鋼の錬金術師の登場人物一覧/history 20120609

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鋼の錬金術師の登場人物一覧(はがねのれんきんじゅつしのとうじょうじんぶついちらん)では、漫画作品及びテレビアニメ鋼の錬金術師』に登場した人物の説明をまとめる。

キャラクターの名前の多くが軍用機戦闘機もしくは兵器関係の名前からとられていると思われる。


注意:以降の記述には物語・作品・登場人物に関するネタバレが含まれます。免責事項もお読みください。


主要キャラクター

主要登場人物、またその人物に関わる比較的登場回数の多い登場人物

エルリック兄弟と周囲の人物

  • エドワード・エルリック(アニメ版の声:朴璐美/ドラマCD版の声:皆川純子
本作の主人公。みつあみに結った金髪と金色の瞳を持つ鋼の錬金術師。通称エド。アメストリス暦1899年にリゼンブールで生まれ、現在15歳。まもなく16歳。
5歳の頃に母・トリシャを流行り病で亡くしたことから、弟・アルフォンスと共に人体錬成によって母を生き返らせることを目標とし、師・イズミの下で錬金術を学ぶ。その後、帰郷し、人体錬成を行うも失敗。左足と弟を失う。そこから、右手を代価に弟の魂を錬成し、鎧に定着させる。身体の一部と弟の体を失わせたことから深い絶望に陥るも、マスタング大佐の勧めで国家錬金術師になることを決意。その後は、失った右手と左足を機械鎧(オートメイル)と呼ばれる義手と義足で補い、国家錬金術師の資格を収得。失った体の一部と弟の体を取り戻す方法(賢者の石)を探す為に自らの家を焼き払って弟と共に旅に出る。尚、本作の題名にもなっている「鋼の錬金術師」という異名は、国家錬金術師に送られる二つ名が、右手と左足の機械鎧から「鋼」と付けられた為である。背中に「フラメルの十字架」を背負った赤いコートがトレードマーク。
非常に短気で、感情的になりやすい、捻くれまくった性格。非科学的な物は信じないリアリストでもある。背が低いことがコンプレックス(150cm足らず。厚底ブーツ、頭の触覚含め全長165cm)で「チビ」「豆」「みじんこ」等の単語に過敏に反応し、時にはそれを言った相手を半殺しにすることも。作中でも、よく背が低いことをネタに取り上げられる(背が低いことに関しては、アルと肉体が繋がっている為という仮説が作中に登場している)。そしてアルやウィンリィなどと言った自分の大切な人に危害を加えようとする者に対しては激しい怒りを露にし、絶対に容赦しない。また、そういった一面とは別に弟の体にかなりの負い目を感じていたり、ウィンリィに対する恋心に素直になれないという面も覗かせている。
錬金術師としての実力はかなりの物で、体の一部を失ったとはいえ真理から帰還したり、特定人物の魂の錬成、史上最年少での国家錬金術師資格獲得等がそれを証明している。また、真理を見たことで錬成陣を書かずとも両手を合わせるだけで錬金術が行えることが、その評価を更に高めている。尚、他の錬金術師が特定分野の錬金術に偏っているのと比ると、かなり汎用性が広い(但し、本業は鉱物系の錬成らしい)。
イズミに錬金術と同時に体術を習ったことで、得意の錬金術とその体術を駆使し、臨機応変な戦闘を行う(主には右手の機械鎧を剣に錬成し武器とする)。
その他、恩人にあたるマスタングと牛乳が嫌い。独特のセンスを持ち、錬成物のイメージが常人離れしている。
  • 原作
ホムンクルスとの戦いを重ねる毎に賢者の石の正体とホムンクルスの狙いが見えてきた為に、賢者の石のみに頼ることを諦める。代わりに、人体錬成の失敗の原因やアルの肉体の場所が判明したために、そこから元に戻る方法を模索中である。また、マスタングと共闘してホムンクルスの真の狙いも探している。
  • アニメ
結果として賢者の石を手に入れるも、それは賢者の石になったアル自身だった。苦悩の末に賢者の石の存在を永久に消滅させることを決意。ダンテの待つ地下都市に乗り込むも、エンヴィーに隙を付かれ刺殺された。その後、アルが賢者の石となった自身を対価にエドを錬成し消滅するも、逆にエドが自身を対価にしてアルを人体錬成し、代わりにエドは真理の門の向こうの世界に飛ばされる。
本作のもう一人の主人公。エドの弟。通称アル。アメストリス暦1900年、リゼンブール生まれ、現在14歳。
5歳の頃に母・トリシャを流行り病で亡くしたことから、兄・エドワードと共に人体錬成によって母を生き返らせることを目標とし、師・イズミの下で錬金術を学ぶ。その後、帰郷し、人体錬成を行うも失敗して体を失うが、エドにより魂を錬成され鎧に定着される。現在は、兄と同じ目的を果たすため共に旅をしている。
性格は基本的には温和で優しい性格。兄想いで兄のことは誰よりも理解し、気にかけている。血気盛んな兄のフォローをしながら旅をしてきたせいか、年齢の割に大人びた面が目立つが、エドのボケに対しては子供らしく容赦無い毒舌と比較的まともなツッコミを入れる事もある。鎧の姿だが、顔を簡略化して書かれることが多く、そのため表情豊かである。
ナンバー66と対峙した時には、鎧の体という自身の存在証明について深く悩んだこともあり、またその後、ナンバー66の体に関して、魂が定着された鎧という体はいつ限界がきてもおかしくない時限爆弾付きの物であると知る。
アルの体は、エドの血液で書かれた刻印が仲立ちとなって、魂と鎧を結び付けている。この刻印が何らかの要因によって損なわれた場合、魂が消滅し、本当に死んでしまう。また、その体の特殊性ゆえ食事や睡眠が不要で、疲労が無く、視覚、聴覚以外の感覚や、三大欲求などと言ったものも無い。
戦闘に関しては、その大きな鎧の体を生かすと同時に軽いフットワークも兼ね揃え、特別、武器は使わずに純粋に体術のみで戦う。(原作で錬成陣を書く必要無く錬金術が使えるようになってからは、錬金術もあわせて使うようになった。)幼少の頃よりエドにケンカで負けたこと無いというエピソードがあるので鎧の体で無くとも、かなり強いと思われる。
その他、体という点を除けば、最大の望みは彼女を作ること。大の猫好きであるため、体の中で猫を飼おうとしてエドに怒られる事がしばしばある。密かにウィンリィに想いを抱き、幼い頃はその事で兄と喧嘩までしたが、現在は身を引き、不器用なエドとウィンリィの恋を応援している。だが、二人の仲を一番からかうのも彼である。
  • 原作
当初は、錬金術を行う際に、チョークなど錬成陣を書く道具を必要としていたが、鎧の中に匿っていたマーテルがブラッドレイによって殺された際、血印に浴びた彼女の血で真理で見たことを思い出す。以後は、エドやイズミと同じように錬成陣無しで錬金術が行えるようになった。アルの肉体は真理の扉の奥に幽閉されているような形で存在、精神もエドのものと混線していることなどが判明したため、現在ここから体を取り戻す方法を模索中である。
  • アニメ
リオールの街にて傷の男(スカー)と共にキンブリーと交戦。キンブリーは傷の男に倒されるが、キンブリーは死の間際にアルを爆弾へと錬成してしまう。アルを救うために傷の男は、自らとリオールに突入した7000人の兵士の魂を代価として賢者の石を錬成し、アルの鎧そのものを賢者の石に変える。その後、エドと共に賢者の石を狙うホムンクルス達の手から逃げ続けるも、タッカーの罠にはまり、結果エンヴィーによってダンテの地下都市へとさらわれる。地下都市では死んだエドを生き返らせるために賢者の石である自身を対価にしてエドを人体錬成することに成功。しかし、甦ったエドは自身と自分達の旅してきた4年間を代価にアルを錬成し、アルは10歳の肉体で人体錬成を行った以後の記憶を全て失った状態で蘇って終わる。
本作のヒロイン。淡い金髪でポニーテール。エドとアルの幼馴染で、リゼンブール出身。機械鎧整備士。
医者の家に生まれ、幼い頃は家にあった医術書を読んで過ごした。両親は「イシュヴァールの内乱」にて幼い頃に死去。以後は祖母・ピナコに育てられる。ピナコの影響を受けて機械鎧技師になり、「メカオタク」と言われるほどに機械類には目が無い女の子に育つ。物語前半では、ピナコと共にリゼンブールで機械鎧技師と働いていたが、エド達と共にラッシュバレーに立ち寄った際に、そこで更に技師の腕を磨く事を決意し、現在はガーフィールの下で働きながらも機械鎧整備士としての修行に精を出している。
性格はガサツな部分が目立ち、元気ハツラツ。その性格と機械好きが高じて、エドが機械鎧を壊したのを知れば問答無用でスパナで殴ったり、エドの銀時計を分解しようとしたり、見ず知らずの人物の機械鎧までもを追求しだすこともある。その反面、泣き虫かつ寂しがり屋で、常に危険に晒されている兄弟を心配したりと、誰よりも兄弟の無事を願っている。4年前に出会ったリザの影響でピアスを付け始め、年毎にそれは増えて今では右に4つ、左に2つの合計6つになっている。また、当初エドとは幼馴染みの関係から進めなかったが、傷の男との一件以来彼に対しての想いを自覚するようになった。
機械鎧整備士の腕は天賦の才を持ち、エドの機械鎧は全て彼女が製作、整備しているものである。エド自身も修理や整備の為にわざわざリゼンブールに帰ったり、彼女を出張整備と称して自分の元に呼び寄せている事からもわかるように、彼女以外の技師に整備してもらうつもりは無いようである。また、医者の家系で医学書を読んで育ったため、医学に関する知識も極めて優秀であり、助産婦の役を買って出たこともある。
  • 原作
イシュヴァールの内乱における両親の死が傷の男(スカー)によるものだったと知り、ヒューズの死を知ったことと重なって心身が不安定となり、ショックのあまり傷の男に対し偶然落ちていた銃を向けてしまうという場面もあった。が、エドの説得により心の整理がついたようである。現在は本人に自覚は無いままに、エドに対する牽制材料としてホムンクルス達に人質同然の立場されている。余談ではあるが、原作者の荒川弘はウィンリィと兄弟の繋がりを重要視しており、実は彼女を3話の時点で出したかったらしい。
  • アニメ
アニメでは両親の死が軍部によるもの(正確に言えば命令に逆らえなかったマスタング大佐の手による)となっている。また、原作とは違い、例えばシェスカと組んでホムンクルスの秘密を探ろうとするなど、ストーリーの核心部分に触れるような立場となっていた。また同時に、過剰な言動などで原作に比べてファンの評価は低く、また劇場版でのエドへの恋の結末などから、テレビ・劇場版ともにファンの賛否両論が最も著しいキャラクターになっている。ただ、テレビシリーズでのウィンリィは苦手でも、劇場版で彼女を良く思えるようになったという意見もある。
錬金術師。エルリック兄弟の師匠。現在35歳。
細いドレッドヘアーをポニーテールのように束ねた独特の髪型と左胸の鎖骨の下に「フラメルの十字架」の入れ墨が特徴。また、年齢と虚弱体質の割には若々しい美貌とプロポーションを保っている。だが服装にはあまりこだわりを見せず(それでも露出は結構高い)、履物は殆どトイレ用サンダル。
エルリック兄弟に錬金術の基礎と体術を叩き込んだ鬼師匠であると同時に、母のいない兄弟にとっての母親役でもある(逆に子供のいない彼女にとって、兄弟は良い子供役だった)。本来、弟子を取らぬ主義だったが、弟子入り志願してきたエルリック兄弟に根負けし、まずは「無人島で一ヶ月錬金術無しで生き延びること」を条件に出す。さらに「一は全、全は一」の命題を与え、さらに肉屋である自店の従業員であるメイスンを使い、より過酷な修行にするなどといったスパルタ訓練を行う。
錬金術師としての腕前は真理から帰還したことを見れば相当な物であるとわかるが、弟子を取らない方針、なるべく錬金術を使わないと言った錬金術師らしからぬ行動も目立つ(禁忌を犯したことが原因であると推測される)。また凄腕の錬金術師であると同時に、体術も大の男を次々なぎ倒すほどの腕前。
家は肉屋を営んでおり、厳しさと優しさの両方を兼ね備えた聡明な女性であるが、極度のツンデレ気質で夫に持つシグの前では180度態度が変わり、所かまわずのろけるラブラブ夫婦。逆にそれが死産した子供を人体錬成で蘇らせようという行為に繋がり、結果として内臓の大部分を持っていかれ、完全に子供の産めない体となった。同時に頻繁に血を吐いてしまうほどの虚弱体質にもなってしまった(それでも、アルを救出するためにデビルズネストに乗り込みグリードに啖呵を切るなど、その強さは衰えていない)。
趣味は夫婦揃っての旅行。エルリック兄弟を弟子に取った時も、たまたま旅行でリゼンブールを訪れたからである。
  • 原作
18歳の頃、錬金術師を志し、著名な錬金術師であるシルバ・スタイナーを尋ね、弟子入りを志願。その条件として「ナイフ一本で一ヶ月冬のブリッグス山で生き延びる」を与えられる。国境警備兵や猛獣を倒しつつ条件を達成するも、実は弟子入りを志願した相手は錬金術師のシルバではなく、武道家である兄のゴルドと判明(シルバは既に死亡)。しかし、結果的に錬金術の基本である「一は全、全は一」を学びとる(これらがエルリック兄弟の最初の修行に繋がる)。また、この修行の帰還時にシグと偶然に出会い、互いに強烈な一目惚れをする。
  • アニメ
錬金術の師匠がダンテだった、人体錬成した息子がホムンクルス(ラース)だったなど、原作に比べて物語の全編にわたって主要な位置を占めるキャラとなっている。師匠ダンテの錬金術の腕前を認めてはいるが、人間を軽蔑する彼女の思想に共感できずに袂を分かつ。また、エルリック兄弟も使っている「フラメルの十字架」もダンテからの影響となっている。原作と比べ、内臓が無い設定が強く描かれ、原作では主にギャグ要素としての吐血だったのが、アニメ版では生死に関わる深刻なものとして描かれ、劇場版では既に死亡していた。
エルリック兄弟の実の父親だが、妻・トリシャとは入籍していないため戸籍上のつながりはない。錬金術師。
金髪眼鏡に特徴的な顎鬚を持つ。リゼンブールでトリシャと出会い、2人の息子をもうけ暮らしていたが、長年探し続けていたものの手がかりを求めて出奔して以来、行方不明だった。トリシャを放ってしまったこと、亡くなったことを知らなかったこと(ゆえに葬儀にも出席しなかったこと)、などが原因でエドの強い反発を招いて嫌悪されている(アルは父に関する記憶がほとんど無いため、エドほどではない)。名前の由来は有名な錬金術師であるパラケルススの本名から。
  • 原作
旅に出てから十年以上も経って帰ってきたので、既にトリシャが亡くなっていたことや自宅がエドによって焼き払われていたことをここで初めて知る。その後、古くからの友人であるピナコの家に数日滞在し、成長したエドと会うが嫌悪される。感情を表に出すのが苦手で常にボーっとした性格だが、トリシャの死を心から悲しみ、エドとアルに対しても親としてそれなりの自覚を持って接していたりと、家族に対する愛情が無いわけではない。
言動もさることながら、数十年経っても変わらぬ外見、銃で蜂の巣にされても死ぬことのない体など、全てに於いて謎多き人物。「父」と外見が似ている、また「父」自身がよくホーエンハイムを知っているらしく、この先の物語の鍵を握る重要な人物である。
  • アニメ
アニメ登場時、原作では未登場だったために、原作とはかなり異なるキャラクターとなっている。
「光のホーエンハイム」と呼ばれ、幾度も別の肉体に魂を入れ替えることで悠久の時を生きてきた錬金術師。彼自身もまたダンテよりは遅いものの、肉体が生きながら腐り始めている(入れ替えた際の肉体は若干歳を取るのが遅いらしい)。ダンテを説得に向かうが、逆に扉の向こうの「現実世界」に飛ばされる。原作とは違い少し自分勝手で女好きと言う傾向があり、トリシャの事を「生涯でただ一人愛した女性」と言っている割には、ロス少尉やダンテに甘い睦言を囁いていたりして、今一真実味が薄い。アニメ版での(本当の)名は「ホーエンハイム・エルリック」だと思われる。

マスタング大佐と周囲の人物

  • ロイ・マスタング(声:大川透
軍部の大尉(イシュヴァール殲滅戦時)→少佐(イシュヴァール殲滅戦中)→中佐(エド国家錬金術師資格試験時)→大佐。「焔の錬金術師」の二つ名を持つ国家錬金術師。
女好きで、腹心であるリザが見張らなければ仕事すら怠けるといういい加減な性格に見えるが、意志が強く食えない人物。「大総統になり、国の政治体制を変える」という野望を抱き、ヒューズ中佐の死後は「親友の仇を討つ」という目的も加わる。普段は目的最優先と述べているが、いざ身内のこととなると自らの危険をも省みない行動に出るという情に厚い部分も垣間見せる(エドが彼を嫌っているのはこの性格の同族嫌悪だとアルは推測)。この点をブラッドレイに看破されており、原作ではリザを事実上の人質にとられている。能力は、二つ名の通り焔(炎)である。燃焼の三要素である燃焼物・酸素・点火源を錬金術によって生成(用意)することで炎を起こす。具体的には、対象を燃焼物とし、錬金術で酸素濃度を調節、そこに発火布(強い摩擦で火花を発する特殊な布)で出来た手袋を使い点火して炎を起こす。酸素濃度の調節を行うのは、手袋に描かれた錬成陣が関係しているものと推測される。また、錬成陣があれば点火源は何でも良い(ライターなど)。その能力の特性上、雨の日は使えないようで(アニメでは無理にやって失敗している)、それ故にリザから「無能」呼ばわりされて凹んでしまう事もある。ただ、水気を苦手とする術ではあるが、水から水素と酸素に分解して水素爆発を起こすことができる。イシュヴァール戦の経験から、炎の発生範囲を自由に調節する術(爆発から、致死傷に至らない火傷を付ける程度まで)を身につけている。カナヅチである節が見られる。部下であるリザ・ホークアイとは軍に入る前からの関係で、リザの父親は自身の錬金術の師匠であった(東方司令部所属時の上司だったグラマン中将はリザの母方の祖父にあたり、リザの親族とは何かと関係が深い)。師亡き後、イシュヴァール戦で軍人として再会。以後は、忠実な部下として他の直属の部下であるハボック達とは一線を画す位置にいる。リザがナンバー66に抱きつかれた場面では嫉妬するなど、リザに部下以上の想いを抱いているようだがその真意は不明。大総統になるという目的のため、軍への功績には余念が無い。イシュヴァールでの活躍から「イシュヴァールの英雄」とも呼ばれる。エドワードを国家錬金術師に推挙したのは、有能な錬金術師の紹介は株上げにつながるからである。また、兵法書(孫子)からの引用もあり、兵法にも通じているらしい。名前の由来は米軍の戦闘機P-51マスタング。小説版では元東方司令部司令官という肩書きもあるが、この肩書きは原作・アニメ・ファンブックいずれにも登場しない。小説版には他にも「司令部には2人の司令官がいる」とあるなど、公式な出版物といえどやや無茶な設定がある。小説をあくまで公式設定としなければ、東方司令部司令官はグラマン中将唯一人であり、原作での会話や設定ともに自然である。
  • 原作
彼への牽制のためにホムンクルス達がロス少尉にヒューズ中佐殺害の罪をなすりつけたが、すぐに見破り、ロス少尉をシン国へ逃亡させる。そして、逆にナンバー66を使ってホムンクルスをおびき出し敵地への潜入を果たすが、ラストとの戦闘でピンチに陥る。結果的にラストを倒す事に成功するが、同行していたハボックが負傷し(この時の怪我が元で後にハボックは退役)、自身も後に響く大怪我を負う。その後、エルリック兄弟と組みホムンクルスを捕らえる作戦を実行するが、ブラッドレイの正体がホムンクルスであることを知り、単身、軍上層部に乗り込むも、軍上層部がホムンクルスの影響下にあることを知る。現在はブラッドレイにより、部下を各司令部に散り散りにさせられ、更には腹心のリザを大総統直属に置かれることにより、孤立させられている。
  • アニメ
原作とは違いウィンリィの両親の死が、グラン准将の強制による彼の手によるものとなっている。これが彼にとって根強いトラウマとなっている。また、このトラウマによって拳銃が威嚇程度にしか使えなくなってしまった。物語の最後では、なんとかブラッドレイを倒すもその直後にアーチャーに左目を撃たれて失明し、ブラッドレイと同じく眼帯を着用する。
軍部の中尉。マスタング大佐の部下。大総統付き補佐。
金髪に鳶色の目という容姿端麗な女性。性格は常に冷静沈着で殆ど感情を表に出さない(作中で取り乱したのはラストに「マスタングは死んだ」と告げられた時のみ)。また、上司であるマスタングにも歯に布を着せぬ物言いで、時には「無能」とまで呼ぶ。しかし、引き取り手のいない仔犬(後のブラックハヤテ号)を引き取るなど、実際は優しい女性である。欠点はネーミングセンスの悪さ。類稀な射撃の腕前を持ち、その腕を見込まれ士官学校時代に戦線に配置された。その腕前と名前から「鷹の眼」の異名を持つ。常に銃を二丁携帯し、普段はFN ブローニングM1910エンフィールドNo.2を装備している。本人が銃を愛用するのは人を殺した感触が残らないからという理由からである。マスタングとは上司と部下という関係だけではなく、錬金術師である父の弟子がマスタングであったことに起因する。父の死で一旦マスタングとの関係は切れるが、その後、イシュヴァール戦にて再会し、終戦後はマスタングの部下となる。また、マスタングは死んだと聞かされた時の取り乱しようから、上司以上の想いを抱いているようだがその真意は不明。背中には父の秘伝の錬金術の暗号の刺青が彫られていたが、イシュヴァール戦後にその破棄を望み、マスタングの手によって焼かれる。そのため、背中に大きなケロイドがある。現在は、ブラッドレイにより、マスタングへの圧力として大総統付き補佐となり、実質的な人質となっている。名前の由来は米国グラマン社製早期警戒機E-2ホークアイからかと思われる。なお、本来は髪はショートだったが、ウィンリィの影響を受けて伸ばしたというエピソードがある。また、東方司令部司令官のグラマン中将は母方の祖父にあたる。ちなみに年齢は不明であり、おまけ4コマでは聞かれると殺意を露にした。
軍部の少尉(現在は退役)。マスタング大佐の部下。
のらりくらりとした性格から上官の受けは悪いが、勤務態度は模範的で部下からの信頼は厚い。くわえ煙草がトレードマーク。戦闘での腕前は高く、実戦ではマスタングを補佐するリザに次ぐ部下。女運が非常に悪く、彼女が出来てすぐにセントラルに異動になり、アームストロング少佐の妹とお見合いをしては理想は兄であるとふられ、セントラルでできた彼女はマスタングを諜報するために近づいたラストだった。ラストとの戦闘の際に一命を取り留めるも脊髄を損傷。そのため下半身不随となり軍を退役した。名前の由来は米軍のA-20ハボック、もしくはロシアの攻撃ヘリコプターMi-28からと思われる。なお、同僚のブレダとは士官学校の同期。
  • アレックス・ルイ・アームストロング(声:内海賢二
軍部の少佐。「豪腕の錬金術師」の二つ名を持つ国家錬金術師。
事あるごとに軍服を脱ぎ捨て、ボディビルダーのように鍛え上げられた肉体を披露したがる。いかつい外見とは裏腹に、涙もろく優しい性格。代々将軍を輩出した名家の出身で、「我がアームストロング家に代々伝わる~(芸術的錬金術、似顔絵術、尾行術etc…)!!」が口癖だが、自分の地位を鼻にかけるようなことはない。錬金術の他にも絵や尾行にも通じるなど、意外に多芸な人物(ちなみに全て家伝の技術であるとの事)。彼とは似ても似つかないほど美人な妹・キャスリンがいるが、その妹も少佐同様、趣味でピアノを持ち上げる怪力の持ち主。弱い人民を守りたい一心で国家錬金術師となったが、女も子供も関係なく攻撃対象とされたイシュヴァール殲滅作戦に反対しセントラルに戻された過去があり、それ以来軍部の方針に疑問を持つようになる。エルリック兄弟などに関する隠し事をしていても、暑苦しい彼に問い詰められると話さざるを得なくなってしまう。名前の由来は英国の兵器メーカー、アームストロング社。また、ミドルネームの「ルイ」はアメリカ人ジャズミュージシャン「ルイ・アームストロング」からと思われる。
  • 原作
  • アニメ
アームストロング財団を継ぎ、リオールの町の復興に全力を尽くす。
軍部の中佐(その後、殉職で二階級特進で准将)。軍法会議所所属。
マスタングの親友。家族を溺愛し、勤務中でも軍の専用回線を使うなど所かまわず娘を主とする家族自慢を行ったりと自分勝手な側面を持つ人物だったが、部下には親しまれていた。頭の回転が速く、ナイフの達人でもある。エルリック兄弟にはタメ口で接するなど可愛がっており、何かと面倒をみてくれた優しい人間でもある。ホムンクルスの目的に気づいたために命を狙われ、最期は妻・グレイシアに化けたエンヴィーに射殺される。享年29。また、結果として2巻から4巻という非常に短い登場でありながら人気は根強い。名前の由来は米国の航空機メーカーヒューズ社からと思われる。ちなみに本当はフォッカーという名前にする予定だったそうだが、ほんの少し先に出たショウ・タッカーと語感が似ているため変更になった。
  • 原作
死後もたびたび名前が挙がり、最近はイシュヴァール戦の回想に登場したり、墓前がグラマン中将とマスタング大佐の密会の場となるなど、死してなお、物語に対する影響力を持っている。
  • アニメ
原作では彼とエルリック兄弟の出会いは一切描かれてないが、アニメ版で「青の団」による列車ジャックの時に出会い親しくなった。

エルリック兄弟と関わる者

イシュヴァール人特有の褐色の肌に赤い瞳(普段はサングラスを着用)、そこに額に十字の傷を持つ男。
イシュヴァール殲滅戦にて、兄や同胞を殺された恨みから、国家錬金術師を殺し回っている元イシュヴァラ教の武僧。スカーという名前は額の傷から軍部が付けた通称名であり、本名は不明。本人曰く復讐のために名を捨ててきたらしい。
イシュヴァラの教義から元々錬金術を嫌っており、兄が錬金術を研究していることには反対であった。イシュヴァール殲滅戦にてキンブリーの攻撃を受けるが、その際兄が盾となって庇ったため、彼は即死せずに済む。しかし、その際に右腕を失う重傷を負う。そのため、兄は重傷を負った彼の命を救うため自らの右腕をスカーへと移植した(また、額の傷はこの時のものである)。
もともとアメストリス兵十人分の戦力を持つといわれる武僧であったことから、並外れた体術を誇る。また兄から移植された錬成陣の入った右腕により、錬金術の「分解」のみを行使できる(アニメ版では錬成もできた)。これを利用して人間の身体や物を破壊していく。
見かけによらず可愛いもの好き。猫派。
  • 原作
イシュヴァールの殲滅戦でキンブリーに襲われた後、ロックベル夫妻の治療を受ける。しかし、意識が戻った瞬間に怒りと錯乱から2人を殺してしまう。
現在は貧民街にて自らを密告したヨキを連れて移動。最近はそこにメイ・チャンも加わる。シャオメイの捜索中に偶然にもホムンクルス達のアジトを見つける。そこでイシュヴァールの内乱の真実を知る。また、彼の腕に刻まれた錬成陣はシン国由来の物で正確には錬丹術である。そのため、「父」によって全ての錬金術を封じられた際も、メイと共に錬成が可能だった。
  • アニメ
最期は、リオールにて街に書かれた錬成陣を使い、突入した7000人近い兵士と自らを代価に、アルの鎧を賢者の石へと錬成し消滅した。原作よりも若干若く、二枚目になっている。
  • 真理
真理の扉の前に座っている者。人や物というより存在、或いは概念と言った方が正しい。自らを「世界」「宇宙」「神」「真理」「全」「一」などと呼ばれるモノだと名乗り、またエドを指差し「おまえだ」とも言う。ゆえに固有名詞は無く、全事象というべき存在。その辺りから、おそらく入る人毎に姿が変わる(存在自体は同一だが、エドの腕と足を持った「真理」はエドしか会えないなど)と推測される。
その役割は、人体錬成などを行い扉の前に来た者に真理を見せ、変わりにその者の身体の一部のどこかを等価交換、通行料と称して持っていく。持って行く身体は完全にランダムで、エドは右腕・左足、イズミは内臓、外伝に登場した錬金術師は両目という風だった。また、一部かと言えば、アルのように全身を持っていく可能性もある(イズミの発言から、その辺りは錬金術師の力量しだいとなる模様)。真理の扉の解釈が違うアニメ版では登場しない。

マスタング大佐の関係者

  • ノックス
検死専門の鑑定医。
イュヴァール殲滅戦までは軍医として内戦にも参加していた。しかし、内戦でイュヴァール人の人体実験に荷担したことによる後悔からノイローゼに陥り、帰還後に悪夢や不眠症(PTSDによるものと思われる)に悩まされる。その結果、妻子と別れることになり、また軍医を辞めて検死医に転職した(現在も軍属かは不明)。
マスタングとは内戦以来の戦友であり、ロス中尉を逃がす時には死体は偽者と気づきつつ本物と断定した。その後も何かと登場し、ランファンやメイの治療などを行った。息子もまた医師の道に進んでおり、少しずつ関係が修復できつつある。名前の由来は米国の基地フォート・ノックスと思われる。
  • ブラックハヤテ号
ホークアイの飼い犬。愛称「ブラハ」。
仔犬の頃、捨てられていたのをフュリー曹長に拾われ、最終的にリザによって飼われる事になる。厳しい躾のためか勇敢に育ち、主人のピンチの時にはグラトニーに噛み付いたりした。名前の由来は日本の戦闘機疾風

アメストリス軍部

軍事国家ゆえに国の全権を握っている。

大総統府

軍部の大総統。アメストリスの最高権力者。
戦場で数々の武功をたて、わずか40代で独裁者へと成り上がる。現在60歳。左目に眼帯をしている。彼がアメストリスの大総統に就任してからは、国家錬金術師制度の導入、より中央集権的な体制への編成、他国への軍事介入、内乱の軍投入など、政治に軍事色が濃くなる。正体はホムンクルスであり(原作版:ラース、アニメ版:プライド)、若くして最高権力者の地位に付けたのもそれが関係している。
性格は、完璧なリアリストでありながら、好々爺然とした紳士という面もあるという二面性を持つ。物語序盤では最高権力者にも関わらず、仕事をすっぽり出して一人でこっそりエドのお見舞いに行ったり、護衛はただ一人(アームストロング少佐)のみでアロハシャツを着てエドを追ってダブリスに行くなどと、その軽さが際立つ。しかし、グリードとの戦闘でホムンクルスと判明してからは、リアリスト的な冷酷な面が浮き彫りになっていく。
元は普通の人間。ホムンクルス達の計画のために、幼少時よりエリートとして養成された候補生の一人。その後、体に賢者の石を注入されホムンクルスとなる。人間ベースのため、他のホムンクルス達とは違い人間と同じように老化する(その為、老化による身体能力に若干の衰えがある)。他のホムンクルス同様に、ホムンクルスであることに絶対の誇りを持ち、また、人間に対しての軽蔑を持つものの、度々語られる自身の人生観・宗教観などの思想信条は他のホムンクルス達とは違った面を持ち、単純に人間を軽蔑しているとも言い切れず、現に「自らを打ち倒しにくるものは人間」という発言や、エドやマスタング達の反逆を楽しんでいるなど、その真意は一切不明。
戦闘は剣術であり二刀流。だが、戦闘中は刀剣を五振り、背中につけた特性の鞘で装備している。
名前の由来は米陸軍の装甲歩兵輸送車M2/3ブラットレイからと思われる。また、直訳すると「血の首飾り」。
ホムンクルスとしての能力等はラースの欄(あるいはプライド)を参照。
  • 原作
ラストがマスタングに倒されてから「父」に自分をマスタングの担当にするように進言し、その後は、マスタングへの圧力を強めていく。特にグラトニーが捕まってからは、マスタングの直属の部下達を地方に飛ばし、リザを自身の直属にするなど、その圧力をいっそう強めている。
  • アニメ
ホムンクルスではあるが、正体は「プライド」となっている。また、原作に比べるとリアリストというよりも、単なる冷酷非道な指導者という面が際立っている。
  • レイブン
軍部の中将。
軍上層部に所属。褐色肌に髭面の初老の男。豪快でおおらかな性格だが、軍上層部は全員ホムンクルス達に魂を売っており、彼も例外ではない。ゆえに、キング・ブラッドレイ大総統がホムンクルスであることを知っている。
グラマン中将とはいくつかの戦場で会い、その能力を高く評価している。それゆえ、仲間に引き込もうとしたが一蹴される。
名前の由来は、アメリカ空軍の電子戦機EF-111レイヴンと思われる。
軍部の大佐(イシュヴァール殲滅戦時)→准将。鉄血の錬金術師。元第五研究所管理責任者。
原作とアニメ版におけるギャップがもっとも激しいキャラクター。共通点はスカーに殺されたと言う点のみ。
  • 原作
軍隊格闘の達人。二つ名である鉄血は「鉄は兵器、血は兵士」を現す。イシュヴァール戦では、大佐という地位にありながら部下を死なせない為に自ら先陣を切ったり、手柄欲しさに皆殺しを命令する上官を射殺し、降伏を申し出たイシュヴァール人の代表者をブラッドレイに面会させるなど、軍人としての気骨に満ちている。
また、名目上は第五研究所の責任者だったために、第五研究所で行われていた実験が明るみになった折、既に死んでいたこともありその罪を着せられる。
  • アニメ
「合成獣」や「賢者の石」などに関する軍の極秘事項を管轄する人物。また、錬金術を戦闘に利用した第一人者。
イシュヴァール戦では研究途中だった「賢者の石」を戦場に配布し徹底的な虐殺を行う、また、軍にとって邪魔だったロックベル夫妻を当時少佐であったマスタングに殺害させるなど、原作とは正反対の悪人であった。
  • シュトルヒ
階級は不明。大総統付き補佐。
ヤコブレフと共にホークアイ中尉に人事異動を知らせる。ちなみにブラッドレイの南部戦線視察時、エドの国家錬金術師資格試験時に既に登場している。名前の由来はFi156シュトルヒ軽観測機から。
大総統秘書官。
アニメオリジナルキャラクター。正体はスロウス。容姿がエルリック兄弟の母・トリシャと瓜二つ(理由はスロウスの項参照のこと)。
軍の記録によれば、同じ名前の人物が過去2回軍に在籍し、2回とも死亡していることになっている。このダグラスは、3回目の復帰となっている。ちなみにイシュヴァールの内乱を引き起こした軍将校の1発の銃弾はかつて在籍していた時によるものとされている(エルリック兄弟の人体錬成はイシュヴァールの内乱より後なので、その時すでにスロウスだったかは不明)。

中央司令部

  • フランク・アーチャー(声:速水奨
軍部の中佐→大佐。
アニメオリジナルキャラクター。殉職したヒューズ中佐の後任として登場。後に大佐に昇進。
冷酷な性格で、軍にとって有益ならばその是非を問わないという考えを持っており、キンブリーを軍へ復帰させるなどした。リオール突入の際にスカーの錬成に巻き込まれて左半身を失ったが、機械鎧で補い復活した(どう見ても生命活動は不可能なため、アルのように魂を定着したと思われる)。最期は、ブラッドレイを倒し終えて疲労したマスタングの命を狙うも、ホークアイの銃弾に倒れる。
  • アストン・マーティンス
軍部の中佐。「雷霆の錬金術師」の二つ名を持つ国家錬金術師。
ゲーム「鋼の錬金術師 迷走の輪舞曲」オリジナルキャラクター。刀剣マニアの居合いの達人。29歳で一匹狼の歌舞伎者。女好きで勘違いが多い。左肩に刺青がある。
軍部の少佐(イシュヴァール殲滅戦時)→中佐。「紅蓮」の二つ名を持つ国家錬金術師。
掌に刻まれた錬成陣を合わせて対象物に触れることで、それを爆発性のある物質へ作り変えることができる。その爆弾の能力と爆発に対する造詣から「爆弾狂のキンブリー」と呼ばれる。一見すると物腰が柔らかく紳士だが、その本性は人の命を何とも思わない冷酷な人間(イシュヴァール殲滅戦の戦闘中には飛んできた迫撃砲の砲弾を近くにいた兵士を盾代わりにして防いだ)。国家錬金術師試験の精神鑑定は上手くすり抜けて合格した。
イシュヴァール殲滅戦では活躍したが、敵味方構わず殺した為に刑務所に服役していた。ちなみに、スカーの顔面の傷を付けたのは彼である。
  • 原作
イシュヴァール殲滅戦後、貸与された賢者の石の返還を渋り、返還を迫った上官を賢者の石を飲み込んだ後に爆殺した。その性格や行動から、ホムンクルス達の仲間となる。(おそらくエンヴィーがスカウトしたと考えられる。)建前は上官殺しのために刑務所に服役していたが、逃げた疑いのあるマルコーの捕獲、見せしめのための村の抹消(エンヴィーはマルコーが万一生きていた時のみと限定)、スカーの抹殺を任され出所。
  • アニメ
当初はグリードに助けてもらい共に行動するが、その後、アーチャー中佐に軍への復帰を条件にグリード達を裏切る。その後は、アーチャーの部下として活動を行う。リオールでスカーと戦い、スカーの左手を爆弾に錬成することに成功するも、自らの左手を分解したスカーに怯み、その隙に胸を貫かれて死んだ。しかし、その死に際にアルの体を爆弾へと作り変える。
  • フォッカー
軍部の大尉。ヒューズ中佐の部下。
軍法会議所に勤めている。名前の由来はオランダの航空機メーカーのフォッカー社(WWIではドイツ戦闘機を作っていた)。
軍部の少尉。アームストロング少佐の部下。
  • 原作
左目の下に泣きボクロがある。アームストロング少佐の代わりにエルリック兄弟の護衛を勤めていた。エドとアルのことを大切に思ってくれている。エンヴィーが彼女の姿で行動していたため、ヒューズ中佐殺害事件重要参考人として濡れ衣をきせられ、捕えられ処刑されかけるが、マスタング大佐の偽造工作でバリー・ザ・チョッパーに留置場から助け出され、現在はマスタング達やリンの手引きでフーと共にシン国に亡命中。自分が生きていることを両親にも秘密にするなど、覚悟のある人。
  • アニメ
赤い水に反応して暴走してしまったエドを抱きしめることで抑えたりしてくれている。しかしホーエンハイムに口説かれて結構その気になってる等、男性に関してはかなり免疫が薄い。
  • デニー・ブロッシュ(声:原田正夫)
軍部の軍曹。アームストロング少佐の部下。
真面目だがノリの良い性格で、エド曰く「色ボケ軍曹」。ロス少尉と共にエルリック兄弟の護衛を勤めていた。ロス少尉に密かに想いを寄せており(アニメ版ではホーエンハイムに口説かれてるロス少尉を見て大人げなく大泣きしてる)、彼女が捕まったときアリバイを証明しようとしたが、門前払いされる。感情がすぐ顔に出るらしく、そのせいでロス少尉の生存を知らされていない。名前の由来はフランスの航空機メーカー、ブロッシュ社。
階級は不明。ヒューズ中佐(准将)の部下。
軍法会議所に勤務。軍服を着ているが正式な軍属かは不明。通称「本の虫」。性格は臆病で自分に自信が持てず、エド達と会うまでは自分の力を全くの役立たずだと思い込んでいた。
読書が趣味の範疇を超えている程、本が好き。読んだ本の内容を一字一句全て記憶する特技を持っている。その本好きが高じて国立中央図書館第一分館に勤務していたが、逆に本好きのせいで勤務中にも関わらず蔵書を読んでいてクビになった。その後エルリック兄弟に協力し、その縁で知り合ったヒューズ中佐にその能力を買われて軍法会議所に勤めるようになる。
  • 原作
中央に配属になったマスタングに対して書庫をこっそり開放するなど協力している。
  • アニメ
ヒューズ中佐の死に疑問を抱き、独自に調査し始める。かなり物語の核心近くにまで触れ、ウィンリィと一緒に軍の中枢に潜入したこともあった。
  • ヤコブレフ
階級は不明。
所属は人事局。シュトルヒと共にホークアイ中尉に人事異動を知らせる。名前の由来は航空機を手掛けるロシアのヤコブレフ設計局

東方司令部

軍部の中将。東方司令部司令官。
ホークアイ中尉の母方の祖父で、マスタングの東方司令部時の上司。見た目は気の良い老人という風体だが、マスタングに対しチェスで97勝1敗15引き分けという成績や、マスタングの発言、また軍上層部の人間には地方に置いておくにはもったいない有能な人材という評価などからかなり頭の切れる人物だと推測できる。
かつては中央に勤務していたが、ホムンクルス達の仲間に引き込もうとしたレイヴンの誘いをくだらないと一蹴したため、東方司令部に左遷された。現在、マスタングの切り札として時が来たら東方司令部蜂起でクーデターを起こすように頼まれた。
アニメ版では死んだブラッドレイの代理執行者になっている。名前の由来は米航空機メーカーのグラマン社から。
軍部の少将。
厳しく堅気な性格。ニューオプティン支部に勤めていたが、東方司令部に配属された。マスタングが若くして大佐の地位にいることなどが気に入らず八つ当たりなどする。一転してプライベートの時は家族思いの良き父。東部過激派「青の団」による列車ジャックで耳を負傷した時も家族サービス中の時だった。

西方司令部

軍部の少尉。マスタング大佐の部下。
背は低いが恰幅の良い体型。そんな見た目とは裏腹に頭脳派であり、士官学校を主席で卒業した。戦略担当である。大の犬嫌いで、子犬のブラックハヤテ号にもおびえる始末。ぞんざいな言葉遣いだが仲間想いである。何かしら食べているシーンが多い。
現在はブラッドレイにより西方司令部に異動。名前の由来はイタリアの兵器メーカー「ブレダ社」からと思われる。同僚のハボックとは士官学校の同期。
ルガーP08を愛用

南方司令部

  • ケイン・フュリー(声:白鳥哲
軍部の曹長。マスタング大佐の部下。
童顔に眼鏡。穏やかかつ優しい性格だが気が弱い。通信機器のスペシャリストでホムンクルスを誘き出した時は外部通信を一人で担っていた。捨てられていたブラックハヤテ号を拾ってきた張本人。
現在はブラッドレイにより南方司令部に異動。名前の由来は英国ホーカー社の戦闘機「ホーカー・フューリー」。他のマスタング部下達とは違い一般兵募で入隊。

北方司令部

軍部の准尉。マスタング大佐の部下。
長身で頬が痩せこけている。特技は歩くデータベースの如き記憶力。もともと出自は北部で士官学校出身。東部へと転属されマスタング大佐の部下になる。その記憶力からナンバー66の尋問を担当したが、そのせいでナンバー66を見張る役目を仰せつかることになる。
現在はブラッドレイにより北方司令部に異動。名前の由来はフランスの航空機メーカー「ファルマン社」。
  • アームストロング
軍部の少将。
北方司令部より北に駐屯し北の大国ドラクマとの国境を守っているという人物、「ブリッグスの北壁」という異名を持つ将軍。
名字からアームストロング少佐の家族か親類かと思われる。
軍部の中将。
ゲーム「鋼の錬金術師3 神を継ぐ少女」オリジナルキャラクター。ヴァルドラ軍司令官。
  • ヴィーナス・ローズマリア(声:田中敦子
軍部の中佐。
ゲーム「鋼の錬金術師3 神を継ぐ少女」オリジナルキャラクター。独立編成部隊ヴィーナス隊の隊長。規律を無視しているセクシーな赤い軍服の姿から、「ヴァルドラの赤い薔薇」という異名がある。情よりもまず任務を優先させるプロフェッショナルだが、トリガーとハンマーからの信頼は厚い。
  • イジー・トリガー(声:風間信彦)
軍部の少尉。ヴィーナスの部下。
ゲーム「鋼の錬金術師3 神を継ぐ少女」オリジナルキャラクター。独立編成部隊ヴィーナス隊の隊員。ヴァルドラ軍の戦略参謀。メカ開発が得意なマッドサイエンティストだが、ヴェルザの神官にも対抗できる巨大メカを作るその腕は確かな物。上司のヴィーナスに熱烈な好意を抱いており、彼女に対してはマゾヒストな一面も見せることがある。
  • ボリス・ハンマー(声:高木渉
軍部の少尉。ヴィーナスの部下。
ゲーム「鋼の錬金術師3 神を継ぐ少女」オリジナルキャラクター。独立編成部隊ヴィーナス隊の隊員。銃器の扱いに長けており、トリガーの開発したメカでは砲撃手を務める。敵味方を問わず非常にお人好しな性格で、思いやりも軍人らしからぬ物である。

憲兵司令部

  • ヘンリ・ダグラス
軍部の大佐。
憲兵司令部に勤務。ロス少尉のマース・ヒューズ中佐殺害事件を担当した。脱獄したロス少尉の射殺を許可したが、マスタング大佐の行動はやり過ぎと非難。田舎者のマスタング大佐が出世する事が気に入らないらしい。エルリック兄弟が人造人間を捕まえようとした際に、マスタング大佐が流した誤報に踊らされた。名前は米航空機メーカーのダグラス社から。
軍部の准将。
ゲーム「鋼の錬金術師 翔べない天使」オリジナルキャラクター。ヒースガルド地方国家憲兵隊最高責任者。目的は「ネムダ帝国」を創る事。
軍部の上級大佐。ネムダ准将の部下。
ゲーム「鋼の錬金術師 翔べない天使」オリジナルキャラクター。国家憲兵隊所属。自らを「徹甲の錬金術師」と名乗る。

国家錬金術師

  • ショウ・タッカー(声:永井誠
「綴命の錬金術師」の二つ名を持つ国家錬金術師。
イーストシティにて一人娘のニーナと飼い犬・アレキサンダーと暮らしていた錬金術師。妻には逃げられたことになっていたが、実は自身が国家錬金術師の資格を得るきっかけとなった「人語を話す合成獣」の材料にしていた。実態はともかく、その成功から巷では合成獣の権威と呼ばれていた。
やがて思うように研究結果が出ないことへの焦りから、娘のニーナとアレキサンダーを合成。そのことをエルリック兄弟に見破られ、身柄を拘束された。
  • 原作
身柄拘束後、自宅待機の命令を受けていたが、そこをスカーに襲われてニーナとアレキサンダーと共に殺害された。
  • アニメ
原作では一国家錬金術師だったが、アニメ版ではマルコーの軍内での役割に近い所にいた。その為に、タッカーから軍の秘密が洩れることを恐れて、異例とも言える高速審判を経て死刑執行にされた。しかし、裏では軍(ホムンクルス達)によって合成獣として生かされていた。その後、軍の下を離れてニーナを復活させるために賢者の石を求めて彷徨う。アルが賢者の石になったことを知り、これを利用してニーナを人体錬成するも、中身の無い人形と化した物しか造れず、その事実に絶望する。その後は不明。
エドワードが国家錬金術師資格を得るための勉強の下宿先となるなど、原作以上に関係が深かった。
「結晶の錬金術師」の二つ名を持つ元国家錬金術師。
もともとは軍の錬金術研究機関にて賢者の石の製作に関わっていたが、賢者の石の材料が生きた人間だったことや、その試作品がイシュヴァールにて殺戮兵器として使用されたことに耐えられず、資料と試作品を持ち出し軍から逃亡。その後は「マウロ」と名を変えて田舎の町医者として穏やかな生活を行っていた。ある日、偶然にもエドワード達と出会い賢者の石の秘密を示唆する。しかし、同時にラストにも見つかり、町を人質に監視される。
  • 原作
エドワード達によるホムンクルス捕獲作戦後、ホムンクルス達のアジトに幽閉される。その後、アジトに潜入したスカーと会い、イシュヴァール戦であったことを話す。その後スカーとともにホムンクルスの元を脱走。スカー一行と行動を共にするために顔面の表皮のみを破壊される。
  • アニメ
用済みとみなされグラトニーに食べられて死亡。
  • ジョリオ・コマンチ
「銀(しろがね)の錬金術師」の二つ名を持つ国家錬金術師。
背が低くシルクハットに髭という風体の初老の男。イシュヴァール殲滅戦にて左足を失い義足となっている。両手に錬成陣を書き込んでおり、剣やチャクラムなど様々な刃物を錬成する。襲撃してきたスカーと戦うも、義足を破壊され水の中に落とされたことが致命的となり殺された。
名前の由来は米偵察ヘリのコマンチ。
  • ヴィルヘルム・エイゼルシュタイン(声:石井康嗣
「黎明の錬金術師」の二つ名を持つ国家錬金術師。
ゲーム「鋼の錬金術師 翔べない天使」オリジナルキャラクター。「十賢」の一人で触媒法の権威。賢者の石にも劣らない「賢者の触媒」の研究をしている。
「銀弾の錬金術師」の二つ名を持つ元国家錬金術師。
ゲーム「鋼の錬金術師2 赤きエリクシルの悪魔」オリジナルキャラクター。100年程前に生きていた高名な錬金術師。生体錬成を初めて体系化し、キメラ理論の祖と言われている。恋人であるエルマの死を受け入れられず、人体錬成を試みるが失敗。リバウンドにより長くは生きられない体になる。その後、シャムシッドに伝わる生きた人形、ゴーレムを研究し、その技術を応用してエルマの蘇生に成功する。しかし、ゴーレムは非常に短命であるため、エルマはすぐに土に還ってしまった。クロウリーは再びエルマを蘇生。また土に還る。それを繰り返す内にクロウリーは狂気に陥る。その後ラストにより赤い石の錬成方法を教えられ、その石の力を使い自らをゴーレム化。100年もの間姿を変えることなく生き続け、現代にて人々の命を使って巨大な赤い石を作ろうとした。コーネロやタッカーが持っていた赤い石は、彼によって錬成されたもの。
  • コーニッシュ・ロイス
「調律の錬金術師」の二つ名を持つ国家錬金術師。
ゲームボーイアドバンスソフト『鋼の錬金術師 迷走の輪舞曲』に登場するヒロイン。通称「コニィ」。亡き兄のような国家錬金術師を目指している18歳の少女。リオールからセントラルに向かう列車の中でバルドに襲われ、人質になる。同乗していたエルリック兄弟に助けられ、国家錬金術師資格試験を受けるが失敗。その後エドを通して(コーニッシュ本人の希望ではなく、彼女の才能に期待を抱いたエドの計らいだった。)キメラ事件の解決と引き換えに大総統から再受験の許しをもらう。事件後、再受験を受け、見事合格する。二つ名は、亡き兄と同じ「調律の錬金術師」。温室育ちであるためにかなりの世間知らずで天然ボケに見える一面があるが、曲がった事が許せない正義感の強さを持つ。ダーツを武器とし、錬金術の中でも難しいとされている治癒練成を扱う。ゲーム中、唯一の回復技を持ったキャラクター。同作品の続編に当たるゲームボーイアドバンスソフト『鋼の錬金術師 想い出の奏鳴曲』でも登場し、国家錬金術師試験の査定の為にセントラルを訪れている。
  • リンカー(本名セラフィ・ロイス)
「調律の錬金術師」の二つ名を持っていた元国家錬金術師。
ゲーム「鋼の錬金術師 迷走の輪舞曲」オリジナルキャラクター。コーニッシュの兄。合成獣の権威だが、本来の専門分野は医療用錬金術。イシュヴァール殲滅戦に参加していたが、マーティンスの助けにより逃亡。その後リンカーと名を変え、軍部への復讐のためキメラ事件を起こす。元は心優しい人物だったが、自らの記憶を代価に錬成(何を錬成したかは不明だが、恐らく自らの肉体を他のモノと融合できるようにしたものと思われる。)をしたため人格が変わり、妹のコーニッシュのことを忘れてしまった。エド達を倒すために自分の魂を代価として城と融合したが、敗北。コーニッシュに看取られ、静かに息を引き取った。
  • クラベス・ファゴット
ゲーム「鋼の錬金術師 想い出の奏鳴曲」のオリジナルキャラクター。元国家錬金術師で、合成獣の研究を行っていた。(この研究によって生み出されたのが単に人語を話すだけでなく人格や感情さえ備えたキメラだった)実験中の事故で使用人夫婦(実はこの2人がヴィオラ・アモーレの両親だった)が死亡し、その娘(この娘がヴィオラの妹リラであった)は助手でリラの恋人だったリュート・D・ザクソフォンによって治療と称されキメラ化された。クラベスはこれによって国家資格を剥奪され、東方司令部北東の洋館で一人暮らしをしていた。今でもこの実験を非常に悔やんでいる。クルス遺跡でエド達に追い詰められた際無実を主張。だが真の黒幕であるリュートのボウガンからヴィオラを庇い死亡。

ホムンクルス

人造人間を操る者

  • 「父」
ホムンクルス達の親。セントラルの地下深くに居城を構える。ホムンクルス達からの呼び名は統一されていない(「父上」、「お父様」、「親父殿」、「おとーさま」等)上本名も不明であり、この項目名もあくまでWikipedia内での仮称である。
額の目から賢者の石を生み出す、擬似・真理の門を作り出す、力の循環や等価交換の原則を無視して錬金術を発動させる、あるいはアメストリス国の錬金術師達の錬金術の発動を不可能にするなど、その能力は強力であり、未だ未知数。自ら生み出した賢者の石を使ってホムンクルス達を造り、それぞれに自らの魂を基にした七つの大罪に冠する名をつける。
人間の事は虫ケラ程度の存在としか見ていない。ただし、自身の計画に必要な人間にはそれなりの態度を取る。
アメストリス国自体が「父」によって建国された可能性が強く、その理由も何らかの大きな目的のためと推測されるが現時点では明らかになっていない。それゆえ、昔からアメストリス国の要人と関係が深く、現在は最高権力者が他ならぬホムンクルスで、中央の上層部の軍人が全員ホムンクルスに(如いては「父」に)魂を売っている状態となっている。(その前もそうだったかどうかは不明。)
ヴァン・ホーエンハイムと瓜二つで、しかも、良く知っているらしい。
アニメオリジナルキャラクター。原作の「父」に近い役割を持つ人物。イズミの元師匠。
当初は、深い森の奥に屋敷を構えてひっそりと暮らす穏やかな老婦人だったが、実際には賢者の石の力で他人の肉体を乗っ取り、悠久の時を生きてきた女錬金術師。錬成陣無しの錬成や、赤ん坊を使って真理の門を開くなど、錬金術の腕前はかなり高い。物語の進行と共にその本性を表し、弟子のライラの身体を生きたまま乗っ取るなど、その冷徹さ、利己的な業の深さが現れてくる。また、大の人間嫌いで、それによりイズミと袂を分かつ。また、森の奥で暮らしているのもそれが理由。
賢者の石の秘密を一般に知られないように守ると同時に、多少の賢者の石の情報を流す、あるいは争いを起こすことで賢者の石を求めさせ、追い求める者に賢者の石を作らせ、それを横取りするという計画を立てていた。そのためにホムンクルス達を使い各地で工作活動を行っていた。ホムンクルス達は部下にしているというよりも、利用していると言った方が良く、「賢者の石で完全な人間にする」と言って配下にしていた。それゆえ、部下として信頼してたのはエンヴィーとブラッドレイ(プライド)の二人ぐらいであり、賢者の石を勝手に使おうとしたラースからは手足を奪うなど、全く信用していなかった。
最終的な目的は「永遠の命」であり、ライラの肉体を奪ったのもそのため。今までの賢者の石を使った方法では、相手と肉体が合わずダンテ自身の魂の劣化のせいで生きたまま身体が腐る、また、その周期が早まっているなどの欠点もあり、賢者の石だけではなく、真理の門の研究なども行っていた(周期が早まったせいで賢者の石を必要とする期間が短くなったという面もある)。
終盤では、地下都市にてホーエンハイムを真理の向こうの世界に飛ばす、アルとロゼを人質に取ってエドを迎え撃つなどしたが、最期は、理性を無くしたグラトニーに襲われるという自業自得の最期を迎えた。(ただし、明示はされてない。)
かなり歪んだ異常とも言える恋愛観を持っており、両性愛者でもある。かつての同僚だったホーエンハイムを400年以上も恋い慕い、ホーエンハイムがいなくなるとその息子であるエドにも興味を示し、ロゼの肉体を得た暁には彼と恋仲になろうとした。そして新しい肉体と定めたロゼに対しても、只の肉体のストックとは扱わず異様なまでに大切にし、事ある毎に腰に手を回して抱き締めたり、艶かしい視線で撫で回したり顔と顔で頬擦りをしたりとまるで恋人同士のような関係を思わせる行動を見せていた(本編では結局修正されていたが49話の予告ではロゼを見てうっとりと頬を赤らめていた)。ただし、単に次の自分の肉体になる身体を愛でただけなのか、本当にロゼ自身を愛してたのかどうかははっきりとしなかった。
名前の由来は叙事詩「神曲」を書いた詩人「ダンテ・アリギエーリ」から(神曲の中の煉獄篇はホムンクルスの名前の由来である、七つの大罪を題材としている)。

人造人間(ホムンクルス)

色欲(ラスト)、暴食(グラトニー)、嫉妬(エンヴィー)、強欲(グリード)、怠惰(スロウス)、傲慢(プライド)、憤怒(ラース)と言う各人が七つの大罪から付けられた名と、肉体の一部にウロボロス(尾を噛む蛇の印。始まりと終わりを示す)の印を持つところは共通。しかし、原作とアニメでは、その生まれ方、行動原理ともに異なるために、それぞれ分けて説明する。

原作
「父」から生み出される賢者の石を核とする。その際、その賢者の石はそれぞれに七つの大罪を関した「父」の魂という面を持ち、生み出されたホムンクルスはその与えられた名(業)に関係する性格、行動原理を持つ。
基本的に「父」のために行動する。ただし、グリードのように与えられた業に忠実であるがために離反するものもいる。
ホムンクルスの製造方法は、グラトニーの様に「父」の胸の辺りから生み出されることもあれば、ラースや二代目グリードのように生身の人間に賢者の石を注入することで生み出す場合もある。
アニメ
人体錬成の失敗によって生み出された、人の形を成していない“出来損ない”に、賢者の石の未完成品「紅い石(アニメのみの名称)」を食べさせることにより人間と同じ形を持たせた者達一般のこと。ゆえに、それぞれのホムンクルス達には、それぞれベースとなった人間とその死体(遺品)が存在し、それが弱点となる。しかし、必ずしも生前の人間と完全な同一人物と言う訳ではなく、ラストやスロウスは人格が異なっている。それ故に自分達の中に残った、ベースとなった人物の生前の記憶に苦しみ続けた。七つの大罪に基づく名はダンテが適当に割り振っただけという面が強く、ホムンクルス達自体には基本的に関係が無い。
基本的に「人間になりたい」がために行動する。アニメ版は、彼らの感情をダンテが利用し、自身の「賢者の石を手に入れる」という目的の駒として利用している。全てダンテが製造したというわけではなく、他人が作ったホムンクルスに「紅い石」を与えることで仲間に引き込んでいる場合も決して少なくない。ラストとスロウス、ラースが典型的な例である。
  • ラスト
「色欲」の名を持つ人造人間。妖艶な美女の外見を持ち、胸元にウロボロスの紋章を持つ。指先を伸縮自在の鋭利な刃に変えることができ、自在に操り全てを貫くその強度から「最強の矛」と呼ばれるほどの凶器となる。
  • 原作
2番目に作り出された。「父」の片腕として計画遂行の行動隊長的役割を担っており、エルリック兄弟を尾行したり、「ソラリス」の偽名を使ってハボック少尉と接触しマスタング一派を探ろうとする等、舞台の表と裏とで暗躍した。第三研究所でマスタングと対決し、一度は勝利したかに見えたが彼の凄まじい執念の前に敗北。謎の言葉を残し消滅する。また、核である賢者の石も同時に消滅した為、グリードのように二代目が生まれる可能性はないと思われる。
ベースは傷の男の兄の亡き恋人。彼が恋人を蘇らせようと行った人体錬成から生まれた。
失った人間を蘇らせようとする者、戦乱に喘ぐ故郷を石の力で救おうとする者など、様々な人間達に賢者の石を追わせ、実際に石を錬成出来るレベルの者を探していた(それらの戦争や悲劇も、ダンテによって故意に引き起こされたものだった)。
性格は基本的には冷酷だが、ホムンクルスの中では一番人間臭い一面を見せ、賢者の石の力で完全な人間になりたいと強く願っている。立場と境遇が似ているせいか、スロウスに対して友情にも似た親近感を持っていた。終盤にて生前の記憶の一部を取り戻し、創造主であるダンテの奴隷同然の扱いに我慢できなくなり、遂にダンテと決別してエルリック兄弟の側に寝返る。スロウスの封印に手を貸すが、それに激怒したラースによって封印されてしまう。その際はやっと呪縛から解放されたかのような笑みを浮かべ、安らかに息を引き取った。この「ラスト」以前にも、別の「先代のラスト」がいたらしい(詳細は不明)。
  • グラトニー
「暴食」の名を持つ人造人間。舌にウロボロスの紋章を持つ。
体型は丸顔に丸い巨体という肥満体。(容姿のモデルは「スノーマン」である。)能力は何でも食べてしまうことであり、その能力とホムンクルスの不死性、そして巨体を生かした猪突猛進な攻撃を行う。性格はのんびり屋であり、また無邪気な子供そのもの。そのためか、攻撃などをする際に仲間の許可を待つといった受動的な面が目立ち、「自分の意志」という面で欠如が見られる。特にラストを慕っており、原作・アニメ共にラストが倒された後はかなり落ち込んでいる。
原作・アニメ共にその誕生は確固たる目的を持って作られているという点で他のホムンクルス達とは一線を画す。先の意志の欠如もこの辺りが関係していると推測される。
  • 原作
6番目に作り出された人造人間。
「父」が真理の扉を作ろうとした結果、失敗して誕生した「擬似・真理の扉」である。グラトニーが自分の容積以上の物を食べることができる理由がまさにこれであり、食べられたモノは全てこの空間へと送られる。
感情が高ぶると口調が一変し、腹が割れて肋骨を牙と見立てたような縦向きの大きな口が現れる。その中心には目があり、真理の扉が開いた時に似ている。この口によって棒放射状に対象を飲み込んでしまうということが可能。(ただし、リンと戦った時にエンヴィーが「飲み込んでいいよ」という許可を出そうとしていたことから、感情が高ぶることが飲み込みを行うための条件というわけではない。)
攻撃スタイルが災いし、死にすぎて回復不能に陥り、現在「父」に賢者の石を取り出されて一時的に死亡している。
ベースは不明。ダンテによって賢者の石や赤い石の結晶化のために作り出された。
ラストが倒された後に悲嘆に暮れ、賢者の石となったアルを純粋な賢者の石へと結晶化するために飲み込ませようとするダンテの思惑通りに行動しないことから、ダンテによって理性を消し去られ、単なる食欲だけの存在となって暴走する。最終回で暴走した状態でダンテと共にエレベーターの中へと消え、ダンテを食い殺したような演出となっている。(ただし、ダンテが死亡したとははっきりとは明示されていない。)
  • エンヴィー
「嫉妬」の名を持つ人造人間。左脚の太腿にウロボロスの紋章を持つ。
自由自在に外見を変化させる能力で、色々な人や或いは犬や馬に化けることができる。普段の容姿は長髪で中性的な顔立ちだが、それも変身した姿である。また、身体の一部の武器に変えたりと戦闘にも対応できるが、機械のような複雑過ぎるものや変身した対象の能力まではコピーできないのが弱点。ヒューズ殺害の際の演出や、度々出てくる人を心底見下した態度に現れているように、性格はホムンクルス一残虐であり、陰険かつ残忍。それに関連し、ラストは「仲間内で一番えげつない」と評する。
人間に対して『極悪非道』であることは原作とアニメで共通している。
  • 原作
4番目に作り出された人造人間。
本来の姿は人間の姿とは大きくかけ離れた怪物の姿である。(八本足のヤモリが巨大化したような姿。)その為に普段の見た目とは違い体重が大きい。また、他のホムンクルスとは違い、エネルギーとなるクセルクセス人の魂が賢者の石に凝縮されているだけではなく、身体中から生えている。本人にとってはこの姿がコンプレックスとなっており、「不細工」或いは「ゲテモノ」と呼ばれるとキレる。また、一度この姿に戻ったあとは暫く他の姿に変身できないようである。
穏健派の将校に化けて、イシュヴァールの内乱のきっかけとなった発砲事件を起こす。
ベースはホーエンハイムとダンテの息子。かつて水銀中毒により死亡したのを、ホーエンハイムが人体錬成した結果として誕生した。本来の姿(=生前の姿)は、ホーエンハイムそっくりである。
他のホムンクルス達と決定的に違うのは、生前の母親でもあるダンテの目的は全て察しており、「人間になること」よりも「人間を苦しめること」に重きを置いている。
同じ父から生まれたエルリック兄弟を激しく恨み、クライマックスではエドを一回殺した。その後、父・ホーエンハイムに会うために門の向こうへと飛ぶが、その際にドラゴン(リヴァイアサン)に変身し、「人間が全て滅んだ時にやっと忘れることができる。どうして僕が生まれたかと言う事を」(少し省略)と述べて消える。
  • グリード
「強欲」の名を持つ人造人間。左手の甲にウロボロスの紋章を持つ。
体内の炭素の結合度を自在に変化させ、皮膚をダイヤモンド並に硬化させる『最強の盾』と呼ばれる能力を持つ。この盾は防御だけでなく攻撃にも転用できる。全身を覆うこともできるが、その際にちょっとブ男になるという理由でグリード本人はあまりこの姿になりたがらない。普段の姿と盾を全身に覆った姿のどちらが真の姿なのかは定かではない。
  • 原作
3番目に造られたホムンクルス。「ありえないなんて事はありえない」が口癖。
己の業である強欲を満たせないとして100年ほど前に離反。その後は、軍部の実験で合成獣となった元兵士達を主とした世間のはみ出し者達を集めて、ダブリスの「デビルズネスト」を根城に自由奔放に生きていた。しかし、ブラッドレイ率いる軍部のデビルズネスト殲滅戦にて壊滅させられた。デビルズネスト殲滅戦にてブラッドレイに敗退し、「父」の元へ連れて行かれる。再び「父」の下で働かないかと言われたが、拒否したので賢者の石に精製し直され「父」の体内にもどされた。その後、グリードの席は空席となっていたが、ホムンクルス達のアジトに侵入したリンに「強欲」の賢者の石を注入。ラースと共に人間ベースのホムンクルスとして再び復活した。
二代目グリードは初代グリードと魂は同一であるが初代の記憶を持ち越してはおらず、今のところ初代とは違い「父」への忠誠心は失っていない。また、完全なグリードという存在とは言えず、リンの意識も残っている。そしてグリードはリンの志に僅かながら共感したり、リンはグリードに体の中から頼み事をしたりと二人は妙に気が合っており、今のところは奇妙な友情めいた物が生まれている。
ベースはかつてダンテに恋心を抱いていた人間(詳しくは不明)。見た目や能力などの設定は原作と同じ。
実験体としてダンテの人体錬成により誕生。ダンテとしては愛情を餌にコントロールしようとするも思い通りにならず結果、封印される。その後、140年の封印を経て脱走し、原作同様に合成獣になった元兵士達を部下として行動する。
最期は、ダンテの下に赴くも罠にはまって体内の赤い石を吐き出され、弱ったところをダンテを殺したと勘違いしたエドによって倒される。その際、心のどこかで死を欲していたのか、ホムンクルスの弱点をほのめかして息絶えた。
  • ラース
「憤怒」の名を持つ人造人間。原作とアニメでは、正体が全く違う。
  • 原作
7番目に造られたホムンクルス。キング・ブラッドレイの正体。左目にウロボロスの紋章を持つ。
他のホムンクルス達とは違い、人間の体に賢者の石を注入され、その高エネルギーに耐えた末に誕生したホムンクルス。ホムンクルス達曰く「最後の詰め」に用意されたらしい。2代目グリードが生まれるまでは末弟だったために、エンヴィー等はラースに対してかなり見下した態度をとる。
ホムンクルスとしての能力は、銃の弾道も見切る動体視力を持った『最強の目』。そこにホムンクルスの身体能力を生かし、動体視力と素早い動作で敵を剣でなぎ倒していく。油断したグリードに隙を与えずに倒すなど、その戦闘能力はホムンクルスの中でも群を抜く。
表向きは人間ということもあり、人柱(=優秀な錬金術師)を集めるために国家錬金術師制度を設けるなど、他のホムンクルス達とは違った役割を果たしている。
詳しくはキング・ブラッドレイの欄を参照。
アニメオリジナルキャラ。右足の裏にウロボロスの紋章を持つ。ベースはイズミの子供。
人体錬成によって生まれた後は、「門」の向こうへと送られその中で成長していた。別の物質と融合することで、その能力を自在に扱うことのできる能力を持ち、門の中でエドが持って行かれた手足を発見しそれと融合、それにより人の形を手に入れ門から脱出。当初は、純真無垢な子供そのものであったが、エンヴィーから紅い石を与えられてからは凶暴な性格へと変化した。本来、ホムンクルスは錬金術を使えないのだが、ラースのみエドの手足と融合したために唯一錬金術が扱え、自らの融合能力と併用して高い戦闘能力を獲得。
与えられなかった母性を求めるかのようにスロウスをママと慕う。しかし、スロウスはエドによって封印されてしまい、賢者の石で生き返らせようとダンテに懇願する。しかし彼女の怒りを買い、ダンテが門を開けてエドの手足を奪い取らせ、結果として錬金術を使えなくさせられた。また、スロウス封印の際にそれに手を貸したラストを「裏切り者」として恨みを抱き、錬金術を持ってラストを封印した。
「紅い石」を与えられたとはいえ、ベースとなる人としての姿はエドの手足によるものであったためか、手足を奪われた後も再生することはなかった。それゆえ最終回では、ウィンリィがエドのために造った機械鎧を付けてもらった。
  • スロウス
「怠惰」の名を持つ人造人間。原作とアニメでは、正体が全く違う。
  • 原作
5番目に造られたホムンクルス。左肩の後ろにウロボロスの紋章を持つ。現在、登場は2コマだけのために詳しいことは不明。
筋骨逞しい体型。100年以上前から、どこかで穴(もしくはトンネル)を掘る役割を任されているが、名の通りサボり癖があるため未だ完了に至っていない。
アニメオリジナルキャラ。左の乳房にウロボロスの紋章を持つ。ベースはエルリック兄弟の母・トリシャ。
表向きはジュリエット・ダグラス大総統秘書官。性格は冷淡で、表情を全く変えないがラスト同様に人間になりたいと強く望んでおり、そのためにダンテの命令には忠実だった。
ホムンクルスとしての能力は身体の液状化。それにより、いかなる場所にも侵入でき、また戦闘時には自由に伸ばして敵を絡め取ったり、遠心力をかけることにより敵を粉砕するなどといった武器にもなる。また、直接攻撃を無効化できる。
人格そのものはトリシャのそれとは異なるものの、トリシャの記憶が一部残っており、そのために自分が死んでいる事を自覚しかけていた。そのために、人間になろうとしているホムンクルスであるスロウスと既に死んでしまっているトリシャという二つの人格のジレンマを感じて苦悩し、エドワード達を倒すことでトリシャとしての自分を否定しようとした。
賢者の石となったアルを捕獲しようとエドと交戦。有利な戦いを展開するも、弱点であるトリシャの遺骨を取り込んだラースと融合されて動けなくなり、揮発性の高いエタノールに再構築される。そして、最期はトリシャとしての言葉を残し蒸発したが、人格がトリシャに戻ったのか、それともトリシャの人格の言葉をスロウスとして代弁したのかは明らかにならなかった。
  • プライド
「傲慢」の名を持つ人造人間。原作とアニメでは、正体が全く違う。
  • 原作
最初に作り出されたホムンクルス。現在までは声のみ登場。
未だ姿は登場していないが、常に慇懃な丁寧語で喋るなどの特徴がある。頭に血が上っていたエンヴィーを黙らせるなどのことから、ホムンクルスの中ではリーダー格と推測される。
ラースの発言に少し危惧したこともあったが、あくまで軽口と見て「父」には報告しなかった。また、作中から国家錬金術師の最終選定は、彼とラースによって選定されている物と推測される。
アニメ版におけるキング・ブラッドレイの正体。ベースは不明。見た目や能力などの設定は原作と同じ。
ダンテの最高傑作であり、最も忠実な部下として、効率良く人間の命を集めて賢者の石を得る為に軍部を支配。賢者の石から軍部を遠ざけ、その一方で数々の戦争や内乱を起こすと言った、ホムンクルス達の中でもかなり大きな役割を持っていた。
養子のセリムに弱点である自らの頭蓋骨を託すが、何も知らないセリムはそれをマスタングと戦闘中に持ってきてしまう。激怒した彼は息子を絞め殺してしまうが、時既に遅く、マスタングに頭蓋骨を奪われ動けなくなったところを命が尽きるまで焼き尽くされて滅ぼされた。
また、原作とは年をとるメカニズムが違い、ホムンクルスは見た目を変えられるという設定から、己の見た目を変えることで年を取ったように見せていた。

ホムンクルス達との関わりがある者

元第五研究所を守る死刑囚。
日本刀に似た刀を使う二人一組の殺人鬼で、鎧の頭部に兄の、胴部に弟の魂が封じられている。実は20代。故に「おっさん」ではない。エドを圧倒する鋭い太刀筋の持ち主。エドとの戦い敗れた後、ラスト、エンヴィーに口封じの為始末される。アニメ版での弟は自分で血印を傷つけて自害した。
  • バリー・ザ・チョッパー(ナンバー66)(声:伊藤健太郎
中央で23人を殺した狂気の殺人肉屋。元第五研究所を守る死刑囚。
  • 原作
人間を切り刻むことに快感を覚えている。死刑を免れる代わりに鎧に魂を封じられ元第五研究所のガードマンとなっていた。アルと戦った際、彼の心にエドに対する疑惑を吹き込む。その後研究所を逃走。偶然襲おうとしたホークアイ中尉の強さに惚れこみ彼女を「姐さん」と慕い、マスタング大佐に匿われる。その後行動の自由を手に入れるためにはホムンクルス達を壊滅してもらうのが一番、と考えマスタング達に協力する。しかし合成獣の魂を入れ込まれた本来の肉体によって発見され、鎧の身体をラストによって切り刻まれ、むき出しになった血印を自分の肉体に壊されるという哀れな最期を遂げた。実は既婚者であり、最初に殺した相手は妻である(ラストに似ていたらしい)。
  • アニメ
アニメ版のみ、逮捕前の生身の姿でも登場。エド、アル、スカーとの戦闘の結果、仲間の錬金術師の錬金術の暴走に巻き込まれ消滅した。
  • ドルチェット(声:松本保典)
グリードの部下。
と人間で造られた合成獣。元軍人。犬との合成獣のため、性格は楽観的で忠誠心が強い。また犬の能力として鼻が利き、足が素早い。武器は刀。決して弱くないが、戦った相手がエルリック兄弟やイズミというように極めて相手が悪く、負けた場面が多かった。
  • 原作
デビルズネスト殲滅戦にて最期はブラッドレイに殺される。
  • アニメ
軍人としての経歴はロアやマーテルと共に特殊工作部隊に所属していたことになっていた。
  • ロア
グリードの部下。
と人間で造られた合成獣。元軍人。牛に近い怪人体に変身できる。武器は大きなハンマー。肉弾戦を得意とするが足はそれほど速くない(ドルチェット曰く「鈍牛」)。
  • 原作
デビルズネスト殲滅戦ではアームストロング少佐と互角に戦うが、最期はブラッドレイによって殺される。
  • アニメ
軍人としての経歴はドルチェットやマーテルと共に特殊工作部隊に所属していたことになっていた。イシュヴァール戦の回想編では戦闘に参加している姿が見受けられる。
グリードの部下。
と人間で造られた合成獣。元軍人。蛇の能力として身体の関節を自由にはずす事ができ、それを生かしてアルの鎧の中に潜り込んだ(以後アルの監視の役目をおう)。武器はナイフ。
  • 原作
デビルズネスト殲滅戦にて最期はブラッドレイに殺される。
  • アニメ
デビルズネスト殲滅戦では生き残り、エルリック兄弟と行動を共にする。裏切ったキンブリーや仲間を殺害したブラッドレイへの復讐のために行動するも、原作同様にアルの鎧の中でブラッドレイに為す術無く刺殺されてしまった。軍人としての経歴はドルチェットやロアと共に特殊工作部隊に所属していたことになっていた。
  • ビドー(声:大川透)
グリードの部下。
トカゲと人間で造られた合成獣。トカゲとの合成獣という体を生かして垂直な壁を登ることができる。作中では魂の錬成を確認するためにエルリック兄弟を挑発した。
  • 原作
デビルズネスト殲滅戦で唯一生き残る。
  • アニメ
デビルズネスト殲滅作戦で射殺される。
  • ウルチ
グリードの部下。
ワニと人間で造られた合成獣。元軍人。女好き。イズミに襲い掛かるが、シグに殴り倒される。デビルズネスト殲滅作戦で射殺される。

シン国

アメストリスの東に位置する大国で、50からの少数民族皇帝が束ねる多民族国家。その風俗は中国をモチーフにしている。シンの者は原作のみ登場。

  • 皇帝
シン国の皇帝。
少数民族を50抱える多民族国家の長。皇子24人、皇女19人の父親。現在、皇帝は病床に伏せている。

ヤオ族

  • リン・ヤオ
シン皇帝の第十二子。
50万人から成るヤオ族の出身。現皇帝が病に臥せったため、これを機にヤオ族の地位を引き立ててもらおうと不老不死の法を求め、ランファンとフーを引き連れてアメストリスに不法入国してきた。生まれつき目つきが悪く、それ故いつも笑顔を絶やさないようにしている。一見、陽気で軽そうに見えるが、目的のためには手段を選ばない冷静沈着な性格。皇帝になる事に関しては真剣にヤオ族のため、シン国の為を思っており、極めて真面目に考えている。その為国民の命を何とも思わないブラッドレイ(ラース)に対しては強い怒りを露にした。そして、臣下であるランファンに対してそれ以上の想いを抱いてる節も見受けられる(後に賢者の石を受け入れた最大の理由は彼女の為である)。エドと同じ15歳だが、エドよりアンテナ3本分は背が高く、さらに『フケ顔』であるため少年だと見られない事が多い。卓越した体術の持ち主でキング・ブラッドレイ大総統をも唸らせる程の剣術使い。
ラッシュバレーで行き倒れていた際アルに拾われ、2人が不老不死の法の鍵となる賢者の石について知っている事を感じ取り、エドらの戦闘の後セントラルまで無理矢理(図々しく)同行する。セントラルで人造人間に遭遇し、その再生能力から不老不死の手がかりを見出し、エルリック兄弟と共同戦線を張って人造人間を捕らえようとする。その後、人造人間たちの「父」の元へ辿り着くが窮地に立たされる。そして自分を救う為に腕まで切断したランファンに報いる為、「父」の排出した賢者の石を自ら受け入れて人造人間化、新たなグリードとなってしまう。しかし、リンの魂は人造人間となった肉体の中で未だ生き続けており、グリードの魂を逆に取り込もうと目論んでいる。
リンを始め修業を積んだ達人級の一部のシンの民は、生物が持つ気の流れを感じ取ることができるため、気の流れを持たないアル、ナンバー66や、1つの身体に複数の異なる気の流れを持つ人造人間の気配を察知できる。その能力は人造人間との戦闘を有利にすることもあった。
  • ランファン
リンの家系に代々仕える家系の娘。
素顔は麗しい美少女なのだが、内気な性格と赤面症のためか素顔を見せることを嫌い、常に黒い仮面が手放せない。リンやフー同様修錬を積んだ達人で、苦無を使った戦法を得意とする。リンを心底から敬愛しており、彼の悪口には容赦しない。そのため、リンに対する態度と他の人物(特にエドとメイ・チャン)に対する態度には天と地ほどの差がある。グラトニー捕獲の際ラースの奇襲を受けるが、エドと戦った際の彼の戦法に倣って、負傷した自らの左腕を切断しそれを囮に逃走に成功するも、ダメージが大きく戦線離脱。失った左腕の代わりに機械鎧を希望、その入手とリンの奪還のため一時セントラルを離れる。
  • フー
リンの家系に代々仕える家系の老人。ランファンの祖父。
孫娘のランファンに対しては師として厳しい反面、祖父としての深い愛情も持っている。普段はランファン同様、仮面をつけているが、彼の場合は白い面である。豊富な経験と卓越した体術を誇り、薄刃刀を使った戦法を得意とする。不法入国で捕まったリンが留置所から抜け出した際約束した、ナンバー66との情報交換を条件として、ホムンクルスの策にハマったロス少尉を連れてシンへと帰国する。その後セントラルに戻るが、今度は負傷したランファンとともに再び一時この地を離れる。

チャン族

  • メイ・チャン
シン国の第17皇女。錬丹術師。リンの異母兄妹にあたる。
皇族の中でも勢力の乏しいチャン族の出身。リン同様自らの一族の地位を引き立ててもらおうと、不老不死の法の手がかりを錬金術に求め、シャオメイとともに砂漠を越えてアメストリスにたどり着く。錬丹術(=医療方面に秀でたシンでの錬金術。ただ発動エネルギーや理論等根本的な部分からアメストリスの錬金術とは異なるので、全くの同一とは言えない。)の達人で、様々な文字や模様の描かれた鏢を駆使することで、離れた場所からも陣を作り錬丹術を行使できる。またその小さな外見とは裏腹に、合成獣をも全く寄せ付けない体術をも誇る。地位によるものかヤオ族に対して激しい憎悪を持っていたが、ノックスに諭されて反省し、ほんの少し軟化した。
ユースウェル炭鉱にて炭鉱事故を自らの錬丹術によって解決。そこでエドの噂を聞き(彼女の想像には美化が入っており、多少の誤解が混じってはいたが)、エドを追ってセントラルへ到着。そこで行き倒れていたところをヨキに発見され、以後は傷の男と行動を共にする。混乱の最中シャオメイとはぐれ、その後アルと一緒にいるところを発見。グラトニーと共に「父」の元へとついて行くアルを傷の男と共に尾行し、「父」の元へたどり着く。エドに対しては想像と現実のギャップに気付き嫌悪するも、エンヴィーに捕らわれていたところを助けたりした。現在はアルの中に隠れて脱出し、ノックスの元に居候したが、後にスカーの後を追った。ノックスの家を出る際のアルとの会話から、どうやらエドからアルに乗り換えたようである。イメージのセンスはエドを良い勝負(?)である。
  • シャオメイ(小梅)
メイのお供。
原作では病気で大きくなれなかったジャイアントパンダの子供と説明されているが、その大きさもさることながら、人間の言葉を理解する高い知能(人間にすると三歳児並?)と、ビール程度ならジョッキで飲み干してしまう雑食性など、奇怪な行動が目立つ。主人に忠実で、メイの危機には身を挺して敵に噛み付く。混乱の最中メイとはぐれ、偶然出会ったアルと行動を共にするようになる。彼女からしてみれば、エドとヨキの順位は微生物以下らしいが、逆にアルは自分よりも上らしい(一度反抗のために噛み付いたが、鎧の体ゆえに全く動じないアルの余裕にショックを受けた様子)。主人であるメイは同じ位。メイ同様、気の流れがある程度感知できると思われる。シンのキャラでは唯一、原作以外に「鋼の錬金術師3 神を継ぐ少女」に登場している。

シン国関係者

  • ミスター・ハン
出入国コーディネーター。
リンらがアメストリスに入国する際に協力する。フーに頼まれ、ロス少尉の亡命の手引きを行った。

そのほかの人物

元軍部の中尉。
  • 原作
自分の欲望を満たすためなら手段を選ばない卑劣な男。ユースウェル炭鉱を経営し、炭鉱の人達を重税で苦しめ、得た金を中央の高官にワイロとして贈っていたが、エドに騙され、炭鉱の経営権を奪われた上東方司令部に今までの横暴を報告され転落の一途をたどることに。その後はイシュヴァールの貧民街に拾われたが、そこに匿われていた傷の男の居場所を賞金目当てに売り渡し、袋叩きにされた後に居場所を無くし追い出された。現在はスカーと行動を共にし、こき使われている。しかし傷の男を心配するような発言もしており、微妙に性格が良くなってきている。
  • アニメ
ライラの元主人。中盤でホムンクルスの策略の犠牲者となる。
東部過激派「青の団」の一員。
指導者開放のため列車ジャックをし、ハクロ将軍一家を人質にした。左手に安物の機関銃型(仕込みナイフ付き)の機械鎧を付けている。偶然乗り合わせていたエルリック兄弟に負け、駅に到着後に暴れていた所マスタング大佐の攻撃を受けて捕まる。
ゲームボーイアドバンス版では事ある毎に脱獄し、エルリック兄弟と対峙して返り討ちに会っている。
医者。
アニメオリジナルキャラクター。故郷の村で流行っていた石化病から村人やリビアを救う為に錬金術の研究を続ける。ラストから偽の賢者の石をもらい、それを治療に使う。自分の過去を振切ろうとしたラストによって、非業の最期を遂げた。その後死体は石化病のウイルスに感染した。
ルジョンの婚約者。
アニメオリジナルキャラクター。2年前に石化病にかかったところをルジョンに救われる。石化病のウイルスに冒されたルジョンの死体を見て錯乱し、死体に接触。かなりウイルスの進行が進行していたようで、接触してから数秒で感染し、亡くなった。
錬金術師。
ゲーム「鋼の錬金術師 翔べない天使」オリジナルキャラクター。残忍な性格で目的のためには方法を選ばない。永遠の美を得るために賢者の触媒を手に入れようとした。グレタ・リドルという名前でヴィルヘルム、ネムダ両名の間を暗躍。軍の記録によると、数十年前から軍への協力者、あるいは敵対者として登場していたらしい。
考古学者。
ゲーム「鋼の錬金術師2 赤きエリクシルの悪魔」オリジナルキャラクター。元冒険家・考古学者の独身の老人。やんちゃな性格でパイプを咥えている。優に70歳を越えている様な風貌だが、冒険家としての体力、そして考古学者としての知識は衰えていない。
考古学者。
ゲーム「鋼の錬金術師2 赤きエリクシルの悪魔」オリジナルキャラクター。エドに指輪を渡して姿を消した異国の女性。各地でエドに出会うも、すぐにその姿を消してしまう。
  • ファントム
ゴーレム。
ゲーム「鋼の錬金術師2 赤きエリクシルの悪魔」オリジナルキャラクター。爬虫類のような不気味な怪人。
  • ランディ・ローバー
錬金術師。
ゲーム「鋼の錬金術師 迷走の輪舞曲」オリジナルキャラクター。25歳の色黒の男性。貴族出身だが内乱により貧乏貴族になっている。死にかけた時にリンカーに助けられた経験がある。自身の筋肉を硬化する錬金術が使える。趣味はスポーツとヒップホップ。けっこう大ボケキャラで惚れっぽい。アームストロング少佐と奇妙な友情が生まれている。
  • ケイト・ラム
錬金術師。
ゲーム「鋼の錬金術師 迷走の輪舞曲」オリジナルキャラクター。小さい時から人形と遊んできた16歳の少女。リンカーとランディとは友達の仲。錬金術で動く人形が作れる。親は内乱で亡くなっている。アルの事を「ヨロイ君」と言って慕っている。
  • ダート・ダイムラー
錬金術師。武器商人。
ゲーム「鋼の錬金術師 迷走の輪舞曲」オリジナルキャラクター。弱腰の老人。趣味は造った物で人を脅かすこと。元犯罪者であるのか逃亡生活を送っている。
  • ブリストル
合成獣。
ゲーム「鋼の錬金術師 迷走の輪舞曲」オリジナルキャラクター。ダイムラーが練成に失敗して誕生した合成獣。普段はダイムラーのケースの中にいる。最期はアストンの特攻により灰燼に帰す。
  • ヴィオラ・アモーレ
機械鎧整備士。
ゲームボーイアドバンスソフト『鋼の錬金術師 想い出の奏鳴曲』に登場するヒロインの一人(この作品のヒロインはウィンリィと彼女の二人である)。行方不明となった妹の手掛かりを探る22歳の機械鎧整備士の女性。性格は気のさっぱりした姉御肌の女性で同じ村の村民からも慕われているが、家族を奪われたことから、国家錬金術師を憎んでいた。各地で多発する爆破事件に必ず姿を見せており、爆破事件に関わる組織と接触していた事から、捜査を行うことになったエド達にとっては容疑者となる。エド達が真相を確かめるために直接対面した後、誤解が解けて事件捜査メンバーとして力を貸す事になった。戦闘では爆弾やバズーカを使いこなす。同じ機械鎧整備士であるウィンリィとはすぐに打ち解け、非常に仲良しになった。

リオール

  • 人種(アニメ版と劇場版)
殆どの街の住人はイシュヴァール人と酷似した肌の色を持つ。ただし、殆どの彼らの瞳の色は茶色が多いところから見てかなりアメストリス人との混血が進んでいるものと思われる。
イシュヴァール人の血を引いているためか、アメストリス国内ではかなり低い立場で、リオール内乱の際にアメストリスの軍人がリオールの住人(特に女性)に対して非道な行為をするなどという事態が相次いでいたようである(そう解釈出来る場面描写があった)。リオール消滅後、国内で保護を求める活動が行われ、ブラッドレイ政権の崩壊と共にアームストロング財団がリオールの復興を行っている。
レト教の信者。
  • 原作
東方辺境の町娘。昨年恋人を亡くし落胆していたが、恋人を復活させてくれるというレト教を信じていた。しかし、エド達によってコーネロの教えが嘘である事を知らされ失望する。エドに諭された後、どうなったのか不明。巻末のおまけ四コマでは国外に渡り、騎馬民族を率いて覇道を極めた事になっている。
  • アニメ
イシュヴァール人(但し瞳の色は違うため、混血と思われる)。リオール内乱の時一度軍部へ連れて行かれた際に暴行され、戻ってきた時には父親が誰かも分からない仔を設け、言葉を失っていた(但し、原作者の荒川弘はアニメ雑誌において、この展開に対し難色を示している)。その後リオールの町を錬成陣に賢者の石を造ろうと企てるスカーにカリスマに仕立て上げられ、人々に聖母として慕われる。リオール消滅後、ダンテにより男に虐げられた心の隙間につけ込まれて洗脳される。洗脳されていたときは虚ろな目をしていたが、記憶がないと言う訳ではなく、ダンテには自分から擦り寄るなど完全に彼女に気を許し、殆ど同性愛に近い関係になっていた。だがそのダンテの狙いはロゼの身体を乗っ取る事であり、計画通り身体を乗っ取られそうになったが、エドが殺されると言う目の前で起こった惨劇のショックで正気を取り戻し、賢者の石が消滅したために乗っ取られることはなかった。
後日談ではウィンリィ達の家に居候している。子供も成長していた。
レト教の教主。
太陽神レトの代理人と名乗る。ラスト達に与えられた不完全な賢者の石を使って「奇跡の業」を起こし、信者を騙していた。目的は軍事国家を創る事。しかし、エド達によって全てをばらされた後、用済みとしてラストによって始末された。原作ではラストに殺された後に遺体をグラトニーに食われるが、アニメではグラトニーに食い殺される。
レト教の宣教者。
コーネロの側近。コーネロの命を受けエルリック兄弟を襲うが、逆に殴り倒されてしまう。リオールの暴動が起きた後にエンヴィーがコーネロに化けている事を知り、グラトニーに食べられ死亡。
13巻のグラトニーの腹の中にて彼の白骨化した遺体が確認された。

ユースウェル炭鉱

東の終わりの町。ヨキの圧政に苦しんでいた。

宿屋と炭鉱の親方。
軍の狗をとても嫌っている。錬金術を学んだこともあり、錬金術は大衆の為にあると思っている。宿屋をヨキに焼かれるが、エドのおかげで炭鉱の権利書を手に入れる。その後、炭鉱で事故が起こった際にメイ・チャンに助けられた事もある。
ホーリングの息子。
ヨキ中尉の部下に斬られそうになったところをエドに助けられる。メイ・チャンが行き倒れた際、父の弁当を与えて助ける。
錬金術師。
アニメオリジナルキャラクター。ユースウェルでヨキ中尉に仕える錬金術師。国家・軍部に尽くし国家錬金術師になろうとしていたがエドと戦い、敗北してからは純粋に大衆の為の国家錬金術師になろうと見つめ直し、ダンテのところへ弟子入りする。ダンテの元では前には見せなかった無邪気な笑顔を見せる等充実した日々を送っていたようだが、師であるダンテに裏切られ、生きたまま身体を乗っ取られ夢は途絶えてしまった。彼女の魂は乗っ取られた瞬間消えてしまったか、ダンテの魂に吸収されてしまったと思われる。思えば薄幸の少女であったと言える。
余談ではあるがその容姿と境遇、悲しい結末も相まってか一部では(ダンテに乗っ取られた以後も問わず)高い人気を得ている。
劇場版では、フリッツ・ラングの撮影所でお茶を出す少女として登場。

リンター村

死者が甦り人々を次々に襲うという不気味な噂が流れている。アニメのみ登場。

錬金術師。
アニメオリジナルキャラクター。ホーエンハイムの友人。昔マジハールが唯一愛していたカリンという女性を蘇らせるために錬金術師になる。最後はエドワードに持っていた剣をはね返され、その剣が刺さって最後を迎えた。
リンター村の娘。
アニメオリジナルキャラクター。男勝りで負けず嫌いな性格。エドとアルと出会った当初は男装していたために少年と勘違いされる。昔、村で謎の死を遂げた、姉の真意を探っている。

イーストシティ

東方司令部がある街。

ショウ・タッカーの娘。
  • 原作
父親思いの元気な女の子。査定に困ったショウ・タッカーによってアレキサンダーと共に合成獣にされてしまう。その後、自宅に侵入した傷の男にタッカー諸共、殺害される。その際傷の男は彼女とアレキサンダーのキメラに対し、「哀れな」と同情の念も示していた。エドとアルの心に今後も彼女を助けられなかった罪の意識が残り続ける事となる。だが同時に、単に自分たちさえ目的を遂げればそれで良いのではなく、大切な人達を守らなければならないと言うことを思い出させたきっかけになったとも言える。
  • アニメ
ショウ・タッカーと共に中央に住んでいた。バスク・グラン准将が彼女とアレキサンダーのキメラを研究所に収容すると聞き、精神的に錯乱したエドが車を錬金術で横転させ、その際に脱走。路地裏に隠れていたところを傷の男に殺害される。この際、原作と同じく傷の男は同情の念を示していた(後に、彼自身もその事を悔やんでいた発言もしている)。原作と違い、粉々に破壊された彼女の悲惨な姿を見てしまったエドとアルの心に彼女を助けられなかったトラウマが色濃く残った。
後に、ショウ・タッカーが賢者の石を利用し、完全なニーナの体を錬成するも錬成されたのは完全な肉体のみで精神のない人形であった。
  • アレキサンダー
タッカー家の飼い犬。
  • 原作
エドが家を訪問してくる度に襲いかかる白い大型の犬。査定に困ったショウ・タッカーによってニーナと共に合成獣にされてしまう。その後、合体したニーナと運命を共にした。
  • アニメ
ショウ・タッカーと共に中央に住んでいた。タッカーにキメラにされ、合体したニーナと共に運命を共にした。

アクロイア

「水の都」と呼ばれている。水位が毎年上がっていて後数年で街が水に沈んでしまう。アニメのみ登場。

アクロイアの看護婦。錬金術師。
アニメオリジナルキャラクター。怪盗サイレーン。普段は優しい看護婦だが、夜になると錬金術を使う怪盗サイレーンとして活動する。胸の上に錬金術のマークがあり、それを使う事で爆発を起こしている。しかし、盗みの理由は物が欲しいからではなく、水位が毎年上がっている街を自分が怪盗として盛り上げる為。アクロイアに来たエド達によって一度は警察に捕まったがエド達がいなくなった直後に脱走し、現在も怪盗として街を活性化させている。

ゼノタイム

「金鉱の街」。小説が元になっている。やや背景設定などが異なる。原作未登場。

錬金術師。フレッチャーの兄。
小説、アニメオリジナルキャラクター。エドの名前を騙った少年。後に父ナッシュの日記に書かれていた地下都市のことをエドに伝える。 エドより背は高いが実は年下。
ラッセルの弟。
小説、アニメオリジナルキャラクター。アルの名前を騙った少年。父を憎むエルリック兄(弟)とは対照的に彼らは自分の父を尊敬している。
ラッセルとフレッチャーの父親。
小説、アニメオリジナルキャラクター。賢者の石の試作品を作るための「紅い水」を研究していた人物。しかし実は「紅い水」は人には有害なモノであると知り、研究を放棄した。だがマグワールの要求により無理やり研究を続けられていた。
ゼノタイムの大地主。
小説、アニメオリジナルキャラクター。トリンガム兄弟に、危険性を知りながらも「紅い水」の研究をさせている。
ナッシュの友人。
小説、アニメオリジナルキャラクター。独り身で農園で働いている。エリサの病気を心配している。
レマックの娘。
小説、アニメオリジナルキャラクター。いつもベルシオの農園を手伝っている。また、「紅い水」が原因で、謎の病に感染している。
エリサの父親。
小説、アニメオリジナルキャラクター。娘の病気を心配している。
ゼノタイムの住民。
小説、アニメオリジナルキャラクター。

リゼンブール

エルリック兄弟の母親。
女手ひとつで二人を育ててきた、心優しい女性。夫(入籍はしていない)のホーエンハイムへの思いを残しつつ、若くして病魔に倒れ亡くなった。姿を消した理由を察していたのか、ホーエンハイムの事は憎む事なく想い続けた模様。ホーエンハイムと何らかの約束をしており、遺言でそれが守れなかったことを彼に謝っていた。
アニメ版ではスロウスのベースとなった。
外科医兼機械鎧技師。ウィンリィの祖母及び機械鎧の師匠。
リゼンブールでウィンリィと共に機械鎧の店を営んでいる。キセルを愛用。彼女もまた、小さい系等の単語に反応し、エドワードとは「チビ」に関係することで喧嘩をすることもあるが、エドとアルのことを暖かく見守り、母(トリシャ・エルリック)の死んだ後に家族として面倒を見てくれたのも彼女である。
40年程前は「リゼンブールの女豹」と呼ばれ、鉄火肌で恐れられた人物だったらしい。その凄まじさはあのドミニクまで恐れていたほどである。また、相当な美人だったようだが、何故あそこまで背が縮んだのかは謎。ホーエンハイムとは数十年に渡る酒のみ友だちで、彼の外見が変わらないことも知っている上で対等に接している。
  • ユーリ・ロックベル
ウィンリィの父親。外科医。医師として誇りを持っており、イシュヴァールの内乱では妻と共に敵味方も問わず治療をしていたため、イシュヴァールの人々からも慕われていた。しかし、傷の男(アニメ版ではマスタング)によって、妻と一緒にあまりにも理不尽な最期を遂げた。
  • サラ・ロックベル
ウィンリィの母親。機械鎧技師兼外科医。夫と共にイシュヴァールで負傷者の治療を行っていた。だが、傷の男に恩を仇で返される形で、無惨に刺し殺されてしまった(アニメ版ではマスタングによって射殺)。
  • デン
ロックベル家の飼い犬。
ピナコいわく優秀な護衛。左前足が機械鎧。メス。

セントラルシティ

ヒューズ中佐の妻。
料理上手な良妻賢母。得意料理はアップルパイ。ヒューズ中佐を巻き込んでしまったエルリック兄弟に前に進むように助言する。
ヒューズ中佐の娘。
最近3歳になったヒューズ中佐の長女。天真爛漫で優しい子。友達の男の子から人気があり、ウィンリィを姉のように慕っている。4コマでは何故か腹黒に描かれることが多い。
  • フィリップ・ガルガントス・アームストロング
アームストロング少佐の父親。
息子によく似ていて、アームストロング家の自慢話ばかりをする。背は低いが、横に広い。ひげが立派。非常に背の高い妻がいる。
  • キャスリン・エル・アームストロング(声:釘宮理恵)
アームストロング少佐の妹。
アームストロング少佐にまったく似ていなく、資産・権力・容姿・スタイルをも兼ね備えた美少女。趣味はピアノを持ち上げること。ハボック少尉とお見合いをするが、兄の様な逞しい人が好みなのでハボック少尉のお誘いを断ってしまった。
キング・ブラッドレイ大総統の養子。
年が近い鋼の錬金術師のエドが気になって会いたがっている。勉強がよく出来る。
アニメ版の最期は激怒したブラッドレイに首をへし折られるという哀れな死を遂げている。

イシュヴァール

イシュヴァール人の少年。アニメ版ではレオの弟。
ラストとグラトニーに襲われて重傷を負ったスカーを助ける。母親がイシュヴァール人。
イシュヴァール人の少年。リックの兄。
アニメオリジナルキャラクター。母親がイシュヴァール人。幼い弟を気遣っている。

ラッシュバレー

ラッシュバレーの住人。
ラッシュバレーで有名なスリ師。幼い頃事故により両足を失うが、ドミニクによってカルバリン砲とナイフが付いた機械鎧を装着させられる。機械鎧の料金をスリで支払おうとしていたが、ウィンリイに諭されて改心。身の軽さを活かして屋根の修理などで支払っている。意外(?)にもアルと仲が良く、ラッシュバレーにてフーと(成り行きで)戦った際にはエド以上の抜群のコンビネーションを発揮した。血が苦手。アニメ版では片腕も失っており、ドミニクの養子となっている。
  • リドル・レコルト
機械鎧技師。ドミニクの息子。
父と違って柔和な性格。ウィンリィにガーフィールを紹介する。
  • サテラ・レコルト
リドルの妻。
豪雨の日に赤ん坊が産まれそうになるが、ウィンリィのおかげで無事出産する。
機械鎧技師。
腕は良いが頑固一徹。だが孫に対しては優しい。パニーニャに武装付きの機械鎧を半ば強引に取り付けた。若い頃ピナコにバイクで跳ね飛ばされた経験があり、それ以来彼女を「リゼンブールの女豹」と恐れていて、ウィンリィの弟子入り志願を断ってしまう。あごの傷はその際できたものと思われる。曰く、「カルバリン砲は漢のロマン」。
  • ガーフィール
機械鎧技師。ラッシュバレーでのウィンリィの師匠。
見ての通りのオカマさんだが腕は確かで、ウィンリィの才能も充分に見込んでいる。エルリック兄弟とイズミのようなスパルタ式ではなく、師弟と言うよりは友達同士のような間柄である。機械鎧を直す時の目がやらしい(自称「色っぽい」)らしく、男のお客からは少し不評。実はアームストロング少佐にも匹敵しうる肉体美の持ち主だったりする。

ダブリス

イズミの夫。肉屋の主人。
イズミと二人でダブリスで肉屋を営んでいる。イズミが子供を流産した時は力になってやれなかったと考え、今でも後悔している。アームストロング少佐とは、互いの肉体を見せ合い、友情を深めた。老けて見られがちだが実は意外に若く、妻のイズミとは歳は一つしか違わない(イズミと出会った当時は19歳、現在36歳である)。顔が怖いことを気にしているようだ。
肉屋の従業員。
筋肉質で頭に鉢巻を巻いた男性。いつも上機嫌なムードメーカー。エルリック兄弟の修行の際に、ヨック島で仮面の男としてエドとアルを襲った。おしゃべりで陽気な人物。

クセルクセス

  • シャン
イシュヴァール人の老婆。
エドを襲った若者達を止めた。イシュヴァール殲滅戦の時にロックベル夫妻の治療を受けており、夫妻の死の真相を知る数少ない人物。彼らが殺されるのを止められなかった事を後悔し続けていた。

ノイエ・ヒースガルド

錬金術師の自治する街。原作本編未登場。

  • アルモニ・エイゼルシュタイン(声:水樹奈々)
錬金術師。ヴィルヘルム・エイゼルシュタインの娘。
ゲーム「鋼の錬金術師 翔べない天使」オリジナルキャラクター。度胸満点の明るい少女。ヴィルヘルム・エイゼルシュタインから錬金術を学ぶことを禁止されている。エドに弟子入りする。実は父親であるヴィルヘルムが「賢者の触媒」の研究中の事故(リバウンド)で亡くしてしまった一人娘のセレネを生き返らせようとした結果、セレネの遺体と「賢者の触媒」を代価にして生まれてしまった存在。体内の「賢者の触媒」の力が尽きると生きていることが出来ない。セレネとしての記憶は無く、自分はセレネの妹だと思っていた。推測ではあるが、セレネではなくアルモニとして生き返った際、髪の色まで変化したのが、ヴィルヘルムの深層心理に「賢者の触媒」が反応した結果ならアルモニは母親似であるとも考えられる。

ヴァルドラ

ヴァルドラの少女。
ゲーム「鋼の錬金術師3 神を継ぐ少女」オリジナルキャラクター。左手に謎の印がある14歳の少女。ヴィクトールと共に逃亡生活を送っている。幼少より母親がいなかったためか、料理に洗濯に裁縫と、家事全般が得意。アルですらリアクションに困るほどの大のネコ好き。
  • ヴィクトール・ベルクマン
研究者。ソフィの父親。(声:石塚運昇
ゲーム「鋼の錬金術師3 神を継ぐ少女」オリジナルキャラクター。有能な研究者である優しい父親。ソフィと共に逃亡生活を送っている。

ヴェルザの一族

  • ヴェルザ
魔女。
ゲーム「鋼の錬金術師3 神を継ぐ少女」オリジナルキャラクター。「伝説の魔女」と伝えられ、ヴェルザの一族からは「神」と崇められている。光の印を持っており、生前は傷ついたり、病んだ人々を癒す気高く心優しい女性だった。
ヴェルザの一族を束ねる四神官のリーダー。
ゲーム「鋼の錬金術師3 神を継ぐ少女」オリジナルキャラクター。「煉獄のゼルギウス」。左胸に獅子の印を持った炎を操る神官。ソフィ・ベルクマンの父であるヴィクトールを殺害している。ロイですら手を焼くほどの焔使いであり、ヴァルドラの古城を根城としてヴェルザ復活を企む。使命のためであれば、仲間の死すら厭わない冷酷な性格。
ヴェルザの一族を束ねる四神官の一人。
ゲーム「鋼の錬金術師3 神を継ぐ少女」オリジナルキャラクター。「疾風のジャニス」。左足の尻に鷲の印を持った風を操る神官。風を操る事で自由自在に空中に浮く事もできる。自身を「一族で一番カワイイ」と称するだけある分可愛らしく、露出度の高い衣装ではあるが、高慢な性格。一旦怒らせると性格が豹変し、次々と汚い言葉を投げかけることすら辞さない(その暴言はエドを呆然とさせるほど)。リーダーであるゼルギウスに好意を抱いている。
ヴェルザの一族を束ねる四神官の一人。
ゲーム「鋼の錬金術師3 神を継ぐ少女」オリジナルキャラクター。「氷塵のレオニード」。腹に鮫の印を持った氷を操る神官。美系だがオカマ口調でナルシストな性格で醜いものを嫌い、相手よりも優位に立ちたく思っている。しかし仲間意識に関しては持ち合わせているようである。
ヴェルザの一族を束ねる四神官の一人。
ゲーム「鋼の錬金術師3 神を継ぐ少女」オリジナルキャラクター。「地裂のゴドー」。犀の印を持った大地を操る神官。4mを超える巨体を持ち、その体格から凄まじい馬鹿力を誇る。だが知能はほとんど持ち合わせておらず、会話すらロクにできない。しかし、どういうわけかジャニスの命令に対しては従順である。

劇場版

劇場版の登場人物に関しては、劇場版 鋼の錬金術師 シャンバラを征く者を参照。

関連項目

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