クロノメーター

これはこのページの過去の版です。219.97.104.135 (会話) による 2006年7月26日 (水) 13:33個人設定で未設定ならUTC)時点の版 (加筆)であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

クロノメーターは、一般にスイスクロノメーター検定協会(COSC)による検定に合格した高精度の機械式時計のこと。COSC以外にも各地の天文台などで認定を行っている場合もあり、この認定を受けたものをクロノメーターと呼ぶこともあるが、現代においてクロノメーターといえばほぼCOSCの検定を受けたものを言う。

クロノメーター検定は、設置位置や温度を変化させて機械式時計の精度を見るもので、すべての環境で日差-4秒~+6秒以内に誤差が収まったものに認定が与えられる。クォーツ時計は月に数秒程度の誤差が一般的であるが、機械式時計の場合この程度でも十分精度が高いものとみなされる。

クロノメーターの起源は大航海時代である。航海が増加し、多発する海難事故を防ぐために海上での正しい経度測定法が求められた。1714年英国議会経度法を制定し、揺れる船舶の上でも正しい時を刻む高精度の時計が必要とされたのがクロノメーター誕生のきっかけであった。

18世紀初頭、もっとも精度の高い時計は振り子時計であったが、による揺れの影響の大きい海上では機能しなかった。この問題を解決するため、1735年イギリス人の大工ジョン・ハリソンは頑丈なに揺れや温度変化を吸収するバネを取り付け、温度や揺れに強い置時計を製作し「クロノメーター」と名づけた。その後ハリソンは改良を重ね、1759年には直径5インチの懐中時計を4号機(クロノメーターH4)として年差にして30秒という高性能なものを製作し、状況を問わず高精度な時計の代名詞となった。

名称は、ギリシア神話の時間神クロノスに由来する。