady Rebecca | ||||
Burghclere | Busted | |||
Highclere | ||||
母 マルペンサ Malpensa 2006 鹿毛 |
Orpen 1996 |
Lure | Danzig | |
Endear | ||||
Bonita Francita | Devil's Bag | |||
Raise the Standard | ||||
母の母 Marsella1997 |
サザンヘイロー | Halo | ||
Northern Sea | ||||
Riviere | Logical | |||
Talonada | ||||
母系(F-No.) | マルペンサ(ARG)(FN:F1-w) | [§ 3] | ||
5代内の近親交配 | Halo:S3×M4×M5, Northern Dancer:S5×M5×M5 | [§ 4] | ||
出典 |
出典
- ^ a b c d e netkeiba.com - サトノダイヤモンドの競走成績 2016年10月23日閲覧。
- ^ a b サトノダイヤモンド完勝! 無傷の3連勝で重賞V!/きさらぎ賞-netkeiba.com
- ^ a b サトノダイヤモンドが接戦を制しV! 菊獲りへ白星発進/神戸新聞杯 netkeibaより 2016年9月26日閲覧
- ^ “サトノダイヤモンドの血統や将来性は?新馬戦快勝の良血馬の未来を考察”. 競馬TIMES (2015年11月12日). 2016年2月12日閲覧。
- ^ 里見治氏がディープ産駒の牡馬を2億3000万円で落札/セレクトセール速報-netkeiba.com
- ^ “【京都5R新馬戦】サトノダイヤモンド"5億円対決"制した!”. スポニチ (2015年11月8日). 2016年2月12日閲覧。
- ^ “【2歳500万下】(阪神7R)〜サトノダイヤモンドが人気に応えて快勝”. netkeiba (2015年12月26日). 2016年2月12日閲覧。
- ^ 【きさらぎ賞】レース展望-サンケイスポーツ
- ^ 第76回 皐月賞 KLANより 2016年9月26日閲覧
- ^ a b 2016.05.30サンケイスポーツ 第7版(東京)11面
- ^ 第83回 日本ダービー KLANより 2016年9月26日閲覧
- ^ 第64回 神戸新聞杯 KLANより 2016年9月26日閲覧
- ^ 第77回 菊花賞 KLANより 2016年10月23日閲覧
- ^ サトノダイヤモンド完勝! 最後の1冠で悲願のGI制覇!/菊花賞 netkeibaより 2016年10月23日閲覧
- ^ a b 10R 第61回有馬記念 競走成績競馬Compassより 2016年12月26日閲覧
- ^ サトノダイヤモンド3歳王者、凱旋門狙う/JRA賞日刊スポーツより 2017年3月21日閲覧。
- ^ 【JRA賞授賞式】最優秀3歳牡馬サトノダイヤモンド、秋は仏フォワ賞から凱旋門賞へ!スポーツ報知より 2017年4月4日閲覧。
- ^ a b c d e f 2017年阪神大賞典の結果・払戻 netkeibaより 2017年3月20日閲覧
- ^ サトノダイヤモンド貫禄のV! 天皇賞へ視界良好/阪神大賞典 netkeibaより 2017年3月20日閲覧
- ^ a b キタサンブラック2連覇 春の天皇賞、新記録で日本経済新聞 2017年5月1日閲覧。
- ^ a b c 公益社団法人日本軽種馬協会. “血統情報: 5代血統表|サトノダイヤモンド”. JBISサーチ(JBIS-Search). 2016年9月27日閲覧。
- ^ “サトノダイヤモンドの血統表|競走馬データ - netkeiba.com”. netkeiba.com. 株式会社ネットドリーマーズ. 2016年12月26日閲覧。
外部リンク