かもしか (列車)
かもしかとは、東日本旅客鉄道(JR東日本)が奥羽本線の秋田駅 - 青森駅間で運転していた特急列車である[1][3][4][5]。
かもしか | |
---|---|
| |
概要 | |
種類 | 特急列車 |
地域 | 秋田県・青森県 |
運行開始 | 1997年3月22日 |
運行終了 | 2010年12月3日 |
運営者 |
![]() |
路線 | |
起点 | 秋田駅 |
終点 | 青森駅 |
使用路線 | 奥羽本線 |
技術 | |
車両 | 485系電車(秋田車両センター) |
軌間 | 1,067 mm |
備考 | |
2010年3月現在のデータ |
概要
「かもしか」は、1997年3月に特急列車として秋田駅 - 青森駅間で運転を開始した。盛岡駅 - 秋田駅・青森駅間で運転していた特急「たざわ」が、秋田新幹線の建設により、秋田駅 - 青森駅間に運転区間が短縮されて列車名を変更したもので、秋田新幹線開業後は秋田駅で新幹線と接続し、秋田県北部、青森県津軽地方を結ぶ役割を担っていた[1][3][5][6][7][8]。
なお、2010年12月4日の東北新幹線新青森駅延伸開業によるダイヤ改正で、秋田駅 - 青森駅間の特急列車は「つがる」に統一され、「かもしか」は廃止された[3][9][10][11][12]。
列車名は、沿線近隣にある白神山地に生息するカモシカが由来となっており[4]、イラストマークには「原生林のカモシカ」が描かれていた[1]。
-
485系電車で運行されていた、かもしか号。
(2007年9月15日 青森駅) -
かもしか号のヘッドマーク。このマークに描かれているシカはカモシカではなくエゾシカだという指摘がある[4]。
(2004年3月19日)
運行形態
2010年12月3日廃止時で、3往復が運行されていた[4][5]。
また車内には、「こまち」との連絡列車として車内販売員が乗務していた時期もあった[13]。
停車駅
秋田駅 - 八郎潟駅 - 森岳駅 - 東能代駅 - 二ツ井駅 - 鷹ノ巣駅 - 大館駅 - 碇ケ関駅 - 大鰐温泉駅 - 弘前駅 - 青森駅
使用車両・編成
かもしか | ||||||||
← 秋田 青森 →
| ||||||||
| ||||||||
定期列車は基本的にすべて秋田車両センター所属の485系電車を使用し、485系電車としては最短の3両編成で運行された[5]。
これらは「たざわ」で使用されていた編成を3両編成に短縮したもので、で1997年末からはホワイトボディをベースにブルーとピンクの帯を配した専用塗色に塗色変更が行われ[8]、1999年までには全編成の塗り替えが完了した[1][6][12][14]。
通常は、1日に3両編成2本が使用されていたが、繁盛期には3両編成を2編成連結した6両編成で運転されることがあった[14][15][16]。
また繁忙期には583系電車も使用される場合があった[14][15][16][17]。2003年・2004年には秋田車両センター所属の9両編成で運転されたが[17]、老朽化が激しく2005年以降は繁忙期も運用に就いていなかった。2007年から2010年は4年連続で1月1日に2・3号が583系で運転された。これは上野駅 - 青森駅間運転の臨時特急「ふるさとゴロンと」で使用した編成が青森車両センターに駐泊する期間の間合いを利用したものである。2007年は仙台車両センター所属車両が使用されたが、これは秋田車両センター所属編成が全般検査に入っていて使用できなかったためである。
歴史
- 1996年(平成8年)3月30日:秋田新幹線建設工事に伴い、「たざわ」の秋田新幹線建設工事区間が運休し、秋田駅 - 青森駅間の特急列車に変更。2往復のみの運行となる[1][3]。
- 1997年(平成9年)3月22日:秋田新幹線開業に伴い、「たざわ」の残存区間を「かもしか」に改称[1][3][7][8]。
- 1999年(平成11年)12月4日:「かもしか」の自由席が3号車(禁煙車)から1号車の半室(禁煙車)と2号車(喫煙車)になる。
- 2001年(平成13年)3月3日:大阪駅 - 青森駅間の特急「白鳥」が廃止。特急「いなほ」の青森行きのダイヤを従来の「白鳥」のものに変更。従来「いなほ」として運行されていたダイヤの秋田駅以北を「かもしか」に分離・編入し「かもしか」は3往復となる[3][5][18]。
- 2002年(平成14年)12月1日:東北新幹線盛岡駅 - 八戸駅間開業によるダイヤ改正により、全列車が碇ケ関駅に停車、同時に1往復停車していた早口駅は全列車通過になる。
- 2004年(平成16年):寝台特急「あけぼの」が新潟県中越地震で運休となったため、秋田駅 - 青森駅間は「かもしか」91・92号にて代替輸送を行う。ただし、車両運用の関係で一時期気動車による全車自由席の快速列車として運転した。
- 2007年(平成19年)3月18日:全車禁煙になる[19]。
- 2009年(平成21年)3月14日:一部列車で行われていた車内販売が廃止[要出典]。
- 2010年(平成22年)12月4日:東北新幹線全線開通に伴うダイヤ改正により、「いなほ」の秋田-青森間を分離し、「かもしか」と統合。新たに「つがる」として運転開始[3][10][20][11][12]。
脚注
- ^ a b c d e f g 『鉄道ファン』第523号、交友社、2004年11月、34頁。
- ^ 『鉄道ファン』第343号、交友社、1989年11月、116頁。
- ^ a b c d e f g 三宅俊彦『国鉄・JR特急列車100年』(第1刷)JTBパブリッシング、2012年12月。ISBN 978-4-533-08852-0。
- ^ a b c d e 梅原淳『485系物語』JTBパブリッシング、2013年3月。ISBN 978-4-533-08974-9。
- ^ a b 『鉄道ファン』第602号、交友社、2011年6月、50頁。
- ^ a b 『鉄道ジャーナル』第368号、鉄道ジャーナル社、1997年6月、41頁。
- ^ a b c 『鉄道ジャーナル』第388号、鉄道ジャーナル社、1999年2月、63頁。
- ^ “2010年12月ダイヤ改正について” (PDF) (Press release). 東日本旅客鉄道. 24 September 2010. 2017年4月5日閲覧.
- ^ a b “「かもしか」ラストラン 新幹線開業で消えゆく特急”. 朝日新聞. (2010年12月4日) 2018年3月2日閲覧。
- ^ a b 『鉄道ファン』第598号、交友社、2011年2月、13頁。
- ^ a b c 『鉄道ファン』第614号、交友社、2011年2月。
- ^ a b 『鉄道ジャーナル』第457号、鉄道ジャーナル社、2004年11月、66 - 67頁。
- ^ a b c d 『鉄道ファン』第556号、交友社、2007年8月、36頁。
- ^ a b “かもしか”、583系で運転『鉄道ファン』交友社 railf.jp鉄道ニュース 2008年1月2日
- ^ a b “かもしか”、583系で運転『鉄道ファン』交友社 railf.jp鉄道ニュース 2010年1月3日
- ^ a b 『鉄道ジャーナル』第442号、鉄道ジャーナル社、2083-08 エラー: 日付が有効な範囲を超えています。(説明)、88頁。
- ^ “JR旅客各社 来年3月3日にダイヤ改正”. 交通新聞 (交通新聞社): p. 3. (2000年12月12日)
- ^ “2007年3月ダイヤ改正について” (PDF) (Press release). 東日本旅客鉄道. 22 December 2006. 2015年12月19日閲覧.
- ^ “2010年12月ダイヤ改正について” (PDF) (Press release). 東日本旅客鉄道. 24 September 2010. 2015年12月19日閲覧.
{{cite press release}}
: CS1メンテナンス: 先頭の0を省略したymd形式の日付 (カテゴリ)