阿呆鳥

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阿呆鳥(あほうどり)は、福島県いわき市出身の三人組の音楽グループ。

阿呆鳥
別名 信天翁
出身地 日本の旗 日本福島県いわき市
ジャンル フォークソング
ニューミュージック
活動期間 1974年
1978年 - 1986年
2003年 -
レーベル NEWSレコード
スカイミュージックエンターテイメント
公式サイト 菊池章夫ホームページ
メンバー 菊池章夫(ヴォーカル・ギター)
北郷勇一(ヴォーカル・ベース)
金子透(ヴォーカル・ギター・マンドリン)
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経歴

メンバー三人は福島県立磐城高等学校の同級生(1956年生まれ)。1974年にこの三人とリーダーとなるもう一人の同級生との四人で、前身となるグループ「信天翁」(あほうどり)を結成[1]。この時は、ピーター・ポール&マリージョーン・バエズボブ・ディランかぐや姫などのコピーを中心に活動していた[2][1]。しかし同年、リーダーが水の事故で亡くなり、残された三人のメンバーは同年の暮れにいわき市常磐市民会館で「追悼コンサート」を行い、これを以って「信天翁」は一度解散[1]

その後、菊池は國學院大學[2]、北郷は法政大学[2]、金子は青山学院大学理工学部[1]へそれぞれ進学。1978年の春に三人は再会し、再結成に至る[2]。グループ名は、読みの「あほうどり」はそのままで「信天翁」から「阿呆鳥」に改めた。プロデビューを目指し、色々なコンテストに出場して、10位以内常連にはなるものの優勝は出来なかった[1]。その中で、約800人の客を集めた1974年の追悼コンサートの感覚から、東京で始めるのではなく、地元・いわきから始めて東京へ進出して行こうという方法をとった[1]。コンサートの度に客が増えていき、1980年12月21日には、地元の平市民会館(いわき芸術文化交流館アリオスの前身)で立ち見が出るほどの盛況ぶりになるまでに至った[1][3]。そしてプロデビューが決まり、NEWSレコード(Eastレーベル)に所属[1]1981年8月21日発売のシングル『物語』でデビュー。オリコンで最高38位、8.4万枚のセールスながら、100位以内に18週ランクインするヒットとなった[4]。デビューした1981年の10月から1983年6月まで、オールナイトニッポンニッポン放送)のパーソナリティも担当。

1986年のファイナルコンサートを最後に解散[5][6]。「惜しまれつつやめた方がいい」ということで、行き詰まりからの解散だった[1][6]。3人は別々の道を行き、その後菊池はソロ活動に転じて、1996年6月のシングル『あいつとビートルズ』で再デビュー[5][7]。そして地元福島で、福島中央テレビゴジてれシャトル』『ゴジてれ土曜版』のほか、SEA WAVE FMいわきエフエムきたかたでのそれぞれの番組にレギュラー出演。福島県石川郡石川町に活動拠点として「(有)エルフ音楽出版」を設立して活動[5]

解散から15年経った2001年、三人が再集結し、いわき市文化センターでコンサートを開催[1]2003年には20か所で阿呆鳥再結成コンサートを行う[5]。そして2011年5月1日にスカイミュージックエンターテイメントより発売されたベストアルバム『こころの架け橋』で全国再デビューを果たす[5]。一方でメンバーは、福島県内でギター教室やボーカル教室を開催しながら活動している[5]

メンバー

  • 菊池 章夫 (きくち あきお 1956年5月23日[5] - )- ヴォーカルギター 愛称「くまさん」[5][8]
    影響を受けた歌手は松山千春[8]
    1991年に帰郷し、いわき市などの会社に勤務。その一方、FMいわきでパーソナリティを担当したことがきっかけとなり、1996年より音楽活動を再開した[6]
    いわき市内の全ての学校や公共施設のトイレの掃除を手掛ける「いわき掃除に学ぶ会」代表世話人・代表幹事を2007年から務めている[5]
  • 北郷 勇一 (きたごう ゆういち 1956年7月30日[2] - )- ヴォーカル、ベース 愛称「ゆうちゃん」[2][8]
    影響を受けた歌手は吉田拓郎井上陽水[8]
  • 金子 透 (かねこ とおる 1956年9月14日[2] - )- ヴォーカル、ギター、マンドリン 愛称「とおる(ちゃん)」[2][8]
    影響を受けた歌手はかぐや姫[8]
    1986年解散後はいわきに戻り、建設業や品質管理の仕事をしていた。かつて阿呆鳥ファンクラブの電話番をしていた森川由加里の曲『SHOW ME』を仕事中にラジオで聴いて、ミュージシャンだった我に返り、その後は音楽に係わる仕事もするようになった[1]

ディスコグラフィー

※自主盤を除き「こころの架け橋」以外は全てNEWSレコード(Eastレーベル)より発売。

シングル

  • 物語 (c/w『人生は……』 1979年)
    キングレコード委託製作による自主制作
  • 物語 (c/w『二人道』 1981年8月21日)
    オリコンチャート最高38位 セールス8.4万枚 100位以内18週ランクイン[4]
  • ふるさとは今 (c/w『たゞそれだけ』 1982年2月21日)
    オリコンチャート最高64位 セールス1.4万枚 100位以内5週ランクイン[4]
  • 想い出絵巻 (c/w『悲恋』 1982年9月21日)
  • 夢めぐり (c/w『私小説』 1983年5月21日)
  • 愛した分だけ (c/w『窓越しに東京』 1983年9月21日)
    TBS系テレビドラマ『少女が大人になる時 その細き道』主題歌

アルバム

  • 阿呆鳥Ⅰ〜ドラマチック(1981年10月21日)
  1. 故郷へ
    • 作詞:菊池章夫/作曲:北郷勇一/編曲:瀬尾一三
  2. 二人道
    • 作詞:菊池章夫/作曲:北郷勇一/編曲:矢野立美
  3. コスモ・セーリング
    • 作詞:菊池章夫/作曲:北郷勇一/編曲:瀬尾一三
  4. 物語 -ドラマチック-
    • 作詞:菊池章夫/作曲:北郷勇一/編曲:矢野立美
  5. 愛が通りすぎて
    • 作詞:菊池章夫/作曲:北郷勇一/編曲:矢野立美
  6. 自由は見えず
    • 作詞:菊池章夫/作曲:北郷勇一/編曲:矢野立美
  7. Yによせて
    • 作詞:菊池章夫/作曲:北郷勇一/編曲:瀬尾一三
  8. こんな僕だから
    • 作詞:菊池章夫/作曲:北郷勇一/編曲:瀬尾一三
  9. 涙葉
    • 作詞:菊池章夫/作曲:北郷勇一/編曲:矢野立美
  10. 心をひらいて
    • 作詞:菊池章夫/作曲:北郷勇一/編曲:矢野立美
  11. 一億の中の一人 <Bonus Track>
    • 作詞:菊池章夫/作曲:北郷勇一/編曲:星寿紀
  12. 黒珈琲(ブラックコーヒー) <Bonus Track>
    • 作詞:菊池章夫/作曲:北郷勇一/補作詞曲:菊池章夫/編曲:金子透/編曲:星寿紀
  13. 翔べ限りない夢へ <Bonus Track>
    • 作詞:菊池章夫/作曲:北郷勇一/編曲:星寿紀
  • 阿呆鳥Ⅱ〜壁にかけた地図 (1982年4月21日)
  1. 黄昏の狩人
    • 作詞:菊池章夫/作曲:北郷勇一/編曲:安田裕美
  2. 紫陽花の頃
    • 作詞:菊池章夫/作曲:北郷勇一/編曲:瀬尾一三
  3. 夢追い人
    • 作詞:菊池章夫/作曲:北郷勇一/編曲:安田裕美
  4. そして少女は
    • 作詞:菊池章夫/作曲:北郷勇一/編曲:瀬尾一三
  5. 徒然話
    • 作詞:菊池章夫/作曲:北郷勇一/編曲:松井忠重
  6. ふるさとは今
    • 作詞:菊池章夫/作曲:北郷勇一/編曲:安田裕美
  7. すてきな片想い
    • 作詞:菊池章夫/作曲:北郷勇一/編曲:安田裕美
  8. 大っきな空
    • 作詞:菊池章夫/作曲:北郷勇一/編曲:安田裕美
  9. エアポート
    • 作詞:菊池章夫/作曲:北郷勇一/編曲:瀬尾一三
  10. 人生は……
    • 作詞:菊池章夫/作曲:北郷勇一/編曲:瀬尾一三
  11. たゞそれだけ <Bonus Track>
    • 作詞:菊池章夫/作曲:北郷勇一/編曲:松井忠重
  • 阿呆鳥Ⅲ〜通りすぎた街 (1982年12月21日)
  1. あの日のままで
    • 作詞:菊池章夫/作曲:北郷勇一/編曲:安田裕美
  2. 青春の街並み
    • 作詞:菊池章夫/作曲:北郷勇一/編曲:瀬尾一三
  3. 掌(てのひら)
    • 作詞:菊池章夫/作曲:北郷勇一/編曲:松井忠重
  4. もう一つの童話
    • 作詞:菊池章夫/作曲:北郷勇一/編曲:安田裕美
  5. ビバルディーに恋して
    • 作詞:菊池章夫/作曲:北郷勇一/編曲:松井忠重
  6. 想い出絵巻 ~アルバムバージョン~
    • 作詞:菊池章夫/作曲:北郷勇一/編曲:松井忠重
  7. 今この時に乾杯
    • 作詞:菊池章夫/作曲:北郷勇一/編曲:瀬尾一三
  8. ボロボロスニーカー
    • 作詞:菊池章夫/作曲:北郷勇一/編曲:安田裕美
  9. 時計
    • 作詞:菊池章夫/作曲:北郷勇一/編曲:瀬尾一三
  10. 歩き続けて
    • 作詞:菊池章夫/作曲:北郷勇一/編曲:松井忠重
  11. 悲恋 <Bonus Track>
    • 作詞:菊池章夫/作曲:北郷勇一/編曲:瀬尾一三
  12. 想い出絵巻 ~シングルバージョン~ <Bonus Track>
    • 作詞:菊池章夫/作曲:北郷勇一/編曲:瀬尾一三
  • 阿呆鳥Ⅳ〜パブリックレストラン (1983年9月21日)
  1. 愛した分だけ
    • 作詞:金子透/作詞:菊池章夫/作曲:北郷勇一/編曲:川村栄二
  2. よ・う・こ
    • 作詞:北郷勇一/作詞:遠藤幸三/作曲:北郷勇一/編曲:川村栄二
  3. カーネーション
    • 作詞:北郷勇一/作曲:北郷勇一/編曲:松井忠重
  4. しあわせ芝居
    • 作詞:菊池章夫/作曲:北郷勇一/編曲:川村栄二
  5. いつからか
  6. リバイバル
    • 作詞:北郷勇一/作詞:菊池章夫/作曲:北郷勇一/編曲:松井忠重
  7. 紙飛行機のラブレター
    • 作詞:菊池章夫/作曲:北郷勇一/編曲:梅垣達志
  8. 想い出のリッカーミシン
    • 作詞:菊池章夫/作曲:菊池章夫/編曲:安田裕美
  9. あいつとビートルズ
    • 作詞:北郷勇一/作詞:菊池章夫/作曲:北郷勇一/編曲:川村栄二
  10. 夢めぐり ~アルバムバージョン~
    • 作詞:菊池章夫/作曲:北郷勇一/編曲:松井忠重
  11. 窓越しに東京 <Bonus Track>
    • 作詞:菊池章夫/作曲:北郷勇一/編曲:川村栄二
  12. 私小説 <Bonus Track>
    • 作詞:菊池章夫/作曲:北郷勇一/編曲:安田裕美
  13. 夢めぐり ~シングルバージョン~ <Bonus Track>
    • 作詞:菊池章夫/作曲:北郷勇一/編曲:安田裕美
  • こころの架け橋 (2011年5月1日 スカイミュージックエンターテイメント)※菊池のソロアルバム
  1. 生命の酒いのちのしずく
  2. ムジナ君とドナルド君
  3. しみじみと…
  4. あなたには聞こえる
  5. 美しき者達へ
  6. さびしさとして…しあわせとして…(嫁ぐ日に)
  7. プロポーズ
  8. 大いなる青春
  9. ひまわり
  10. 半世紀に乾杯
  11. 青春譜 ※石川町さくらイメージソング

出演

ラジオ

テレビ

脚注

  1. ^ a b c d e f g h i j k 一期一会・私たちの祝祭 金子透さん”. いわきBiweekiy Review 日々の新聞. 2017年4月14日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h ライブ盤「阿呆鳥 LIVE ~翔べ限りない夢へ~」歌詞カード掲載の文より。
  3. ^ 『福島民報』1980年12月23日付朝刊、12面。
  4. ^ a b c 1968 - 1997 オリコン チャート・ブック(1997年12月11日第1刷)p.17
  5. ^ a b c d e f g h i 『菊池章夫ホームページ』内・菊池章夫プロフィール
  6. ^ a b c 『福島民報』1999年1月1日付朝刊、31面。
  7. ^ 『福島民報』1996年8月1日付朝刊、22面。
  8. ^ a b c d e f 月刊ラジオマガジンモーターマガジン社)1982年1月号 p.28 - 29

外部リンク