鄭義溶
鄭 義溶(チョン・ウィヨン、朝鮮語: 정의용、1946年4月14日 - )は、大韓民国の外交官、政治家。現在、同国外交部長官(外相)。韓国大統領府(青瓦台)国家安保室長
、外交安保特別補佐官を歴任。
| 鄭義溶 정의용 Chung Eui-yong | |
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| 生年月日 | 1946年4月14日(79歳) |
| 出身校 |
ソウル大学校 ハーバード大学 |
| 内閣 | 丁世均内閣 |
| 在任期間 | 2021年2月9日 - |
| 大統領 | 文在寅 |
| 在任期間 | 2020年7月3日 - 2021年1月20日 |
| 大統領 | 文在寅 |
| 在任期間 | 2017年5月20日 - 2020年7月2日 |
| 大統領 | 文在寅 |
| 鄭義溶 | |
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| 各種表記 | |
| ハングル: | 정의용 |
| 漢字: | 鄭義溶 |
| RR式: | Jeong Uiyong |
| MR式: | Chŏng Ŭiyong |
| 英語表記: | Chung Eui-yong |
経歴
1971年に外務部(現外交部)入省。外務部通商局長、駐米国大使館公使、駐イスラエル大使、駐ジュネーブ代表部大使、国際労働機関理事会議長等を経て、2004年5月から2008年5月まで国会議員(盧武鉉政権与党のウリ党→大統合民主新党→統合民主党)。2017年5月21日から文在寅政権の大統領府(青瓦台)国家安保室長。多国間外交、通商交渉、国際協力などの分野で実績があり、選挙中より文陣営(共に民主党)の外交安保政策ブレーンとして活動した。
2020年6月16日、北朝鮮が開城工業地区内の南北共同連絡事務所の爆破を行ったことにより、南北関係の悪化が懸念されることになった。そのため、大統領府が外交安保関係人事の一新を図り、7月3日の発表により国家安保室長を退任し、大統領外交安保特別補佐官に就任した。(後任者は、国家情報院長の徐薫)
外交活動
2018年3月5日、韓国大統領府の特使団の代表として特別機で北朝鮮に派遣されて金正恩朝鮮労働党委員長(国務委員長)と面会して南北首脳会談の開催で合意した[1]。それまで最高指導者就任後の金正恩は外国の政府要人との面談は中国と4回、キューバと2回、シリアと1回の計7回しかなかったために極めて異例とされる[2]。8日には訪米し、ドナルド・トランプ大統領の米朝首脳会談の受け入れも発表したが、北朝鮮からの公式な反応は無かった[3]。このためマイク・ポンペオ国務長官は、鄭義溶が持ち込んだメッセージに疑念を持ち、鄭を「嘘つき」呼ばわりしたと報道された[4]。
3月12日には中華人民共和国を訪れて、習近平中国国家主席(中国共産党総書記)と会見。米朝首脳会談に向けた交渉での習近平国家主席(党総書記)の果たした重要な役割に謝意を述べるも[5]、この際の座席配置が朝鮮戦争休戦協定の協議で国連軍の代表に低い椅子を与えた中国を想起させる「皇帝式接見」として韓国で物議を醸した[6]。13日、ロシアを訪れてセルゲイ・ラブロフ外相と朝鮮半島問題で平和的な解決策を共に模索することで一致した[7]。30日、中国の楊潔篪共産党政治局員が金正恩にとって最高指導者就任後初の首脳会談であった中朝首脳会談の報告で訪韓した際に面談し、南北首脳会談・米朝首脳会談の開催が成功するように協力することで一致した[8]。
2018年11月6日、徴用工裁判の判決に抗議する日本政府の姿勢に対して「日本政府が強硬な対応を続けると、わが政府も相応の対応を取らざるを得ない」との意見を表明している[9]。
2019年11月4日、ASEAN+3首脳会議の控室で日韓首脳の面談が行われた。面談は、韓国側が準備した非公式なものであったが、後日、韓国大統領府は一方的に「歓談」の内容と現場の写真を発表。写真を撮影したとされる鄭をはじめとした韓国側担当者の姿勢は信義則に反するものとして、日本側担当者から非難する声があがった[10]。
2021年1月20日、大統領府より次期外交部長官(外相)へ起用されることが発表された[11]。2021年2月8日、人事聴聞会において人事案の経過報告書が与党単独で採択され、文在寅大統領が同日夕方に長官任命案を裁可。9日に外交部長官に就任した[12]。
2021年3月31日、韓国政府は4月3日から中国の厦門で王毅外相と会談すると発表し、両国関係や朝鮮半島情勢など意見を交わすとした。これについて韓国の保守系メディアは、「韓国の外相がアメリカに先立って中国を訪問するのは異例だ」として、「米中両国のバランスをとりたい狙いがある」との見方を示している。
脚注
- ^ “南北首脳会談、4月実施で合意=韓国特使団 正恩氏は非核化の意向も”. BBC (2018年3月6日). 2018年4月1日閲覧。
- ^ “海外要人と滅多に会わない金正恩氏が特使面談受け入れ…文在寅政権取り込みに強い意志”. 産経新聞. (2018年3月5日) 2018年3月13日閲覧。
{{cite news}}: CS1メンテナンス: 先頭の0を省略したymd形式の日付 (カテゴリ) - ^ “米朝首脳会談 北朝鮮からの「回答なし」=韓国政府”. BBC. (2018年3月13日) 2018年4月1日閲覧。
- ^ “ポンペオ氏、「金正恩と鄭義溶は嘘つき」”. 東亜日報 (2019年4月26日). 2019年12月6日閲覧。
- ^ “韓国特使、習主席の「大きな役割」に謝意 米朝首脳会談に向けた交渉で”. AFPBB (2018年3月12日). 2018年3月13日閲覧。
- ^ “習近平の皇帝さながらの接見”. 東亜日報 (2018年3月14日). 2018年3月14日閲覧。
- ^ “韓国の国家安全室長 「北朝鮮問題の解決策は露韓が共に模索」”. Sputnik (2018年3月14日). 2018年3月14日閲覧。
- ^ “韓国安保室長-中国特別代表「南北・米朝首脳会談の成功開催に協力」”. 中央日報 (2018年3月30日). 2018年3月31日閲覧。
- ^ “強制徴用判決に対する日本の反発 「事態解決に役立たない」=韓国高官”. 聯合ニュース (2018年11月7日). 2018年11月8日閲覧。
- ^ “日韓首脳対話 無断で撮影 韓国が周到に準備、不意打ち”. 産経新聞 (2019年11月8日). 2019年11月7日閲覧。
- ^ “韓国外相、鄭義溶氏に交代”. 日本経済新聞. (2021年1月20日) 2021年1月20日閲覧。
{{cite news}}:|work=、|newspaper=引数が重複しています。 (説明)⚠ - ^ “韓国大統領府、鄭義溶外交長官任命を強行…人権、北核めぐり韓米亀裂の可視化も”. 中央日報. (2021年2月9日) 2021年2月9日閲覧。