毎日放送制作土曜夕方6時枠のアニメ
毎日放送土曜6時枠(まいにちほうそうどよう6じわく)とは、1992年10月より毎日放送製作でTBS系列にて毎週土曜18:00~18:30(一部の地域では放送時間が異なる(後述))に放送されている番組枠の指す言葉である。
一般的にアニメ・特撮放送枠であると考えられがちであるが、実際の第1作は山城新伍司会の「新伍のワガママ大百科」であり、正しいとは言えない。「私はナンバーワン」→「アップダウンクイズ」→「クイズ!!ひらめきパスワード」→「近藤正臣の味覚人情報」と日曜19時枠→木曜19時枠→土曜18時枠へ移動した大阪本社による制作だった。長寿番組「料理天国」(TBS制作全国ネット)の後番組だったが、視聴率不振で短命に終わった。
- 新伍のワガママ大百科(1992年10月-1993年6月)
アニメ枠としての成立
「新伍のワガママ大百科」が視聴率不振でで打ち切られた事から、翌1993年7月より「3丁目のタマ うちのタマ知りませんか?」を繋ぎの番組として放映して以後、アニメ放送の枠となった。この頃から東京支社制作となる。
- 3丁目のタマ うちのタマ知りませんか?(1993年7月-8月)
- ムカムカパラダイス(1993年9月-1994年8月)
- 愛と勇気のピッグガール とんでぶーりん(1994年9月-1995年8月)
- ママはぽよぽよザウルスがお好き(1995年9月-1996年8月)
「平成ウルトラマン」・「ゾイド」枠
ところが、1996年に平成ウルトラマンシリーズが、同枠で放送される事になると、従来の子供向けアニメの色合いを一新して特撮番組枠へと移行するが、その後はゾイドシリーズのアニメ化枠となったり、再びウルトラマン枠となったりと複雑な動きを見せる。
- ウルトラマンティガ(1996年9月-1997年8月)
- ウルトラマンダイナ(1997月9月-1998年8月)
- ウルトラマンガイア(1998年9月-1999年8月)
- ゾイド -ZOIDS-(1999年9月-2000年12月)
- ゾイド新世紀スラッシュゼロ(2001年1月-6月)
- ウルトラマンコスモス(2001年7月-2002年9月)
「土6」
2002年、ガンダムシリーズの新作である「機動戦士ガンダムSEED」が始まると同枠の様相が一変する。人気シリーズの復活という事のみならず、人気アーティストの主題歌起用などの広告戦略の成功、キャラクターに対するアニメファンの支持などが加わってビデオ・DVD・主題歌CDなどがよく売れ、大ヒット作となる。
以後、こうした若者(特に若い女性)向けの販売路線の作品が追求されるようになり、フジテレビ系列に用いられた人気ドラマ枠の通称「月9」枠に擬えて発生した「土6(どろく)」という通称が、アニメ雑誌のみならず、人気アーティストの主題歌を報じるその他の新聞・雑誌などがこれに追随する形で用いられるようになった。しかし、放映される作品には多かれ少なかれ賛否両論がある(特にガンダムSEED関係に対しては熱狂的な意見がインターネット上を飛び交った)。
各番組の最終回終了後には、全主題歌や挿入歌などを収録した「(番組名)COMPLETE BEST」というタイトルのベストアルバムがソニーまたはANIPLEXから発売されるのが恒例となっている(ガンダムSEEDシリーズのものに関してはビクターエンタテインメントからリリースされた楽曲の一部も収録。)。
各番組に共通するスポンサーはバンダイとソニー・ミュージックエンタテインメントである。
- 機動戦士ガンダムSEED(2002年10月-2003年9月)
- 鋼の錬金術師(2003年10月-2004年9月)
- 機動戦士ガンダムSEED DESTINY(2004年10月-2005年10月)
- BLOOD+(2005年10月-2006年9月)
- 天保異聞 妖奇士(2006年10月-(現在放送中))
なお、「土6」成立以降に他の時間帯で放送された毎日放送製作アニメ(「交響詩篇エウレカセブン」「コードギアス 反逆のルルーシュ」)にも、ビジネスモデル面(特に音楽面)で共通点が見られる(主題歌の担当が主にSME系アーティスト、終了後のベスト盤発売など)。
備考
なおTBS制作の「料理天国」の頃から東海広域圏の中部日本放送(CBC)など一部の地域では土曜18時にローカル番組を放送していた関係で1週間遅れでの時差ネットを行っている。その後、CBCを含め同時ネットに切り替わった地域(局)は増加したが、静岡県の静岡放送(SBS)と広島県の中国放送(RCC)の2局は2006年10月現在でも土曜18時にローカル番組(SBSは「SBS土曜スコープ」、RCCは「Eタウン」)を放送している関係で未だに1週間遅れの時差ネットを行っている。MBSとしてはSBSとRCCにも同時ネットさせたい所であろうがSBSとRCCはローカル番組を重要視している為になかなか同時ネットにできないものと思われる。(なおRCCは1997年3月末の「ウルトラマンティガ」の途中までは同時ネットだったが同年4月より風見しんご司会のローカル番組を開始するためそれ以降は時差ネットとなった)
また、土6のメディアミックスの方面は成功しているといえるが、一方、視聴率に関してははやや低迷気味である。土6枠の作品の性質がやや青年~大人向けとなっていることや、NHKの存在が大きい。現在、NHK教育でアニメ「MAJOR」やNHK総合で「週刊こどもニュース」いった低年齢層でも楽しめる番組を編成している。特に、「MAJOR」に関してはアニメ作品であり『土6』枠の作品との人気の争いに注目されている。
MBSの土6枠がアニメ・特撮枠になって以降、テレビ朝日も1997年10月から1999年3月までの1年半の間、この土曜18時にアニメ番組を放送していたがやはり視聴率低迷で終了している。
(「忍ペンまん丸(19時半から移動)」→「遊☆戯☆王」→「まもって守護月天!」(いずれも2クール))