2021年横浜市長選挙
2021年8月に行われた日本の横浜市長選挙
2021年横浜市長選挙(2021ねんよこはましちょうせんきょ)は、日本の地方自治体である横浜市の執行機関である横浜市長を選出するために2021年8月8日に告示、8月22日に投開票が予定されている選挙である[1]。
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概要
現職の林文子の3期目の任期満了に伴う選挙。
基礎データ
- 選挙事由:任期満了
- 告示日:2021年8月8日
- 投票日:2021年8月22日
選挙啓発
横浜市選挙管理委員会は、啓発キャラクターにお笑いコンビ「ホンジャマカ」の石塚英彦と元AKB48の倉持明日香を起用し、投票日が8月22日(ハチニーニー)であることを強調したPR動画をYoutubeで公開した。キャッチフレーズは「選ぼう!」[3]。
立候補予定者
(正式出馬表明順、いずれも無所属)
氏名 | 年齢 | 肩書 | ホームページなど |
---|---|---|---|
太田正孝 (おおた まさたか) |
75 | 横浜市議会議員(失職見込み) | 横浜市議会議員太田正孝 |
福田峰之 (ふくだ みねゆき) |
57 | 元衆議院議員 | 福田峰之特設ページ |
小此木八郎 (おこのぎ はちろう) |
56 | 前衆議院議員、前国家公安委員長 | おこのぎ八郎 OFFICIAL SITE |
坪倉良和 (つぼくら よしかず) |
70 | 水産仲卸会社社長、横浜魚市場卸協同組合理事 | 金一グループ |
山中竹春 (やまなか たけはる) |
48 | 元横浜市立大学医学部教授・特命副学長 | 山中竹春(やまなか たけはる) OFFICIAL WEB SITE |
郷原信郎 (ごうはら のぶお) |
66 | 弁護士、元東京地検特捜部検事 | 郷原のぶお 【公式ウェブサイト】~市民と決める、市民のための政治。~ |
田中康夫 (たなか やすお) |
65 | 作家、元長野県知事、元参議院議員、元衆議院議員 | 守るべき人を間違えない。 - 田中康夫公式サイト |
林文子 (はやし ふみこ) |
75 | 横浜市長(現職) | 横浜市長 林文子 ウェブサイト |
松沢成文 (まつざわ しげふみ) |
63 | 参議院議員(失職見込み)、元神奈川県知事 | 前神奈川県知事・参議院議員 松沢しげふみ公式サイト |
立候補を取りやめた人物
タイムライン
- 1月15日 - 太田が会見で立候補を表明。出馬会見では統合型リゾート(IR)誘致に反対の姿勢を示した[7]。
- 4月8日 - 横浜市選挙管理委員会が市長選挙の日程を『告示日:8月8日、執行日(投票日):8月22日』と決定[8]。
- 6月1日 - 福田が会見で立候補を表明[9]。「行政のデジタル化」「再生エネルギーの推進」等を公約とした[10]。
- 6月14日 - 立憲民主党代表代行の江田憲司は山中を連れて横浜港ハーバーリゾート協会会長の藤木幸夫を訪問。この頃、藤木は候補者選定を江田に一任していたとされる[11][12]。
- 6月15日 - 立憲民主党神奈川県連は山中の擁立に向けた最終調整に入った[13]。
- 6月22日 - 小此木が会見で立候補を表明し[14]、IR誘致に反対の姿勢を示した。
- 6月25日 - 福田は会見で、IR誘致に賛成を表明した[15][16]。
- 6月29日
- 7月7日 - 郷原が会見で立候補を表明。IR誘致に反対し、誘致の是非について住民投票を行うこと、IR建設予定地の山下ふ頭を「食のにぎわい施設」にすること、劇場建設や米軍上瀬谷通信施設跡地開発の予算をコロナ対策に充てることなどを政策に掲げた[19]。
- 7月8日
- 7月11日 - 自由民主党横浜市連が、小此木(神奈川県連会長)がIR誘致に反対の姿勢であることを理由に自主投票とすることを決定[22]。
- 7月14日 - 横浜商工会議所の坂倉徹副会頭らが発起人を務める「林文子市長の再選をめざす横浜市民の会」が発足[23]。林は同団体の約50人と面会し、出馬要請文書を受領した[24]。
- 7月15日 - 現職の林が会見で立候補を正式表明[25]。会見の中で「3期12年の経験を生かし、新型コロナ対策を進める」上で「医療、福祉、教育をきちんとやるためにも経済を活性化させる」為にIR誘致を「経済活性化の一つの核」と位置付け、推進する意向を示した。また、自身の任期中に制定された、3期を目安とする「多選自粛条例」について問われ、「『努力目標』という意図であり、時と場合による」と各人で解釈が分かれる旨の発言を行った[25]。
- 7月16日 - 小此木が横浜市長選挙へ立候補するため衆議院議長宛てに議員辞職願を提出[26]。
- 7月17日 - 藤木幸夫は山中を全面支援する考えを表明し、山中の政治団体「横浜をコロナとカジノから守る会」の代表に就任した[27]。
- 7月18日 - 小此木の議員辞職が許可。
- 7月20日 - 松沢が会見で立候補を表明[28]。
- 7月21日
- 7月27日
- 7月29日 - 菅義偉首相はこの日に発行されたタウン誌「タウンニュース」の意見広告で小此木と対談。小此木を「全面的かつ全力で応援する」と明言した[34]。
- 8月3日 - 藤木は日本外国特派員協会で記者会見を開催。「いろいろ聞いてみると、いい人だ。山中って人はね。だけど当選するのは(小此木)八郎でしょ。そりゃ八郎が当選しなきゃしょうがないでしょ。八郎の母親からも毎日のように手紙が来るし」と述べた[11][35]。
争点
IR誘致
2017年に実施された前回市長選挙で、林市長はIR誘致について「白紙」を掲げ3選を果たしたが、2019年8月にはそれまでの姿勢から一転してIR誘致の表明をしている[36]。こうしたことを受けIR誘致に反対する市民団体「カジノの是非を決める横浜市民の会」は、誘致是非を問う住民投票条例制定を市長に直接請求するための署名集めを行い、2020年12月には請求に必要な法定数(有権者数の50分の1)の3倍を超える約19万筆の署名を提出した[37]。住民投票の実施には、市議会で住民投票条例案が可決されることが必要だが、自民党と公明党が反対したことで条例案は否決され住民投票は実施されないこととなった[38]。
IR誘致への立場[39] | 立候補予定者 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
推進 | 福田 | 林 | |||||
反対 | 太田 | 小此木 | 坪倉 | 山中 | 郷原 | 田中 | 松沢 |
脚注
注釈
出典
- ^ 横浜市長選挙の選挙期日について 横浜市選挙管理委員会事務局選挙課 2021年4月8日(PDF)
- ^ “横浜市長選 自民が分裂選挙「菅首相のお膝元で醜態」…IR誘致で混乱「財界がそっぽ」:東京新聞 TOKYO Web”. 東京新聞 TOKYO Web. 2021年7月16日閲覧。
- ^ “若者啓発に石塚さんと倉持さん 高校生対象チラシ初配布も”. 神奈川新聞. (2021年7月21日) 2021年7月29日閲覧。
- ^ “横浜市長選に藤村氏が出馬表明 神奈川区で保護猫カフェ経営”. 神奈川新聞. (2021年3月31日) 2021年5月4日閲覧。
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: CS1メンテナンス: 先頭の0を省略したymd形式の日付 (カテゴリ) - ^ “動物保護団体代表、出馬取りやめ 横浜市長選”. 時事ドットコム. (2021年7月27日) 2021年7月27日閲覧。
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: CS1メンテナンス: 先頭の0を省略したymd形式の日付 (カテゴリ) - ^ “藤村氏が出馬撤回「IR反対票が割れる」 太田氏支援の方針”. 神奈川新聞. (2021年7月27日) 2021年7月27日閲覧。
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: CS1メンテナンス: 先頭の0を省略したymd形式の日付 (カテゴリ) - ^ “横浜市長選、太田市議が出馬表明 IRない海浜リゾート提唱”. 神奈川新聞. (2021年1月15日) 2021年5月4日閲覧。
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: CS1メンテナンス: 先頭の0を省略したymd形式の日付 (カテゴリ) - ^ “横浜市長選 8月8日告示、22日投開票 市選管が決定”. 神奈川新聞. (2021年4月8日) 2021年6月1日閲覧。
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: CS1メンテナンス: 先頭の0を省略したymd形式の日付 (カテゴリ) - ^ “元内閣府副大臣が出馬表明 横浜市長選”. 時事ドットコム. (2021年6月1日) 2021年6月1日閲覧。
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- ^ “【スクープ】横浜市長選 立憲・江田代行が強引擁立の候補が総スカン”. ニュースソクラ. (2021年6月15日) 2021年8月4日閲覧。
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- ^ “小此木国家公安委員長が出馬へ 横浜市長選、IR反対意向”. 時事ドットコム. 時事通信社. (2021年6月22日) 2021年6月22日閲覧。
- ^ “福田氏、IR誘致に賛成表明「財源確保の一つの方法論」”. 神奈川新聞. (2021年6月25日) 2021年7月29日閲覧。
- ^ “福田峰之『統合型リゾート整備(IR)の賛成について』”. 福田峰之オフィシャルブログ「#横浜STARTUP」Powered by Ameba. 2021年6月28日閲覧。
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:|work=
、|newspaper=
引数が重複しています。 (説明)⚠ - ^ 松沢奈々子、武井宏之 (2021年7月13日). “横浜市長選、林文子市長が出馬見通し 4選へIR推進か”. 朝日新聞 2021年7月29日閲覧。
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: CS1メンテナンス: 複数の名前/author (カテゴリ) - ^ “【横浜市長選】 現職の林文子氏、15日に出馬表明 経済人要請に「感激」”. 神奈川新聞. (2021年7月14日). オリジナルの2021年7月14日時点におけるアーカイブ。 2021年7月14日閲覧。
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: CS1メンテナンス: 先頭の0を省略したymd形式の日付 (カテゴリ) - ^ “横浜市長選転出の小此木氏が議員辞職願を提出”. 産経新聞. (2021年7月16日) 2021年7月16日閲覧。
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:|work=
、|newspaper=
引数が重複しています。 (説明)⚠ - ^ 足立優心、武井宏之 (2021年7月17日). “「ハマのドン」、山中竹春氏への支援表明 横浜市長選”. 朝日新聞 2021年7月28日閲覧。
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: CS1メンテナンス: 複数の名前/author (カテゴリ) - ^ “前・神奈川県知事の松沢氏が出馬表明「カジノはやめるべき」”. 神奈川新聞. (2021年7月20日) 2021年7月20日閲覧。
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- ^ 武井宏之 (2021年7月21日). “横浜市長選、公明も自主投票 市議全員が小此木氏支援へ”. 朝日新聞 2021年8月4日閲覧。
- ^ “連合神奈川、山中氏を推薦 14項目で政策協定へ”. 神奈川新聞. (2021年7月28日) 2021年7月28日閲覧。
- ^ “山下ふ頭の再開発で横浜市に提案書 地元団体”. 日本経済新聞. (2021年7月27日) 2021年8月3日閲覧。
- ^ 丸山耀平 (2021年8月3日). “<争点を行く 横浜市長選2021>(1)IR誘致 コロナ禍「局面変わった」”. 東京新聞 2021年8月4日閲覧。
- ^ “首相、小此木氏を全力応援 横浜市長選で支持固め”. 産経新聞. (2021年7月29日) 2021年7月29日閲覧。
- ^ “ハマのドン藤木幸夫氏、横浜山下埠頭にカジノ開業なら「切腹して死ぬ」”. スポーツ報知. (2021年8月3日) 2021年8月4日閲覧。
- ^ “出直し選「不要」と市長 「白紙」で3選、市会から批判”. 神奈川新聞. (2019年9月27日) 2021年5月4日閲覧。
- ^ “横浜のIR誘致、住民投票を請求 署名19万筆超”. 朝日新聞. (2020年12月23日) 2021年5月4日閲覧。
- ^ “カジノ誘致は「市民に判断を委ねる問題ではない」 横浜市議会が住民投票条例案を否決 市民団体「残念無念」”. 東京新聞. (2021年1月9日) 2021年5月4日閲覧。
- ^ “<横浜市長選>まさか再選挙も? 史上最多10人出馬 現職、元知事、元大臣、元教授…大乱立のなぜ:東京新聞 TOKYO Web”. 東京新聞 TOKYO Web. 2021年7月24日閲覧。