朝鮮中央放送

朝鮮民主主義人民共和国の国営放送機構

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朝鮮中央放送(ちょうせんちゅうおうほうそう)は、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の国営放送局で、テレビラジオの放送などを手がける。運営組織の正式名称は朝鮮中央放送委員会。北朝鮮内の放送(以後、便宜上「国内向け放送」と記す)として、複数のラジオ、テレビ局がある。また、大韓民国統治圏および外国向けの放送として平壌放送朝鮮語によるラジオ放送)、朝鮮の声放送(外国語によるラジオ放送)がある。

朝鮮中央放送
各種表記
ハングル 조선중앙방송
漢字 朝鮮中央放送
発音 チョソンジュンアンパンソン
英語 Korean Central Broadcasting Station
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国内向け放送および平壌放送では、放送開始時の国歌演奏後に「栄えあるわが祖国、朝鮮民主主義人民共和国、万歳!」「朝鮮人民の全ての勝利の組織者であり嚮導者である朝鮮労働党、万歳!」というスローガンが読み上げられている。(2003年4月までは「偉大な領袖・金日成同志の革命思想万歳!」「栄えある朝鮮労働党万歳!」というスローガンが使われており、多くの視聴者はこれに慣れ親しんでいる。音源がアジア放送研究会サイトから聴くことが出来る

歴史

朝鮮中央放送は日本統治時代の放送局が起源となる。

この他、放送設備の増強などがある。

放送メディア

そのほか元山清津咸興沙里院新義州江界平城恵山に系列局があり、ローカル放送も行っている。

  • 短波ラジオ放送(日本国内でも聴くことが可能)
    • 朝鮮中央放送
    • 平壌放送
  • FMラジオ放送(スポラディックE層発生時を除き日本国内では聴取不能)

放送内容

  • 放送時間
    • テレビ
      • 朝鮮中央テレビ・教育文化テレビ:平日は夜間(17:00-23:00)のみ、日曜・祝日は午前中から放送している。
      • 万寿台テレビ:週末の夜間(19:00-22:00)のみ放送している。
    • ラジオ
      • 朝鮮中央放送は5:00-翌朝3:00。
      • 平壌FM放送は21:00-翌朝5:00(ただし特別行事があるときには日中にも放送することもある)。
      • 平壌放送および朝鮮の声放送についてはその項を参照。
    ※放送開始前にはインターバル・シグナルとして金日成将軍の歌をエレクトーンでアレンジした音楽、続いて国歌「愛国歌」の演奏を放送する。(これは平壌放送、朝鮮の声放送も同じ)また、その後には金日成将軍の歌、金正日将軍の歌の合唱が行われる。

主に、北朝鮮において、現政治体制や思想をたたえるプロパガンダの役割と娯楽の役割を果たしている。日本でも、アナウンサーが怒鳴るような声でニュースを読み上げる朝鮮中央テレビのニュース番組などが、テレビ番組で引用放送され有名になっているが、一方、万寿台テレビでは怒鳴る声を出すことはあまり無い。(ただし最近は朝鮮中央テレビ自体でも怒鳴るような声は減ったが、金正日総書記に関連するニュースなどでは引き続き勢いの強い怒鳴り声がみられる。)更に、飽くまでも推量の範囲内であるが、金日成・金正日の言動や重要国策等に関するニュースを伝える時には、チマチョゴリを着た中年女性アナウンサーが出演する事が殆どで、怒鳴る様な声のニュースは細身の男性アナウンサーが行っている事が多い。噂の域を出ないが、同ニュースで「金日成」「金正日」などの単語を正しくはっきりと読まないと左遷されるとも言われ、その為に抑揚をつけて読んでいるとも言われる。

また、北朝鮮におけるドラマ映画なども、朝鮮中央放送委員会が製作し、放送している。ほとんどが現政治体制および思想をたたえる構成になっており、中には日本統治時代やアメリカ軍を描写した内容を構成に組み入れているものもある。「漢拏の木霊」(한나의 메아리「ハルラのこだま」、「ハンナのこだま」)などが有名である。

北朝鮮当局からの公式発表の多くは、朝鮮中央放送や朝鮮中央通信労働新聞などから発表される。これらは、外国のメディアにとっても、北朝鮮を知るうえでの貴重な情報源となっている。

映像方式はヨーロッパで採用されているPAL方式である。北朝鮮では有線放送が整えられており、国内向け放送のうちテレビについては有線放送となっている。このため、北朝鮮以外では見ることができない。ただし、朝鮮中央テレビについては、Thaicom3と呼ばれるタイの衛星を用いて衛星放送も行っている。 周波数/偏波はそれぞれ3424MHz/水平。 受信し辛いが外国でも見ることができる。日本においては最低でも直径150cm以上の専用アンテナが必要。(ただし、日本国内で市販されている衛星放送受信装置では受信できない。)

日本語放送

1950年7月10日、「偉大な金日成主席の配慮」で開始される。

1日12時間近い日本語放送は他に例がなく、日本人よりも在日朝鮮人を意識した放送だとも言われた。

1960年代前半までは、「この国の人民は全てが主人公」といった論調が目立ったが、1967年唯一思想体系が採択された後は、金日成賛美一色となった。放送を通じて同国に関する情報を得ようとしても、特定のテーマしかアナウンスしないから困難だとされた。その一方で、聴取者に対するサービスは至れり尽くせりだった。

深夜24時に放送が終了すると、日本人拉致にも使われた「工作員向け」と見られる乱数放送暗号放送)が、堂々と行われていた。

同放送については、長いこと秘密のベールに包まれていたが、平壌放送愛聴会(会長:長廻政志)などの聴取者団体の努力により次第に秘密のベールを脱いでいき、現在では同放送の正確な所在地および電話番号も判明し、聴取者とアナウンサーの交流も行われている。

放送番組(朝鮮中央放送のみ)

テレビ

  • 報道(ニュース)
  • 二年生たち(ドラマ)
  • 物知りおじさん(子どもむけ)
  • 漢拏の木霊(ハルラのこだま)(ドラマ)

ラジオ

関連項目