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『TV Eye:1977 ライヴ』
イギー・ポップライブ・アルバム
リリース
録音 1977年3月21, 22日
アゴラ・シアター・アンド・ボールルーム英語版, オハイオ州クリーブランド
1977年3月28日
アラゴン・ボールルーム英語版イリノイ州シカゴ
1977年10月26日
アップタウン・シアター英語版, ミズーリ州カンザスシティ
ジャンル ハード・ロック[1], パンク・ロック[2]
時間
レーベル RCAレコード
プロデュース イギー・ポップ
イギー・ポップ アルバム 年表
キル・シティ
1977年
TV Eye:1977 ライヴニュー・ヴァリューズ
1979年
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TV Eye:1977 ライヴ』 (TV Eye Live 1977)は、1978年にリリースされたイギー・ポップのライヴ・アルバム。本作を以って1970年代のイギーとデヴィッド・ボウイのコラボレーション作品は終了するが、本作の制作にボウイは参加していない。

プロダクション

経緯

イギーは1977年に『イディオット』『ラスト・フォー・ライフ』とアルバム2枚をリリースし、いずれも商業面、批評面の両面で高い成果を挙げたが、アメリカに限っては『ラスト・フォー・ライフ』が所属レコード会社のRCAレコードによって不当な扱いを受けたことに不満を募らせていた。RCAとは3枚のアルバムを制作するという契約を締結していたが、既にRCAから離れたかったイギーは、先の2枚のアルバムのリリースに伴うツアーの音源がある程度まとまっていることに目をつけ、本作を「3枚目のアルバム」、つまり契約を終了させるためのアルバムとしてリリースすることを思いつき、RCAに申請し、経費として90000ドルを受け取ると、制作に取り掛かった。

レコーディング

本作で使用されているライブ音源は、『イディオット』ツアー及び『ラスト・フォー・ライフ』ツアーでサウンドボード録音されたものが使用されている。イギーは先の2作で使用したハンザ・スタジオでエンジニアのエドゥ・マイヤーに指示して各音源をブラッシュアップし、これをマスターとしてRCAに渡した。製作にかかった経費は5000ドルと言われている。

リリース

オリジナル版

本作は1978年5月にリリースされた。チャートアクションは鈍く、ビルボード200にも全英アルバムチャートにも登場していない。

日本では『TV・アイ|イギー・ポップライブ』というタイトルでリリースされた[3]

リミックス版

2020年5月29日に1970年代のイギーとボウイとのコラボレーション作品をまとめた7枚組のボックスセットがリリースされた[注 1]。ここに『イディオット』『ラスト・フォー・ライフ』に加え、本作のリマスター盤も収録されている[注 2][5]

日本では一足先にSHM-CD向けにデジタルリマスターされたリミックス版が2014年10月29日に数量限定でリリースされている[6]。この時、邦題が原題に近いものに変更された[7]

評価

専門評論家によるレビュー
レビュー・スコア
出典評価
オールミュージック     [1]
クリストガウ・レコード・ガイド英語版C+[8]

オールミュージックではマーク・デミングが「ブートレグよりは高品質だが、低評価を覚悟の上でわざわざリリースするほどの作品ではない。完璧を期すコレクター向けの作品」といった主旨の評価を下し[1]、クリストガウ・レコードガイドではロバート・クリストガウが「筆者を怒らせた作品だからといって、評価点をつけられないわけではない」とやはり低評価を下している[8]。また、イギーの伝記作家、ポール・トリンカ英語版も「(未発表デモに基づいて制作され、『ラスト・フォー・ライフ』と本作の間に発売された)『キル・シティ』の方が正規盤に相応しく聞こえる」といった主旨の評価を下している[2]
イギー自身も本作を「RCAとの契約を終わらせるために制作した作品」であり、急ごしらえであるために完成度が低いことを認めている[2]

このように低評価が目立つ本作だが、ボウイがキーボードとバッキング・ヴォーカルを担当した『イディオット』ツアーの正規音源は貴重で、ボックスセット『1977 - ボウイ・イヤーズ 7CD ボックス・エディション』リリースまで、明確に正規音源と呼べる作品はリリースされていなかった[注 3]

Track listing

  1. "T.V. Eye"ママ[12][13][14] (Iggy Pop, Ron Asheton)
  2. "Funtime" (Iggy Pop, David Bowie)
  3. "Sixteen" (Iggy Pop)
  4. "I Got a Right" (Iggy Pop)
  5. "Lust for Life" (Iggy Pop, David Bowie)
  6. "Dirt" (Iggy Pop)
  7. "Nightclubbing" (Iggy Pop, David Bowie)
  8. "I Wanna Be Your Dog" (Iggy Pop, Ron Asheton)

Personnel

Technical
  • Eduard Meyer – engineer
  • Barney Wan – art direction
  • Jan Michael Alejandro – tech, road crew
  • Vern "Moose" Constan – tech, road crew
  • Robert Joyce – tech, road crew

注釈

  1. ^ デラックス版のリリースは2020年4月10日に「チャイナ・ガール」のオルタネイト・ミックスの発表[4]とともに予告された。
  2. ^ この他にオルタネイト・ミックスやアウトテイクのリマスター盤及び3枚のライヴアルバムが含まれている。
  3. ^ 本作と同日のアラゴン・ボールルームで収録された音源がリリースされているが、楽曲の版権を持つRCAレコードやユニヴァーサルからではなくイージーアクション・レーベル[9]からのリリースである[10]。これは日本国内盤も発売された[11]

脚注

  1. ^ a b c Deming, Mark. “TV Eye: Live 1977 | Songs, Reviews, Credits”. AllMusic. 2020年7月4日閲覧。
  2. ^ a b c Trynka, Paul (2007年). Iggy Pop: Open Up and Bleed. Broadway Books. ISBN 978-0-7679-2722-2 
  3. ^ Iggy Pop - TV Eye 1977 Live (1978, Vinyl) | Discogs”. Discogs. 2020年7月4日閲覧。
  4. ^ Iggy Pop - China Girl (Alternative Mix / Audio) - YouTube
  5. ^ 1977 - ボウイ・イヤーズ 7CD ボックス・エディション”. ユニバーサルミュージック合同会社. 2020年4月26日閲覧。
  6. ^ Iggy Pop - TV Eye 1977 Live (2014, SHM-CD, Papersleeve, CD) | Discogs”. Discogs. 2020年7月5日閲覧。
  7. ^ TV Eye: 1977 ライヴ [SHM-CD[CD] - イギー・ポップ - UNIVERSAL MUSIC JAPAN]”. ユニバーサルミュージック・ジャパン. 2020年7月5日閲覧。
  8. ^ a b Christgau, Robert (1981). “Consumer Guide '70s: P”. クリストガウ・レコード・ガイド英語版. Ticknor & Fields. ISBN 089919026X. https://www.robertchristgau.com/get_chap.php?k=P&bk=70 2019年3月10日閲覧。 
  9. ^ Easy Action レーベル | リリース | Discogs”. Discogs. 2020年7月5日閲覧。
  10. ^ Iggy Pop - Where The Faces Shine - Volume 1 | Discogs”. Discogs. 2020年7月5日閲覧。
  11. ^ Iggy Pop - Where The Faces Shine - Volume 1 | Discogs”. Discogs. 2020年7月5日閲覧。
  12. ^ iTunes – Music – TV Eye (1977 Live) by Iggy Pop”. iTunes Store. Apple Inc.. 2014年9月3日閲覧。
  13. ^ TV Eye (1977 Live) – Iggy Pop | Songs, Reviews, Credits, Awards | AllMusic”. AllMusic. 2014年9月3日閲覧。
  14. ^ Iggy Pop – TV Eye 1977 Live (Vinyl, LP, Album) at Discogs”. Discogs. 2014年9月3日閲覧。