OPPO

中国の電子機器メーカー

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OPPO(オッポ、: 欧珀)は2004年に設立された中国広東省東莞市に本部を置く大手通信機器ソフトウェアメーカー。

OPPO
種類
株式会社
業種 電気機器
設立 2004年10月10日 (21年前) (2004-10-10)
創業者 陳明永(Tony Chen)
本社
中華人民共和国の旗 中国
広東省東莞市長安鎮烏沙海浜路18号
事業地域
グローバル
製品 Hi-fi, ホームシアター, オーディオ機器, 携帯電話
従業員数
40000
子会社 OnePlus, realme
ウェブサイト 公式ウェブサイト (日本語)
公式ウェブサイト (中国語)
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OPPO
各種表記
繁体字 廣東歐珀移動通信有限公司
簡体字 广东欧珀移动通信有限公司
拼音 Guǎngdōng Ōupò Yídòng Tōngxìn Yǒuxiàn Gōngsī
ラテン字 Guangdong Oppo Mobile Telecommunications Corp Ltd
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OPPOのフラッグシップスマートフォン OPPO Find X3 Pro

本項目では

  • OPPOとOnePlusの持株会社である欧加ホールディングス(旧・OPPO電子工業)
  • OPPOブランドの携帯電話の製造・販売を行うOPPOモバイル(OPPO社)

について解説する。

OPPO社の日本法人であるオウガ・ジャパン社についてはオウガ・ジャパンを、 かつてOPPOブランドでAV機器の開発・販売を行っていたOPPO Digital社についてはOPPO Digitalを参照。

概要

 
OPPOのマスコット、オッポちゃん

中国の大手電子機器メーカー、歩歩高電子工業(通称:BBK)のAV部門を分社化して2004年に設立された。かつてはDVD・ブルーレイ再生機器やオーディオ再生機器などのAV事業も手掛けていたが、現在はスマホ事業のみとなっている。

OPPOの特徴は、競合スマホメーカーのようなOEM(外部工場への委託)を一切使わず、広東省東莞市(欧加グループの拠点)に自社工場を丸抱えして品質管理・生産管理をしていることと[1]、自撮り用カメラや急速充電など中国の若者の要求に迅速に対応して来たことと[要出典]、Xiaomiやアップルのようにネット店舗やネット宣伝を重視するのではなく、リアル店舗やリアル宣伝を重視した中国の地方都市まで広がる強固な販売網があることで[2]、中国では地方の若い女性を中心として人気があり、ほぼ同じ戦略を取るVivoと並んで「OV」と称される。

OPPOは傘下のスマホ会社である「Realme(真我)」、つい最近OPPOと吸収合併された「OnePlus(一加)」とともに「欧加集団」という企業グループを形成している(OPPO(欧珀)の「欧」とOnePlus(一加)の「加」を合わせた名称)。OnePlusはOPPOのプレミアムスマホ部門として2013年に設立され、「テックオタクの男性ユーザー」向けにOPPO本体とは異なるブランド戦略を行っていたが、2019年頃よりOPPOは「若い女性向けの低スペック機種」というイメージからの脱却を図るためにハイエンド機種を強化しており、ハイエンド市場でOnePlusと競合するようになったため、2021年にOnePlusの開発ラインがOPPOと統合され、OnePlusはOPPOのサブブランドと言う位置づけになった[3]。realmeは、インド市場で爆売れしているXiaomiの廉価機種「Redmi(紅米)」シリーズに対抗するべく、OPPOの廉価スマホ部門として2018年に設立されたもので、OPPO本体とは主な市場もブランド戦略も異なっており、2019年にOPPO本体から分離独立された。

東莞市長安鎮に拠点を持つBBKグループ出身の携帯電話メーカーとしては、教育機器メーカーとして小天才(XTC、キッズケータイのブランド)・imoo(教育スマホのブランド)などを展開するBBK自身と、OPPO・OnePlus・realmeを傘下に持つ欧加グループの他に、iQOO(ゲーミングスマホのブランド)などを傘下に持つVivoが存在するが、Vivoと欧加グループは経営が完全に別れており、「ライバル」である。

2021年第1半期現在、スマホの販売台数で中国国内ではVivoに次ぐ2位、世界ではサムスン、アップル、Xiaomiに次ぐ4位のシェアを持つ。中国国外でも現地の地方都市のショップに大きな看板を設置するなど大きな宣伝をかけ、アルジェリア工場やバングラデシュ工場など現地に自社工場を構えている。生産拠点と登記上の本社は東莞市にあるが、実質的な本社機能は隣の深圳市にある。

欧加ホールディングス、旧・OPPO電子工業

OPPOとOnePlusの持株会社である欧加ホールディングス(中:广东欧加控股有限公司、英:Guangdong Oujia Holdings)は、当時中国のDVDプレーヤー市場でトップシェアを誇っていたBBKのAV部門を分社化する形で、2004年にOPPO電子工業(中:广东欧珀电子工业有限公司、英:OPPO Electronics Corp.)として設立された[注 1]。OPPO電子工業のCEOには、BBKのAV部門責任者であった陳明永がそのままついている。なお陳明永は、BBK創始者であり後に投資家として中国のウォーレン・バフェットとの異名を取る段永平の、BBK設立前からの部下であった[4]

中国では2002年に端を発するDVD特許問題により低価格帯のDVDプレーヤーの製造販売が厳しくなったため、OPPOは国内においては当初液晶TVやMP3プレーヤーなどを手がけていたが、MP3プレーヤーがメモリ価格の下落で汎用品・消耗品化する中OPPOは製品デザインに注力、また、音源チップも高性能なものを搭載することで再生音質にも手を抜かず、その結果同社の製品は中国の若い世代から大きな支持を受けるようになった。一方で、2009年の時点での評価は、広東省に大量に存在するオーディオメーカーの中では多少は高級とされているという程度で(2000年代当時、世界の大手オーディオメーカーの下請けの多くが香港に拠点を置いており、さらにその下請けの生産工場が近隣の広東省東莞市や深圳市などに大量に存在し、有象無象のオリジナル商品を出していた)、中国国外のメーカーの製品とは比較にならず、公式サイトで海賊版音楽の配信などを行っていたこともあった[5]

子会社のOPPOモバイルを通じてフィーチャーフォンに進出した辺りで、OPPO電子工業におけるMP3・MP4プレーヤーなどの民生向け機器の生産は終息し、その後は単なる持株会社となった。

2011年に携帯電話開発部門の子会社のOPPOモバイルを通じてスマホ市場に進出。2013年にはさらにスマホ開発の子会社としてOnePlusを設立。OnePlusはスマホの販売に当たって招待制を取るなど、OPPO本体とは違ったプレミアム部門と位置付けられていたが、招待制を廃止して普通に売るようになったOnePlus3あたりから販売数が拡大して、次第にOPPO本体との区別が微妙になる。2015年11月には、OPPO部門とOnePlus部門の存在を明確にするため、実質的に持株会社となっていたOPPO電子工業の社名を、OPPO(欧珀)とOnePlus(一加)を合わせた欧加ホールディングスに変更した。

OPPOモバイル

OPPOのモバイル部門であるOPPOモバイル(中:广东欧珀移动通信有限公司、英:Guang Dong OPPO Mobile Telecommunications Corp.)は、2003年に既に設立されていた东莞盛铭电子有限公司を2007年にOPPO電子工業が買収し社名を东莞欧珀移动通信有限公司に変更する形で発足した。2008年に中国の格安携帯電話製造ブームに乗じてフィーチャーフォンへ参入。とはいえ、携帯電話製造ノウハウが少ない同社の製品は当時ウォークマンケータイが人気だったSony Ericssonや、女性に人気の日本の折りたたみスタイルのデザインを真似たものが多く、携帯電話では他社との差別化に苦しみヒット商品は出せなかった。2009年には社名を广东欧珀移动通信有限公司に変更した。

だが、2011年にスライド式のQWERTYキーボードを備えた新しいスマートフォンブランド「Find」をひっさげてスマートフォン市場に参入。広告にレオナルド・ディカプリオを使うという思い切った戦略で「OPPO=ハイエンドスマートフォン」のイメージを一気に広めることに成功した。ちなみにディカプリオに払われたギャラは500万ドルと言われている[6]

2012年6月に「世界最薄」を謳う6.65mmのデュアルコア、Android4.0搭載機「Finder」(約3万1000円)を発売し、話題となった。クアッドコア搭載で6.9mmの世界最薄スマホ「Find5 X909」の情報もリークされ、2013年1月29日より発売された。[7]

2013年12月には100パーセント子会社のスマートフォンメーカー、OnePlusを設立。また2013年12月10日より206度まで角度変更が可能な回転するカメラを搭載した大型ファブレットサイズ5.9インチスマートフォン「N1」を発売した。

2014年10月にはわずか4.85mmの厚さの5.2インチスマートフォン「Oppo R5」を発表した。[8]

スマホをネット専売とする戦略で大都市の若者の支持を集めたシャオミとは逆に、OPPOのスマホはリアル店舗専売とし、地方にリアル店舗網を広げる戦略をとった結果、地方都市の若者の支持を集め、2016年には中国スマホ市場1位となった[9]

2018年にはOPPO端末がベンチマークテスト実行中に異常な性能向上と発熱が起きることが発覚[10]

2018年現在、OPPOはスマホ市場で中国1位・世界5位のシェアを持つ。2018年には社名をOPPO广东移动通信有限公司に変更した。

海外展開

中国以外にも東南アジア、欧州、米国、日本でスマートフォンを販売している[11]。また2014年からはインドにおいても販売を開始した[12]

2014年7月にはインドネシアのジャワ島西部に工場を設立し、現地でスマートフォンの生産を行っていくと報じられている。OPPOは2013年4月にインドネシア市場に進出し、毎月20万台のスマートフォンをインドネシアで販売しており、OPPOにとっては中国市場に次いで2番目に大きな市場である[13][14]

ヨーロッパではドイツでヨーロッパ本部を設立し、5G端末がドイツテレコムに採用されるなど健闘してきたが、2022年8月にノキアとの特許権侵害裁判で敗れて、ドイツにおけるOPPOの販売が停止する事態になった。ただし、サポートは続けるとしている。[15][16]

オペレーティングシステム

2013年後期(初代ColorOSのリリース)以降の全てのOPPO端末では、AndroidをベースにOPPOがカスタムを施したColorOSが採用されている。

OSの名前を持つが、XiaomiMIUIなどと仕組みは同等である。

同じColorOSでも、中国版と日本版でやや仕様が異なる。

脚注

注釈

  1. ^ 設立は2004年だが、2002年にはアメリカでBBK Electronics Corp. LimitedによってOPPOが商標登録されている。

出典

  1. ^ OPPOのスマホ工場を動画で見る。完全自社生産で品質管理にこだわり(石野純也) - Engadget 日本版
  2. ^ アングル:中国スマホメーカー、地元密着戦略でシェア拡大 ロイター 2016年2月2日
  3. ^ OPPOがハイエンドスマホOnePlus統合、グループ資源分散避ける 36Kr Japan 2021年6月30日
  4. ^ http://www.linban.com/200000/197278.shtml 【陈明永个人资料】段永平对OPPO陈明永的影响_邻伴网
  5. ^ http://blogmag.ascii.jp/china/2009/08/003076.html 中国著名MP3プレーヤーメーカーのWEBがヤバい - 中国リアルIT事情
  6. ^ http://www.cinematoday.jp/page/N0031486 ディカプリオが4億円のギャラで出演、中国の携帯電話会社のCM撮影を激写 まさに水もしたたるイイ男 - シネマトゥデイ
  7. ^ http://nikkan-spa.jp/277621 中国脅威論】高性能&低価格スマホ日本襲来間近か
  8. ^ http://www.phonearena.com/news/The-worlds-thinnest-phone-to-date-breaks-cover-meet-the-4.85mm-thin-64-bit-Oppo-R5_id62285 The world's thinnest phone to date breaks cover: meet the 4.85mm-thin, 64-bit Oppo R5
  9. ^ http://forbesjapan.com/articles/detail/13022 新興スマホOPPO、中国市場で1位に アップル、サムスンらを撃退 | Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン)
  10. ^ Iyer, Kavita (2018年10月22日). “Oppo caught cheating on benchmark test; showed misleading performance” (英語). 2021年2月20日閲覧。
  11. ^ http://wirelesswire.jp/compass_for_global_communication_industry/201402241700.html タイで台頭するOPPOのスマートフォン
  12. ^ http://wirelesswire.jp/compass_for_global_communication_industry/201404250854.html 中国メーカーOPPOも狙うインド市場
  13. ^ http://wirelesswire.jp/compass_for_global_communication_industry/201408071227.html 中国メーカーOPPO:インドネシアに工場設立
  14. ^ http://cellular-news.com/story/66611.php China's Oppo Looking to Indonesia for Next Handset Factory
  15. ^ OPPOが欧州市場でプレゼンス拡大、ドイツテレコムと5G端末販売で提携(BCN+R、2020年10月)
  16. ^ ドイツ、OPPOスマートフォンの販売を停止(OPPOラボ、2022年8月)

関連項目

外部リンク