名探偵コナン 警察学校編 Wild Police Story
『名探偵コナン 警察学校編 Wild Police Story』(めいたんていコナン けいさつがっこうへん ワイルドポリスストーリー)は、青山剛昌(原作)、新井隆広(作画)による漫画作品。および、それを題材とするテレビアニメ作品。
名探偵コナン 警察学校編 Wild Police Story | |
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ジャンル | 少年漫画、学園漫画 |
漫画 | |
原作・原案など | 青山剛昌 |
作画 | 新井隆広 |
出版社 | 小学館 |
掲載誌 | 週刊少年サンデー |
レーベル | 少年サンデーコミックス スペシャル |
発表号 | 2019年44号 - 2020年51号 |
発表期間 | 2019年10月2日[1] - 2020年11月18日[2] |
巻数 | 全2巻 |
話数 | 全13話 |
アニメ | |
原作 | 青山剛昌、新井隆広 |
監督 | 山本泰一郎、鎌仲史陽 |
キャラクターデザイン | 須藤昌朋 |
音楽 | 大野克夫 |
アニメーション制作 | トムス・エンタテインメント |
製作 | ytv、トムス・エンタテイメント |
放送局 | 讀賣テレビ・日本テレビ系列 |
放送期間 | 2021年12月4日 - |
その他 | 不定期放送。『名探偵コナン』内で放送。 |
テンプレート - ノート | |
プロジェクト | 漫画・アニメ |
ポータル | 漫画・アニメ |
話数カウントは「CASE.○」。
概要
『週刊少年サンデー』(小学館)にて、2019年44号から[1]2020年51号にかけて不定期掲載された[2]、名探偵コナンのスピンオフである。単行本は上下2巻。
名探偵コナン本編の7年前、警視庁警察学校で同期だった、降谷零、松田陣平、伊達航、諸伏景光、萩原研二の5人の、鬼塚教場での半年を描いた作品[3]。降谷以外のそれぞれのキャラクターをメインとしたエピソードごとに不定期で掲載されており、松田編(2019年44号 - 46号)[4][5]、伊達編(2020年10号 - 12号)[6][7]、萩原編(2020年27・28合併号 - 30号)[8]、諸伏編(2020年48号 - 50号)、エピローグ(2020年51号)が順次発表され完結した。連載週になると、公式Twitterに『Next Police Academy』として下書き修正画が予告として投稿された。
あらすじ
舞台は名探偵コナン本編から7年前の警視庁警察学校。本編で主要人物である降谷零(安室透 / バーボン)と、その同期の松田陣平、伊達航、諸伏景光、萩原研二の、警察学校時代の話を描く[3]。
松田編(CASE.1 - 3)
警察のことが嫌いであった松田は、優等生タイプであり真面目な性格の降谷とは性格が合わず、殴り合いの喧嘩になることもあった。松田が警察が嫌いであるにも関わらず、警察学校に入校したことを疑問に思った降谷は、調べていくうちにプロボクサーであった松田の父が誤認逮捕され、引退に追い込まれたという過去を持つことを知る。そんな中、屋根の補修工事に来ていた作業員が転落する事故が起こり、教官の鬼塚八蔵が巻き込まれ、首吊り状態になってしまう。その事故を同期の5人で協力し、鬼塚を助け出すことを成功する。事故解決後、降谷と松田はお互いの警察志望動機を話し、打ち解ける。
伊達編(CASE.4 - 6)
ある日の武術の授業中、伊達と降谷が練習試合を行う。降谷は伊達が前の試合で痛めた膝を攻撃せず負けてしまい、伊達に「弱みを見せたらそこに付け込まれ、親父のような最悪の結末になる。誰よりも強くなければ正義は遂行できない」という言葉を投げかけられる。その日の夜、降谷は偶然出会った伊達とコンビニエンスストアに向かい、その道中で警察官であった伊達の父がコンビニ強盗に巻き込まれ、強盗犯に立ち向かおうとせず土下座して懇願し、さらに木刀で何度も殴られた末、全治1年の怪我を負い、警察官を辞めることになったという過去を知る。しかし、実際は、コンビニの外に大勢の仲間がいたため、そのことに気づいていた伊達の父は、コンビニの客を巻き込まないために立ち向かわないでいたのであった。そのことを、その場に居合わせていた萩原から聞かされ、伊達は父のことを尊敬し直す。
萩原編(CASE.7 - 9)
機械いじりが好きな萩原と松田は、機動隊の爆発物処理班にスカウトされる。松田は喜んでスカウトを受けるが、萩原は「何もかも順調だと破滅への入り口なのではないか、とブレーキがかかる」と、スカウトを受けることを躊躇う。そんな中、トラックの運転手がアクセルを踏んだまま病気で気絶し、トラックが暴走すると言う事件が発生し、5人は解決に動く。暴走したトラックは工事中の高速道路に入り込むが、その高速道路は道が途切れていた。なんとか降谷が運転席に入り込むことに成功するが、ブレーキを踏んでも間に合わないことに気づいた萩原は、「アクセルを踏み込め」と降谷に指示し、そのトラックは途切れていた部分を飛び越えて対岸の道路に着地する。それを見た萩原は「たまにはアクセルを踏み込むことも悪くない」と考える。
諸伏編(CASE.10 - 12)
15年前に両親を殺されたと言う過去をもつ諸伏は、事件発生時に犯人の左腕の肩口に入ったゴブレットの刺青を目撃していた。伊達編で松田から「バイク店でゴブレットの刺青を入れていた男を見た」と聞いてから、頻繁にバイク店に通い、店員にその客のことを聞きにいくようになる。その様子を見ていた同期の4人は、諸伏に事件のことを本人から聞き出し、捜査に協力する。5人で推理するうちに、犯人がわかった5人は、犯人の元へ行き、確保に成功する。
降谷編(LAST CASE)
5人は無事警察学校を卒業する。しかし卒業後、警視庁公安部に配属された諸伏は黒ずくめの組織に潜入するが正体がバレ自殺、伊達は警視庁捜査一課強行犯係に配属されるものの殉職、松田は警視庁警備部機動隊爆発物処理班に配属され、その後捜査一課強行犯係に転属されて殉職、萩原は松田と同様爆発物処理班に配属され殉職していた。
登場人物
主要人物
- 降谷 零(ふるや れい)
- 声 - 古谷徹
- 本作の主人公の1人。22歳。
- 全科目オールAという抜群の成績で入校し、入校式では総代を務めた。真面目過ぎる性格が災いし、他の学生とのイザコザが絶えない。
- 急に姿を消してしまった女性(宮野 エレーナ)を探すために警察になることを志望した。
- 卒業式では生徒代表として卒業証書を授与された。
- 松田 陣平(まつだ じんぺい)
- 声 - 神奈延年
- 本作の主人公の1人。22歳。
- 傍若無人で協調性が無く、教官にタメ口で話すこともある。しかし、実技や専門知識のレベルは高いため入校できた。
- プロボクサーである父・丈太郎にボクシングを仕込まれたためケンカは強い。しかしその父が誤認逮捕され、後に容疑は晴れたもののボクシングをやめ酒に溺れてしまったことから警察を恨んでおり、「警視総監をぶん殴ってやりたい」という理由で警察を志望した。
- そのため、「警察大好きっていう根性」をもつ降谷とは当初は馬が合わず、殴り合いになることもあった。しかし、お互いに警察の志望動機を話し、打ち解ける。
- 幼少期から機械を分解する癖があるため機械に強く、爆弾処理もできる。そのため、機動隊の爆発物処理班にスカウトされた。
- 萩原とは小学生時代からの付き合いで、仲が良い。差し歯をしている[注 1]。
- 伊達 航(だて わたる)
- 声 - 藤原啓治 / 東地宏樹[注 2]
- 本作の主人公の1人。22歳。鬼塚教場班長。
- リーダーシップがあり、総合力も降谷に次いでNo.2。
- 元警察官の父をもつ。しかし、子供の頃に父とともにコンビニ強盗に遭遇した際、父が強盗犯に対して土下座して懇願し、さらに警察だと知った強盗犯に木刀で何度も殴られる姿を見てしまう。そのことがきっかけで、誰よりも強くなければ正義は遂行できないと考えるようになる。
- だが、その時父は強盗犯の仲間が近くに大勢潜んであることを知っていたため、周りを巻き込まないために土下座していた。そのことを知った伊達は父のことを尊敬し直した。
- ナタリー 来間(ナタリー くるま)という彼女がいる。
- 諸伏 景光(もろふし ひろみつ)
- 声 - 緑川光、金元寿子(少年時代)
- 本作の主人公の1人。22歳。長野県出身。兄は長野県警の諸伏 高明(もろふし たかあき、声 - 速水奨)。
- 15年前に両親を何者かに殺害され、更に犯人の姿を目の前で目撃したことからトラウマを抱え、失声症になる。その後は兄と別れて東京の親戚に預けられ、そこで降谷と出会い、「しゃべった方が楽しいぞ?」と声をかけられたことで失声症が治る。
- 事件当初はショックで軽い記憶喪失になっていたが、現在は色々思い出してきており、両親を殺した犯人を捕まえるために警察を志望し、入校する。
- 萩原 研二(はぎわら けんじ)
- 声 - 三木眞一郎
- 本作の主人公の1人。22歳。姉は神奈川県警の萩原 千速(はぎわら ちはや)。
- 人当たりがよく、優れた洞察力を持ち、女性にかなりモテる。
- 父が自動車の修理工場を営んでいたが、景気が悪くなり倒産した。そのため、「絶対に倒産しない」という理由で警察を志望した[注 3]。
警察関係者
- 鬼塚 八蔵(おにづか はちぞう)
- 声 - 大塚芳忠
- 警視庁警察学校初任科鬼塚教場教官。48歳。
- 自身の教場の問題児たちには手を焼いている。
- 殉職した先輩刑事の佐藤正義(さとう まさよし)の愛車である、マツダ・RX-7 FD3Sを、正義の娘である佐藤美和子(さとう みわこ)が「刑事になる」と宣言した4年前から預かっている。
- 百田 陸朗(ももた ろくろう)
- 警視総監。
主要人物の親族
- 松田 丈太郎(まつだ じょうたろう)
- 陣平の父。プロボクサー。
- ある日、男2人の小競り合いを目撃したが、タイトル戦を控えていたため無視した。翌日、その2人のうち1人が死体で発見され、その死体が丈太郎と因縁のあるプロボクサーであったため誤認逮捕されてしまう。後に真犯人は捕まったものの、このことがきっかけでボクサーを辞めることになり、酒に溺れてしまう。
- 伊達の父
- 元交番勤務の巡査。ヒョロヒョロとした体格をしているため、舐められないために爪楊枝を咥えている。
- ある日、伊達と共にコンビニ強盗に遭遇した際、コンビニの周りに強盗犯の仲間が大勢いることに気づき、伊達や周りの客を守るために土下座したものの強盗犯から暴行を受け、全治1年の怪我を負う。その怪我が元で警察を辞めることになり、現在は清掃の仕事をしている。
諸伏の両親を殺害した容疑者
書誌情報
- 青山剛昌(原作)・新井隆広(作画)『名探偵コナン 警察学校編 Wild Police Story』小学館〈少年サンデーコミックス〉、全2巻
- 2020年11月18日発売[2][9]、ISBN 978-4-09-850367-4
- 2020年12月18日発売[10]、ISBN 978-4-09-850368-1
テレビアニメ
2021年8月4日、同日発売の「週刊少年サンデー」36・37合併号で、コミックス100巻プロジェクト始動を発表[3]。その一環として、テレビアニメ制作が決定した[3]。まじっく快斗(トムス版)と同様に『名探偵コナン』の枠にて2021年12月4日より不定期放送中。
本作の原作版には登場しなかったコナンが登場し、まじっく快斗(トムス版)と同様に冒頭部で簡単な説明を行うほか、ナレーションとしても登場している。
スタッフ
- 原作 - 青山剛昌、新井隆広
- キャラクターデザイン - 須藤昌朋
- 美術監督 - 荒井和浩、小山貴大、堺駿介
- 撮影監督 - 吉田雅紀、小川隆久
- 音響監督 - 浦上靖之、浦上慶子
- 音楽 - 大野克夫
- 編集 - 岡田輝満
- ストーリーエディター - 飯岡順一
- 色彩設計 - 海鋒重信
- チーフプロデューサー - 佐々木加奈
- プロデューサー - 汐口武史、寺島清晃
- アソシエイトプロデューサー - 近藤秀峰
- 監督 - 山本泰一郎、鎌仲史陽
- 音響効果 - 横山亜紀、石野貴久
- スーパーバイザー - 諏訪道彦
- 制作 - ytv、トムス・エンタテインメント
各話リスト
脚注
注釈
出典
- ^ a b “「名探偵コナン 警察学校編」ついに開幕!松田陣平の声が聴けるPVも”. コミックナタリー (ナターシャ). (2019年10月2日) 2021年8月4日閲覧。
- ^ a b c “「名探偵コナン 警察学校編」上巻発売、安室透から“4人へのメッセージ”も”. コミックナタリー (ナターシャ). (2020年11月18日) 2021年8月4日閲覧。
- ^ a b c d “「名探偵コナン」コミックス100巻 10・18頃発売決定”. スポーツ報知. 報知新聞社. 4 August 2021. 2021年8月4日閲覧.
- ^ “『名探偵コナン 警察学校編 Wild Police Story』新連載告知PV”. YouTube. 2020年6月15日閲覧。
- ^ 「名探偵コナン」“警察学校組”描くスピンオフが連載開始 松田編が3週連続掲載(アニメハック、2019年10月3日)
- ^ “『名探偵コナン 警察学校編 Wild Police Story』伊達編告知PV”. YouTube. 2020年6月15日閲覧。
- ^ 「名探偵コナン」警察学校編“伊達編”が「週刊少年サンデー」10号にて連載スタート!(アニメ!アニメ!、2020年2月5日)
- ^ “『名探偵コナン 警察学校編 Wild Police Story』萩原編告知PV”. YouTube. 2020年6月15日閲覧。
- ^ “名探偵コナン 警察学校編 Wild Police Story 上”. 小学館. 2021年8月4日閲覧。
- ^ “名探偵コナン 警察学校編 Wild Police Story 上”. 小学館. 2021年8月4日閲覧。
外部リンク
- 名探偵コナン 警察学校編 Wild Police Story - 読売テレビ
- 江戸川コナン (@conan_file) - X
- アニメ名探偵コナン警察学校編【公式】 (@conan_anime1000) - X