ユニエル・ドルティコス
ユニエル・ドルティコス(Yunier Dorticos、男性、1986年3月11日 - )は、キューバのプロボクサー。ハバナ出身。元WBA世界クルーザー級王者。アマチュア時代から破格の強打を武器にKOを量産する選手。
基本情報 | |
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通称 | The KO Doctor |
階級 | クルーザー級 |
身長 | 191cm |
リーチ | 203cm |
国籍 |
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誕生日 | 1986年3月11日(39歳) |
出身地 | ハバナ |
スタイル | オーソドックス |
プロボクシング戦績 | |
総試合数 | 23 |
勝ち | 22 |
KO勝ち | 21 |
敗け | 1 |
引き分け | 0 |
無効試合 | 0 |
来歴
ドルティコスはアマチュア時代の戦績は目立っていないが、2005年から2007年まで国内のライトヘビー級の王者になっていたことがある。
2009年2月23日、ユデル・ジョンソン、ヨルダニス・デスパイネ、ギレルモ・リゴンドウと共にハイドが手配した亡命業者の高速ボートでカンクンにたどり着き、そこから国境を越えアメリカ合衆国フロリダ州マイアミに亡命し[1]、アリーナ・ボックス・プロモーションと契約した。
2009年8月14日、マイアミのミッコスーキー・リゾート・アンド・ゲーミングでデビュー戦を行い、4回1分20秒TKO勝ちを収めデビュー戦を白星で飾った。
2011年11月18日、マイアミのマイアミ・エアポート・コンベンション・センターでリビン・カスティーヨとWBCラテンアメリカクルーザー級王座決定戦を行い、3回1分5秒TKO勝ちを収め王座獲得に成功した。
2014年2月28日、サンディエゴのクラウンプラザサンディエゴでハミルトン・ベンチュラとWBAフェデラテンクルーザー級暫定王座決定戦並びにWBCラテンアメリカクルーザー級暫定王座決定戦を行い、初回2分19秒TKO勝ちを収めWBAフェデラテン暫定王座の獲得に成功、WBCラテンアメリカ暫定王座の獲得にも成功した[2]。
2014年4月16日、サンタモニカのサンタモニカ空港内にあるバーカー・ハンガーで自身の持つWBAフェデラテンクルーザー級暫定王座と空位のUSBA全米クルーザー級王座を懸けエリック・フィールズと対戦し、4回2分59秒KO勝ちを収めWBAフェデラテン暫定王座の初防衛に成功、USBA王座の獲得にも成功した[3]。
2014年7月10日、アメリカン・エアラインズ・アリーナでエディソン・ミランダとWBCラテンアメリカクルーザー級王座決定戦を行い、10回3-0(99-91、2者が100-90)の判定勝ちを収め王座獲得に成功した[4]。
2015年7月17日、フロリダ州キシミーのキシミー・シビック・センターでギャレン・ブラウンと対戦し、初回2分29秒TKO勝ちを収めWBCラテンアメリカ王座の初防衛に成功した[5]。
2016年2月8日、WBAはWBA世界クルーザー級王者のデニス・レベデフとの間で指名試合を行うように指令を出した。暫定王者でWBA世界クルーザー級1位のベイブット・シュメノフが怪我の回復が遅れたため代わりにレベデフと指名試合を行うよう指令を出した。なお30日以内に交渉が締結しない場合は入札になるとのこと[6][7]。
2016年2月17日、WBAはレベデフとドルティコスとの間での対戦交渉が未締結のまま難航していることを受けての措置として、レベデフとIBF世界クルーザー級王者ビクトル・ラミレスとの王座統一戦を行うことを承認した[8][9]。
2016年5月20日、パリのパレ・デ・スポール・ポルト・ド・ヴェルサイユでベイブット・シュメノフの正規王座認定に伴い元WBA世界クルーザー級暫定王者でWBA世界クルーザー級3位のユーリ・カレンガとWBA世界クルーザー級暫定王座決定戦を行い、10回TKO勝ちを収め王座獲得に成功した[10][11][12]。
2016年6月8日、WBAは最新ランキングを発表し、ドルティコスをWBA世界クルーザー級暫定王者としてWBA世界クルーザー級1位にランクインすると共に上述のカレンガ戦を制したことを評価し、2016年5月度の月間優秀選手賞に選出した[13][14]。
2016年11月14日、WBA世界クルーザー級正規王者ベイブット・シュメノフとWBA世界クルーザー級暫定王者ユニエル・ドルティコスの間で行われる王座統一戦の入札が行われ、ドルティコス擁するカリブプロモーションズが35万1ドルで興行権を落札し、ファイトマネーの分配はベイブット・シュメノフが75%に当たる26万2500ドル(約2900万円)、ドルティコスが25%に当たる8万7500ドル(約970万円)となった。シュメノフ擁するTGBプロモーションズの入札額は20万1000ドルだった[15][16][17]。
2016年12月23日、ベイブット・シュメノフ陣営とユニエル・ドルティコス陣営はムラト・ガシエフ戦に敗れたデニス・レベデフからWBA世界クルーザー級スーパー王座を剥奪するようWBAに要求した[18][19]。
2017年1月31日、上述のベイブット・シュメノフ対ユニエル・ドルティコス戦の興行権をドルティコス擁するカリブプロモーションズが35万1ドルで落札したものの、ベイブット・シュメノフ対ユニエル・ドルティコス戦を行う様子が無い為、WBAはカリブプロモーションズから興行権を剥奪してTGBプロモーションズに興行権を与えた[20]。
2017年3月31日、同年4月29日にラスベガスのパームスでWBA世界クルーザー級正規王者のベイブット・シュメノフと王座統一戦を行う予定だったが[21][22]、同年4月20日にシュメノフがスパーリング中に目を負傷したため延期になった[23]。
2017年6月17日、WBAは最新ランキングを発表し、下述の理由によりドルティコスをWBA世界クルーザー級正規王者としてランクインした[24][25]。
2017年6月19日、WBAは目を負傷したベイブット・シュメノフが角膜びらんと診断され再発すれば失明の危険があるとの医師からの勧告に基づき同月15日にWBA世界クルーザー級正規王座を返上したため暫定王者のユニエル・ドルティコスを正規王座に認定することを決定、更にデニス・レベデフ対マーク・フラナガンの勝者は120日以内にドルティコスと王座統一戦を行うよう指令を出した[26][27]。
2017年9月23日、テキサス州サンアントニオのアラモドームで行われたWBSS(ワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ)クルーザー級準々決勝でWBA世界クルーザー級6位のディミトリー・クドリャショフと対戦し、2回2分10秒KO勝ちを収めWBA世界クルーザー級王座の初防衛に成功、WBSSの準決勝進出を果たした[28][29][30]。
2017年9月29日、WBAは最新ランキングを発表し、上述のクドリャショフ戦の勝利を評価し、ドルティコスをWBAの2017年9月度の月間優秀選手賞に選出した[31][32]。
2017年12月5日、IBF世界クルーザー級王者のムラト・ガシエフとWBA世界クルーザー級正規王者のユニエル・ドルティコスの間で行われるWBSSクルーザー級準決勝を2018年2月3日にソチのボリショイ・アイス・ドームで行うことが決定した。WBSSクルーザー級決勝は2018年5月にサウジアラビアのジッダで行う予定とのこと[33]。
2018年2月1日、WBAは同月3日にWBSSクルーザー級準決勝として行われるユニエル・ドルティコス対ムラト・ガシエフ戦に対する特別な許可を与え、WBSSクルーザー級優勝者とWBA世界クルーザー級休養王者のデニス・レベデフは同年5月13日から対戦交渉を開始し30日以内に合意するよう指令を出した。合意に至らなければ入札になるとのこと[34]。
2018年2月3日、ソチのボリショイ・アイス・ドームで行われたWBSSクルーザー級準決勝でIBF世界クルーザー級王者のムラト・ガシエフと王座統一戦を行い、プロ初黒星となる12回2分52秒TKO負けを喫し王座統一に失敗、WBA王座の2度目の防衛並びにIBF王座の獲得にも失敗しWBSSの決勝進出を逃した[35][36]。
獲得タイトル
脚注
- ^ This way out ESPN.com 2014年2月7日
- ^ Dorticos Wants Wlodarczyk or Ledebev/Jones Winner Next Boxing Scene.com 2014年3月6日
- ^ N'Dam Decisions Zuniga Over Ten With One Hand Boxing Scene.com 2014年4月16日
- ^ Barthelemy Schools Mendez To Officially Claim Title Status Boxing Scene.com 2014年7月10日
- ^ Dorticos Targets Flores vs. Shumenov Winner, Lebedev Boxing Scene.com 2015年7月19日
- ^ WBA Orders Denis Lebedev-Yunier Dorticos WBA公式サイト 2016年2月9日
- ^ ラウンドアップ ディブが仕切り直しの復帰戦 Boxing News(ボクシングニュース)2016年2月9日
- ^ ゲバラ完封勝利、木村悠へのリベンジ誓う Boxing News(ボクシングニュース) 2016年2月21日
- ^ WBA Sanctions Cruiserweight Unification Bout WBA公式サイト 2016年3月3日
- ^ Dorticos TKOs Kalenga WBA公式サイト 2016年5月20日
- ^ Dorticos stops Kalenga in ten to win WBA interim cruiserweight title Fightnews.com 2016年5月20日
- ^ 年間最高試合候補!ドルティコスがカレンガをTKO Boxing News(ボクシングニュース) 2016年5月21日
- ^ World Boxing Association Ranking WBA公式サイト 2016年6月8日
- ^ 戸部洋平がWBAランク入り、チャガエフが王座復帰 Boxing News(ボクシングニュース) 2016年6月9日
- ^ Caribbean Promotions Wins Shumenov-Dorticós Purse Bid WBA公式サイト 2016年11月14日
- ^ Shumenov-Dorticós Purse Bid Results Fightnews.com 2016年11月15日
- ^ Cruiserweight world titleholder Shumenov clashes with Dorticos in title bout ESPN.com 2016年11月15日
- ^ Shumenov and Dorticos want Lebedev stripped Fightnews.com 2016年12月23日
- ^ Shumenov, Dorticos Move To Have Lebedev Stripped of WBA Belt Boxing Scene.com 2016年12月23日
- ^ Promoter loses right to Shumenov-Dorticos Fightnews.com 2017年1月31日
- ^ Shumenov vs. Dorticos Headed To Palms in Las Vegas, April 29 Boxing Scene.com 2017年3月31日
- ^ April, month of great WBA battles WBA公式サイト 2017年4月3日
- ^ “Beibut Shumenov Eye Injury Derails Yunier Dorticos Title Fight”. Boxing Scene.com (2017年4月20日). 2017年5月17日閲覧。
- ^ World Boxing Association Ranking WBA公式サイト 2017年6月17日
- ^ 黒田と小浦がWBAランク入り、再戦指示の村田は1位 Boxing News(ボクシングニュース) 2017年6月20日
- ^ WBA: Dorticos upgraded to regular champion status, Shumenov out Fightnews.com 2017年6月19日
- ^ WBA Cruiserweight division situation WBA公式サイト 2017年6月19日
- ^ WBSS: Dorticos demolishes Kudryashov in two Fightnews.com 2017年9月23日
- ^ Dorticos retains his WBA Cruiserweight Belt WBA公式サイト 2017年9月24日
- ^ ドネア再起戦勝利、ドルティコス強打対決KO勝ち Boxing News(ボクシングニュース) 2017年9月25日
- ^ World Boxing Association Ranking WBA公式サイト 2017年9月29日
- ^ The WBA published September ranking WBA公式サイト 2017年9月29日
- ^ Gassiev-Dorticos set for Russia on Feb 3 Fightnews.com 2017年12月5日
- ^ The Cruiserweights situation WBA公式サイト 2018年2月1日
- ^ WBSS: Gassiev KOs Dorticos, unifies WBA/IBF Fightnews.com 2018年2月3日
- ^ 風太がロシアで殊勲の勝利、ガシエフは王座統一 Boxing News(ボクシングニュース) 2018年2月4日
関連項目
外部リンク
暫定王座決定戦 対戦者 ユーリ・カレンガ |
WBA世界クルーザー級暫定王者 2016年5月20日 - 2017年6月15日 |
次暫定王者 正規認定により消滅 |
空位 前タイトル保持者 ベイブット・シュメノフ |
WBA世界クルーザー級王者 2017年6月15日 - 2018年2月3日 |
空位 次タイトル獲得者 N/A |