松井守男
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松井 守男(まつい もりお、1942年7月25日[1] - 2022年5月30日[2])は、日本の画家。愛知県豊橋市出身で、フランスを拠点に活動した。面相筆を用いて重ねながら描く作風で「光の画家」と呼ばれた[2]。
![]() 2007年7月31日撮影 | |
生誕 |
1942年7月25日![]() |
死没 |
2022年5月30日(79歳没)![]() |
国籍 |
![]() |
教育 | 武蔵野美術大学 |
著名な実績 | 抽象絵画 |
代表作 | 「遺言」(油彩、1985) |
受賞 |
2000年 芸術文化勲章 2003年 レジオンドヌール勲章 |
公式サイト | http://moriomatsui.com/en/ |
来歴
1942年、愛知県豊橋市生まれ。実家は魚屋だった[1]。豊橋市立北部中学校卒業[2]、愛知県立豊橋東高等学校卒業[2]。高校では美術部に所属。二浪して、1963年に武蔵野美術大学造形学部油絵科に入学。1967年、同大を首席で卒業したことで、パリ行きの航空券を獲得した。同年、フランス政府奨学生として渡仏し[2]、パリを拠点に制作活動を始めた[2]。同地ではアカデミー・ジュリアンやパリ国立美術学校でデッサンを学び直した[2]。
サロン・ド・メへの招待、印象派発祥の画廊ギャラリー・ベルネーム=ジュンネでの個展、エールフランスの機内デザインを手がけるなどの活動を展開するも、さまざまな苦悩や葛藤の中で1985年に2年半の歳月をかけ、自らの遺作と見なした「遺言」と題する作品を発表[2]。この作品によって細かなタッチを面相筆で重ねて描く作風を確立し、以後さまざまなヴァリエーションを生む。1987年、渡仏から20年ぶりに帰国。日本を離れてから一度も帰っていなかった。
フランス人の秘書が窓口になり、画商を通さずに作品を販売した[2]。
1997年のフェッシュ美術館(コルシカ・アジャクシオ)での個展を機に、1998年からコルシカ島に拠点を移し[2]、地中海西部の豊かな自然をモティーフとした作品を手がけた。
2000年、フランス政府より芸術文化勲章[2]、2003年にレジオンドヌール勲章をフランス本国にて受章した[2]。2005年の「愛・地球博」のフランス・ドイツ共同パビリオンの貴賓室にて作品が展示されたほか、2008年にはシャネル・ネクサス・ホール(東京・銀座)や、長崎の大浦天主堂などの史跡で個展が開催された。2008年のスペイン・サラゴサ万博にて再度フランス公式画家に選出された。
長崎県五島市の久賀島にもアトリエを構え[3]、「五島市ふるさと大使」にもなった[3][4]。
2022年5月30日、虚血性心疾患のため東京都内で死去(享年79歳)[2][5]。同年6月5日、東京都内で親族が密葬を営んだ[2]。
主な作品
- 「遺言」(Le Testament), 油彩, 215×470㎝(1985)
- 「Paysage en noir et blanc」(黒と白の風景), 油彩, 200×450㎝(1985)
- 「Kakejiku」(掛け軸), 油彩, 1000×215㎝(1987)
- 「Triptych:La Crucifixion,La Résurrection,L'Ascension」(三連祭壇画:磔、復活、昇天), 油彩,(195×130㎝)×3(1998)
- 「自然」(La Nature), 油彩, 215×500㎝(2004)
- 「Arbre de Vie」(生命の樹), 油彩,215×500㎝(2006)
- 「Soleil levant」 (朝日), 油彩, 215×500㎝(2007)
- 「No more Nagasaki」(ナガサキを繰り返すな), 油彩, 215×1000㎝(2010)
- 「Hope Japan」(ホープジャパン), 油彩, 215×1000㎝(2011-2012)
- 「Yamato-Damashii(部分)」(大和魂), 油彩, 215×1000㎝(2012)
- 「Univers(部分)」(宇宙), oil on canvas, 200×200cm(2017)
主な展覧会
- 個展(東京、椿近代画廊)(1965年)
- パリ国立美術学校“12人の画家”に選出され展示(パリ、ギャラリー・ド・フランス)(1969)
- 個展(パリ、マドレーヌ教会)(1971)
- 現代巨匠版画展(ピニョン、ザオ・ウーキー、ウォーホール、ピカソ、パリ国立図書館)(1979)永久コレクション
- エールフランスポスター展(ヴァザレリー、ポリアコフ、マチュー、アルトゥング、コランらと共に、パリ、ポンピドー・センター)(1981)永久コレクション
- 個展(愛知県、豊橋市美術博物館)(1986)永久コレクション
- 個展(京都、日図デザイン博物館)(1987)
- 個展(神戸、プラネットブルー神戸)(1990)
- 札幌、新千歳空港にて永久コレクション(1992)
- 在仏30周年回顧展(コルシカ、アジャクシオ、フェッシュ美術館)(1997)
- 個展(モナコ、モンテカルロ、カジノ・アトリウム、オペラ座)(1999)
- 近代肖像画巨匠展(ジャコメッティ、ウォーホール、セザール、アルマン、ペン等と共に、マントン美術館)(1999)
- 近代ヌード展(ヴィルグレ、モノリー、ヴェリコヴィック、コンバ、ディ・ローザ等と共に、マントン、ヨーロッパ宮殿美術館)(2000)
- アンドレ・ヴェルデとの交流展(サンポール・ド・ヴァンス美術館)(2001)
- 特別展(ニース美術館、ギャルリー・ドゥ・ラ・マリーン)(2002)
- 個展(パリ、ユネスコ本部 ミロ・ホール)(2003)永久コレクション
- 作品展示(愛知県、愛知万博2005、フランス公式画家に選出され、フランス館)(2005)
- 個展(東京、日本橋高島屋美術館)(2005)
- 個展(東京、シャネル・ネクサス・ホールにて、日仏修交150周年記念開催)(2008)
- 作品展示(スペイン、サラゴサ万博、フランス公式画家に選出され、フランス館)(2008)
- 豊橋市美術博物館にて回顧展(2010)永久コレクション
- 長崎県美術館にて「大和魂展」(2012)
- 長崎県美術館にて日仏文化協力90周年公式展(1924-2014)、絵画151点と10mの油絵17点を展示(2014)
- 個展(フランス、ルルドにて)(2015)
- 個展(愛知、ホテルアークリッシュ豊橋にて)(2014-2016)
- 京都にて襖絵(上賀茂神社・宝泉院)、屏風絵(三千院)、風景画102点を制作(2016年)
- 東京、みなとパーク芝浦にて「平和絵画展」(2017)
- 日仏交流160周年公式展(東京、築地本願寺)(2018)
- 東京、神田明神文化交流館へ作品奉納(2018)
- 豊川海軍工廠展、75周年記念特別展示(愛知、桜ヶ丘ミュージアム)(2020)
脚注
ウィキメディア・コモンズには、松井守男に関するカテゴリがあります。
- ^ 『読売年鑑 2016年版』(読売新聞東京本社、2016年)p.491
- ^ a b c d e f g h i j k l m “豊橋出身「光の画家」 松井守男さん死去”. 東愛知新聞. 2022年8月20日閲覧。
- ^ a b 日本放送協会. “画家の松井守男さん死去 五島市久賀島などを活動拠点に|NHK 長崎県のニュース”. NHK NEWS WEB. 2022年8月20日閲覧。
- ^ 松井守男さん 長崎・五島で創作10年 「島が僕に絵を描かせる」
- ^ “松井守男さん死去 洋画家”. 時事通信. (2022年6月2日) 2022年6月2日閲覧。
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外部リンク
- 松井守男 公式サイト
- Morio Matsui Official - Facebook
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