ファイアーエムブレム
任天堂のシミュレーションロールプレイングゲームシリーズ
ファイアーエムブレムは、任天堂の戦略シミュレーションゲームシリーズ。略称は主にFE。シミュレーションRPGジャンルの草分け的作品である。
ファンタジーを背景に置き、それまでの戦略シミュレーションゲームと違い、ユニットをキャラクターとして表現することによって、シナリオに明確な物語性を導入した。またそのことによる帰結として、ユニット(キャラクター)を一度失うと再び生き返らないのも特色である。
難易度の高さで知られ、ファンも多く、特に熱狂的なファンをエムブレマーと呼ぶ。
ファイアーエムブレム自体は、ジャンルをシミュレーションRPGとは言わず「ロールプレイングシミュレーション」としている。
開発はインテリジェントシステムズ。
尚、「ファイヤーエンブレム」あるいは「ファイアーエンブレム」と呼ぶのは間違いである。
シリーズ作品
- 『ファイアーエムブレム 暗黒竜と光の剣』(1991年ファミコン)
- 『ファイアーエムブレム外伝』(1992年ファミコン)
- 『ファイアーエムブレム 紋章の謎』(1994年スーパーファミコン)
- 『ファイアーエムブレム 聖戦の系譜』(1996年スーパーファミコン)
- 『ファイアーエムブレム トラキア776』(1999年スーパーファミコン/ニンテンドウパワー、2000年スーパーファミコン/ROMカセット)
- 『ファイアーエムブレム 封印の剣』(2002年ゲームボーイアドバンス)
- 『ファイアーエムブレム 烈火の剣』(2003年ゲームボーイアドバンス)
- 『ファイアーエムブレム 聖魔の光石』(2004年ゲームボーイアドバンス)
シリーズ共通用語
- アカネイア/バレンシア/ユグドラル/エレブ大陸
- アカネイアは『暗黒竜と光の剣』『紋章の謎』、バレンシアは『外伝』、ユグドラルは『聖戦の系譜』『トラキア776』、エレブは『封印の剣』『烈火の剣』の舞台となっている。尚、各大陸の繋がりはアカネイアとバレンシア以外無いと思われる。
- ファイアーエムブレム
- アカネイア大陸とエレブ大陸に存在する、ストーリーの鍵となる宝物。アイテムや象徴的存在など様々な形で登場する。
因みに、ユグドラル大陸にも一応存在はするものの、公爵家の家紋という扱いになっているため、物語に直接関係はない。 - トライアングルアタック
- 敵ユニットを同じユニット三体で囲むことによって、繰り出すことが出来る必殺技。
主に、ペガサスナイトの3姉妹が使うことが出来る。 - クラスチェンジ
- 下級ユニットが、一定以上のレベルにあがることにより専用アイテムやイベントなどによって上級ユニットにクラスを上げること。
クラスチェンジをすることによってパラメータの上限が上がったり、新たに使用可能武器が増えたりする。 - 制圧
- ロードが敵の拠点であるポイントに到達することで出現するコマンド。
これを行う事によって主人公たちの勢力がその戦いに勝利することが出来る。
但し、一部のマップでは別の条件でクリアする場合もある。 - 話す
- 敵軍や同盟軍のキャラクターを自軍に引き込んだり、会話をすることが出来るコマンド。
主にそのキャラクターに関係のあるキャラクターか、興味を持っているキャラクターが対象キャラクターに隣接することで出現する。 - 秘密の店
- メンバーカードを持ったユニットがある一定の場所に到達することで出現するコマンド。
文字通りの秘密の店で、そこでしか売っていない商品や、普段購入することが難しい商品などが売られている。
但し『外伝』『聖戦の系譜』には存在しない。 - 中断セーブ
- ゲームを途中で中断することが出来るコマンド。中断したところから何度も再開をすることは出来ない。また『聖戦の系譜』ではシステム上廃されている。
- アンナ
- 中断セーブや預かり所、秘密の店の女主人として出てくる赤髪の女性。たまに秘密の店などと関係のないところで顔を見せる。ジェイクという恋人がいる。
- 必殺の一撃
- 一般的なRPGでいう「会心の一撃」。通常の3倍のダメージを与えることが出来る。
基本的に「技」のパラメータが高いほど出やすく、武器自体に必殺率の補正がついているものもある。
敵も使ってくるため、ファイアーエムブレムが「手ごわいシミュレーション」とうたわれる所以の一つでもある。 - 必殺率
- 「必殺の一撃」を繰り出すために必要な確立。これが高ければ高いほど「必殺の一撃」が出やすい。
- 剣、槍、斧、弓
- 物理攻撃に使う武器の種類(魔法除く)、剣は命中力が高いかわりに攻撃力が低く、斧は攻撃力が高いかわりに命中率が低く、槍はその中間の能力を持つ。また弓は1マス離れたところから攻撃でき、空を飛ぶ相手(飛行系)に対して強い威力を持つかわりに隣接した敵には攻撃できないという短所を持つ(但し、『外伝』では隣接~最大5マス離れたところまで攻撃出来る)。
因みに「聖戦の系譜」以降では「武器(魔法)の三すくみ」という要素が登場し、剣は斧に強く、槍は剣に強く、斧は槍に強いとなっている(魔法は作品により異なっている)。
- 魔道書、杖
- 魔法攻撃や味方を支援するのに必要な武器の種類。魔道書は攻撃魔法を使うときに必要で、杖は主に味方の体力の回復や敵を一定時間行動不能にしたりする効果がある。
- 特攻
- 特定のユニットの系列に対して攻撃した場合に通常よりも多くダメージを与える弱点攻撃のこと。通常はナイトキラーやアーマーキラーといった武器に付属している場合が多い。
- ナイト系
- 馬にまたがり幅広い範囲を移動できる兵種で、ソシアルナイト、パラディン、ボウナイトなどが存在する。
- アーマー系
- 重い鎧を身につけ、守備力に優れる重騎士。しかし移動力と素早さが低く、また魔法攻撃にも弱い。
アーマーナイト、ソードアーマー、ジェネラルなどがいる。 - 飛行系
- 天馬や飛竜で戦場を駆ける騎士。機動力が高く、地形に左右されず行動できるが、総じて弓による攻撃に弱い。ペガサスナイト、ファルコンナイト、ドラゴンナイト、など。
ユニット説明
主人公専用ユニット
- ロード系
- ロード
- 「主」の意。ほぼ全てのシリーズに登場する主人公専用ユニット。主に歩兵。
このユニットを始めとする『ロード系』は死亡すると例外なく強制的にゲームオーバーになる。 - ジュニアロード
- 『聖戦の系譜』後半の主人公セリス専用ユニット。名前こそ異なるが役柄はほぼロードと変りはない。
- マスターロード
- 『封印の剣』主人公ロイ専用のロードからクラスチェンジ後のユニット。
- ロードナイト
- 『聖戦の系譜』前半主人公シグルド、後半主人公セリスと『烈火の剣』主人公エリウッドのロードからクラスチェンジ後のユニット。歩兵から騎兵となり、使用可能武器が剣のみから槍も使えるようになる。尚、シグルドのみ元からロードナイトである。
- ブレイドロード
- 『烈火の剣』主人公リン専用のロードからクラスチェンジ後のユニット。使用可能武器が剣のみから弓も使えるようになる。
- グレートロード
- 『烈火の剣』主人公ヘクトル専用のロードからクラスチェンジ後のユニット。使用可能武器が斧のみから剣も使えるようになる。
- せんし
- 『外伝』主人公アルム専用クラス。名前こそ異なるが役柄はほぼロードと変りはない。戦士系の戦士とは別。
- しんかん
- 『外伝』主人公セリカ専用クラス。名前こそ異なるが役柄はほぼロードと変りはない。
- ゆうしゃ
- 『外伝』主人公アルム専用のせんしからクラスチェンジ後のユニット。剣士系の勇者とは別。
- プリンセス
- 『外伝』主人公セリカ専用のしんかんからクラスチェンジ後のユニット。
シリーズ共通ユニット(ユニット性能が同じで名称が異なるものは括弧内表示)
- ナイト系
- ソシアルナイト
- 「徒騎士」つまり雇い主がいる騎士のこと、馬にまたがり幅広い範囲を移動でき、平均的な能力を有するが、地形が悪いところには入りづらい事が多い。
- パラディン
- 主に経験を積んだソシアルナイトが昇格する「聖騎士」。移動能力と能力が更に上がっている。
- 飛行系
- ペガサスナイト
- 天馬にまたがった、主に女性の騎士。飛行することにより殆どの地形に入れるが、魔法攻撃に強い(一部の魔法攻撃を除く)が弓による攻撃にとても弱い。
- ドラゴンナイト
- 飛竜にまたがった騎士で、 紋章の謎ではペガサスナイトが昇格する。またこちらは男女ともに存在する。
防御力が高く力も強い。但し、飛行しているため弓にはやはり弱いのとペガサスナイトと違い、魔法攻撃にも弱い。
- 弓系
- アーチャー(ボウファイター)
- 「弓引き」という名の通り、弓によって攻撃するユニット。後方からの援護に役立つ。
- スナイパー
- アーチャー(ボウファイター)から昇格、正確無比な弓の腕で狙った相手を仕留める。
- ホースメン(アーチナイト、遊牧民)
- 馬にまたがった弓兵。機動力を生かし遠くの敵にも攻撃できる。
- アーマー系
- アーマーナイト
- 全身に鎧をまとった騎士。重い鎧を着ているため機動力は低いが高い防御力を誇る。魔法攻撃には弱い。
- ジェネラル(しょうぐん)
- 主にアーマーナイトが昇格する「将軍」。機動性が低いのと、魔法に弱いのは変らないが、大きなな防御力と攻撃力を誇る。
- 戦士系
- 戦士(アクスファイター)
- 斧を専門に使う歩兵。力と体力に優れるが、守備力が低い。
- 剣士系
- 傭兵(ソードファイター)
- 剣を専門に扱う歩兵。力、技、速さのバランスがよく、前線や護衛などオールマイティにこなせるユニット。
- 勇者(フォーレスト)
- 名声を得た傭兵が昇格する戦場の主役。全てのパラメータが総じて高い。
- 魔法系
- 魔道士(マージ)
- 攻撃魔法を用いて敵と戦うユニットで、杖は装備できない。他のユニットに比べ守備力が低い。
- シスター(プリースト、僧侶)
- 魔法の杖を使い味方を助ける完全支援ユニット。武器を装備出来ないため、敵に攻撃された場合を除き、任意で敵との戦闘は出来ない。魔道士同様守備力は低い。
- その他
- マムクート
- 竜に姿を変えて戦う「人ならぬ人」。絶大な戦闘能力を持つが味方となる人数が極めて少ない。物語に大きくかかわることが多い。
- 盗賊(シーフ)
- マップ内にある宝箱を開けたり、敵からアイテム等を盗むことが出来るユニット。素早さは高いが、総合的な戦闘能力は低い。
- 踊り子(ダンサー、(注)バード)
- 不思議な踊りや演奏で行動済みのユニットを再び行動できるようにする支援ユニット。戦闘能力は低く、また、作品によっては武器を装備出来ないため戦闘は出来ないようになっている(敵に攻撃された場合を除く)。(注、バードが上記と同じ役割をしたのは「封印の剣」「烈火の剣」のみで、「聖戦の系譜」「トラキア776」では魔法による攻撃ができた)
作品別ユニット(ユニット性能が同じで名称が異なるものは括弧内表示)
- 弓兵
- ハンター
- アーチャーと同じく弓を扱う歩兵。力は強く、素早さも高いが、鎧を装備したアーチャーと違い軽装備なので守備力がやや低い。クラスチェンジするとホースメンになる。
- シューター
- 遠くの敵を攻撃できる巨大な移動式の投擲機。
- 戦士系
- 海賊
- 斧を用いて海を縄張りとする「賊」。力はきわめて高いが、技が低いため攻撃は当たりにくい。
- 魔法系
- 司祭(ハイプリースト)
- 魔道士と僧侶がクラスチェンジするとなるクラス。魔道書と杖が両方扱える。
- その他
- コマンド
- 基本的な戦闘力は低いが、味方のユニットに変身できる。変身した場合、対象となるユニットのパラメータを(一部を除き)そのままコピーする。
- 剣士系
- 剣士
- 剣を専門に扱うユニット。素早さが高く、必殺の一撃を得意とする。
- ナイト系
- Gナイト
- パラディンから更にクラスチェンジした姿。
- アーマー系
- アーマー
- ソルジャーがクラスチェンジする重い鎧を着た騎士。アーマーナイトとほぼ同じ。
- バロン
- アーマーがクラスチェンジする「男爵」。ジェネラルのような存在。
- 魔法系
- 聖女
- シスターがクラスチェンジするユニット。強力な白魔法を扱うことが出来る。
- 賢者(セイジ)
- 魔道士がクラスチェンジするユニット。杖と更に強力な黒魔法を操る。
- 飛行系
- ファルコンナイト
- ペガサスナイトがクラスチェンジするユニット。戦闘能力が向上している。
- その他
- ソルジャー
- 槍を扱う歩兵。これといって特筆すべき特徴はない。
- 村人
- 様々なユニットにクラスチェンジが可能な特殊なクラス。組み合わせによっては無限にクラスチェンジが可能。
- ナイト系
- ランスナイト
- 槍を専門的に扱う騎士。馬にまたがっているため、機動力が高い。
- デュークナイト
- ランスナイトがクラスチェンジする上級騎士。機動力が更に上がっている。
- アクスナイト
- 斧を専門的に扱う騎士。馬にまたがっているため、機動力が高い。
- グレートナイト
- ランスナイトがクラスチェンジする上級騎士。機動力が更に上がっている。
- フリーナイト
- 剣を専門的に扱う傭兵騎士。
- フォレストナイト
- フリーナイトがクラスチェンジした姿。
- マスターナイト
- 全ての武器、杖を操ることが出来るマスターの称号を得た騎士。限られた者のみクラスチェンジ可能。
- 剣士系
- ソードマスター
- 素早さと技に極めて優れるソードファイターのクラスチェンジした姿。
- 飛行系
- ドラゴンマスター
- ドラゴンナイトが昇格する空の王者。比類なき力と防御力を誇るが、弓と魔法に弱いのは変らない。
- アーマー系
- ソードアーマー
- 剣を専門に扱うアーマーナイト。強い、固い、遅い。
- 魔法系
- シャーマン
- 光魔法と杖を扱うことが出来るユニット。
- サンダーマージ
- 雷の魔法を専門的に扱うユニット。他の魔法系ユニットと同じで守備力はやはり低い。
- マージファイター
- 魔法剣も扱えるようになった上級兵。
- マージナイト
- 馬にまたがった上級兵。魔法剣も扱うことが出来る。
- バード
- ユニットを再行動させることが出来るユニットと名前は同じでも性能は全く異なり、魔法攻撃を主体とした魔道士。
- トルバドール
- 馬にまたがり杖を扱う女性。作品によっては武器を持つことが出来、任意に戦闘が出来る。
- その他
- プリンス(プリンセス)
- 一国の王子(王女)のクラス。剣を主に使う(プリンセスの場合は杖も扱える)。