石立鉄男

日本の俳優 (1942-2007)

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石立 鉄男(いしだて てつお=本名、1942年7月31日2007年6月1日)は、神奈川県横須賀市出身の俳優。所属事務所は其田事務所鈴木とし江事務所アクターズプロモーションを経て、アンクルベイビーに所属していた。女優で元妻の吉村実子との間に長男、次男がいる。

いしだて てつお
石立 鉄男
本名 石立 鉄男
いしだて てつお
生年月日 (1942-07-31) 1942年7月31日
没年月日 (2007-06-01) 2007年6月1日(64歳没)
出生地 日本の旗 神奈川県横須賀市
死没地 日本の旗 静岡県熱海市
身長 177cm
血液型 B型[1]
ジャンル 俳優
活動期間 1964年 - 2007年
活動内容 俳優
配偶者 吉村実子(1968 ‐ 1998年)
主な作品
テレビドラマ
おくさまは18歳
気になる嫁さん
パパと呼ばないで
事件狩り
水もれ甲介
気まぐれ天使
赤い激流
赤い激突
さらば女ともだち
少女に何が起ったか
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来歴・人物

家業は養鶏業[2]横須賀市立池上中学校では、バスケットボール部に所属し大活躍。部員みんなで三浦高等学校へ進学を果たす。高校卒業後、俳優座養成所第13期生、文学座座員を経て『おくさまは18歳』の主演に抜擢される。

コミカルで人情味のある憎めない三枚目役で持ち味を発揮し、1970年代を中心に数多くのテレビドラマで主演を果たした俳優である。アフロヘアー、甲高い声、軽妙なセリフ回し、高速まばたき等の特徴で、見る者に独自のキャラクターを強く印象づけた。その一方で山口崇左時枝小山田宗徳らと「ゲバラ財団」という演劇グループを組み、毎週日曜日の夜に渋谷ジァン・ジァンで入場無料で公演を行っていた[3]

主演したテレビドラマ『パパと呼ばないで』での劇中のセリフ「おい、チー坊」がのちに竹中直人柳沢慎吾らにモノマネされた。

晩年に収録されたラジオ番組のインタビュー[4]では、自分がコミカルな俳優として世間に認知されていることを認める一方、他人をけなしたり差別したりすることで笑いを取ることは一貫して否定してきたことを明かしている。

私生活では1968年女優吉村実子と結婚したが、約25年間の別居生活を経て1998年に離婚。離婚会見では「25年間で2回ほどしか会っていない。今は顔も分からない状態」と発言した[5]

コミカルな役柄や後述のトラブルとは逆に性格は非常にシャイで、ドラマの休憩中は喫煙場でずっと1人でタバコを吹かすような人物だった。晩年のバラエティ番組への出演にも消極的だったが、バラエティ番組でブレイク前の時期の杉田かおるが「セットが条件で」と出演を頼むと「俺が承諾すれば、お前(杉田)は出れるんだな?」と言って出演し、かつて共演した俳優仲間への義理堅さもあった。

ドッグブリーダーとしても有名であり、また将棋に関してはアマチュア四段の腕前を持っていた(NHKの将棋対局などに出演したことがあるほど)。宮田利男を初めとするプロ棋士達ともプライベートでも交流があった。

芸能界では指折りの腕っ節の強さで知られていた。しかし、テレビドラマ『湘南物語』の撮影において毎回遅刻してくる石立に対して共演者の藤竜也が激怒し、石立に殴りかかった(藤に石立が殴り返したとの説もある)。そのトラブルから石立は「突然外国に行ってしまった」との設定で同作を降板している[6]

1999年頃からは静岡県熱海市に移り住み、市内で麻雀店も経営していた。

2007年6月1日、就寝中に急性動脈瘤破裂のため静岡県熱海市にて死去[7]。64歳没。

石立の芸能人としての最後の仕事は、死去3週間前の2007年5月13日に『ウラネタ芸能ワイド 週刊えみぃSHOW』(読売テレビ、関西ローカル)の「あこがれのあの人 数珠つなぎ」コーナーへの出演であった。自身の人生を振り返り「全盛期には5億から10億ぐらい稼いだのに、全部バクチで使い切った」とのエピソードを明かした。また同年3月に鈴木ヒロミツが亡くなった際にはテレビの取材にコメントを残している。

葬儀告別式6月3日に熱海市内ので営まれた。当初は親族のみで執り行われる予定だったが、前日に営まれた通夜には大映テレビ制作のドラマで共演した宇津井健や俳優座の先輩である冨士眞奈美、後輩の山口いづみ杉田かおるらが、また告別式には俳優座の先輩である大山のぶ代砂川啓介夫妻や勝呂誉ら数多くの芸能関係者が弔問に訪れた。戒名は「爽照院朗峰鉄心居士(そうしょういんろうほうてっしんこじ)」。

出演

テレビドラマ

Webドラマ

  • 1+1(2002年、Toshiba Web Street) - 主演
  • Break Out!(2004年、Toshiba Web Street) - 主演・阿久根瞬   

映画

作品名 監督 役名 配給・制作 時間 備考
1964 血とダイヤモンド 福田純 ジロー 東宝 96分
仇討 今井正 辰之助 東宝 103分
1965 城取り 舛田利雄 木樵 彦十 日活 134分
ぜったい多数 中村登 阿高 賢三 松竹 95分 原作:曽野綾子
1966 殺人者 安田公義 白戸礼太 大映 87分 原作:原田康子
恋する年ごろ 宮崎守 及川伸夫 松竹 83分
1967 愛の渇き 蔵原惟繕  園丁・三郎 日活 98分 原作:三島由紀夫
恋をしようよカリブの花 宮崎守 黒木 武 松竹 82分
さそり 水川淳三 荒木順一 松竹 89分
智恵子抄 中村登 犬吹の太郎 松竹 125分 原作:高村光太郎、佐藤春夫
父子草 丸山誠治 西村 茂 東宝 85分 脚本:木下恵介
ミニミニ突撃隊 梅津明次郎 週刊誌記者・森 松竹 87分
1968 天使の誘惑 田中康義 藤巻 徹 松竹 87分
若者たち 森川時久 戸坂 自主上映 87分
1969 橋のない川 今井正 峰村悠治 127分 原作:住井すゑ
若者はゆく 続若者たち 森川時久 戸坂 松竹 98分
ひとりっ子 家城巳代治  勝男 不明 91分
1970 君が若者なら 深作欣二 樋口 喜久男 松竹 90分
こちら55号応答せよ!危機百発 小村芳太郎 修一 松竹 88分
俺は眠たかった!! 萩本欽一 秋山 松竹 80分
若者の旗 森川時久 戸坂 「若者たち」

全国上映委員会 

101分
1971 愛ふたたび 市川崑 キーちゃん 東宝 95分 脚本:谷川俊太郎
おくさまは18歳 結婚教室 山本邦彦 高木 哲也 東宝 83分
1974 涙のあとから微笑みが 市村泰一 浦松 雄三 松竹 87分
1978 ピンク・レディーの活動大写真 小谷承靖  白川仙吉

(映画製作者)

東宝 83分
1986 そろばんずく 森田光芳 大山(クライア

ント)

東宝 109分
1987 ドン松五郎の大冒険 後藤秀司 権藤 健 東宝東和 101分
1990 激動の1750日 中島貞夫 本道高道 (組長) 東映 115分
1991 あんこう〔VHS〕 いとうまさお 刑事 SHSプロジェクト 95分 原作:篠原とおる

W主演:大場久美子

1995 降旗康男 神官 東映 130分 原作:宮尾登美子
はるか 素顔の19歳 山下耕作 企画|大阪市教育委員会配給|共和教育映画社 54分 文部科学省選定 

人権同和教育啓発映画

1996 キタの帝王 闇の法廷伝説 渡辺護衛 オールインエン

ターテイメント

85分 ※特別出演
風の中のスクラム 西森康友 富田運転手 企画|大阪市・大阪市教育委員会、配給|東映 53分 同和問題啓発映画原作:田中宏子「ノーサイド」
1997 すばらしき臨終 大井利夫 有田建造

(葬儀屋社長)

FKD 104分
2000 殺し屋PAZUZU 渡辺武 オールインエン

ターテイメント

79分 制作:松方弘樹
極道の妻たち/リベンジ 関本郁夫 河合正道

(河合組組長)

東映ビデオ 111分
2001 私の骨 荻野憲之  大野竜司


ジェイ・ブイ・ディ

ー=グローバルエン

タテインメント

81分
2002 紅姉妹 団鬼六 新東宝

=紅姉妹製作委員会

105分 ※特別出演

R-18アダルト映画

2004 ムーンライト・

ジェリーフィッシュ

鶴見昴介 山下源三 ポニー・キャニオン 113分
2005 Break Out!! 秋原北胤 阿久根瞬 KAERU CAFE 74分 主演Webドラマ(2004)劇場版として公開
2007 キャプテン・トキオ 渡辺一志 老人 プログレッシブ・

ピクチャーズ/ディーライツ 

95分 ※遺作

吹き替え

洋画

海外ドラマ

人形劇

バラエティ

歌番組

  • 超豪華競演!堺正章井上順の時代を飾ったあの名曲たち 歌って笑って生放送!2 (2005年6月8日、フジテレビ) ※岡崎友紀のご対面ゲストとして特別出演

CM

  • ポテトチップス(湖池屋
  • 泰平食材宅配センター(タイヘイ食品、1978年)
  • ダイヤトーン・たてコン(三菱電機、1979年)
  • VapoRub ヴィックスヴェポラップ(大正製薬、1982年 - 1988年)
  • カップ焼そばBanBan、いか焼そば、わかめラーメン、ワンタン麺(エースコック
  • ドライマックスE(ペプシ/伊藤忠グループ(日本ペプシコ))※発売当時
  • どどっとつぶぴょん(2002年)
  • カプセル&サウナ ニュージャパンEX (2005年)

音楽

シングル

  • 「さみしいナ…」 片面:水もれ甲介テーマ 歌:シンガーズ・スリー(1974年、CBS・ソニー SOLB-199)※日本テレビ『水もれ甲介』挿入歌
  • 「さらば女ともだち」 片面:女嫌いのバラード 杉浦直樹とデュエット(1983年、東芝EMI TP-17454)※テレビ朝日『さらば女ともだち』主題歌・挿入歌。
  • 「優しさゲーム」 片面:チェイス (1983年、ワーナー・パイオニア L-1627)※山内絵美子とのデュエット

アルバム

  • 優しさゲーム(ワーナー・パイオニア)

CD

  • 名古屋章+石立鉄男 FEATURING DJ takawo「1+1」- カエルカフェ製作。2人のドラマでの声をサンプリングしたCD
  • ISHIDATE TETSUO VOICE(カエルカフェ)石立の声のみを収録したCD。

脚注

  1. ^ 映画チャンネルNECO 石立鉄男の部屋 プロフィール
  2. ^ 佐貫百合人『役者烈々 俳優座養成所の軌跡』、三一書房、1995年、51頁
  3. ^ 資料:『コメディードラマソングブック』(VAP
  4. ^ 2005年10月 JOQR文化放送『くにまるワイドごぜんさま〜邦流』
  5. ^ 1999年4月27日スポーツニッポン「別居25年… 石立鉄男、女優・吉村実子と離婚」
  6. ^ 『女性セブン』[要ページ番号]
  7. ^ 俳優の石立鉄男さん死去 コミカルで人情味あふれる役] 朝日新聞 2007年6月1日閲覧

関連項目

外部リンク