アカガエル科
両生綱無尾目に分類される科
アカガエル科(アカガエルか、Ranidae)は、両生綱無尾目に分類される科。
アカガエル科 | |||||||||||||||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
![]() ヨーロッパアカガエル Rana temporaria
| |||||||||||||||||||||||||||
分類 | |||||||||||||||||||||||||||
| |||||||||||||||||||||||||||
学名 | |||||||||||||||||||||||||||
Ranidae Batsch, 1796 | |||||||||||||||||||||||||||
タイプ属 | |||||||||||||||||||||||||||
Rana Linnaeus, 1758 | |||||||||||||||||||||||||||
シノニム[1] | |||||||||||||||||||||||||||
|
分布
編集アフリカ大陸南部、オーストラリア大陸の大部分、南アメリカ大陸南部、マダガスカルなどを除いて汎世界的に分布する[1]。
形態
編集四肢が発達し、動作が敏捷で、跳躍力や遊泳力に優れた種が多い。その高い運動能力を支えるべく骨格や筋肉も発達しているため、直線的で角ばった体型をしている種が多い。背に背側線(はいそくせん)を持つ種が多いのも本科の特徴の1つだが、ウシガエルのように持たない種も存在する。赤褐色の体色を持つ種が多いためにアカガエル科とされるが、緑色、黒色、灰色などの種も存在する。ほとんどの種が鮮やかで多様な斑紋を体色に持つ。ツチガエルなどのように体の表面全体にいぼがある種も存在する。オスの鳴嚢は両頬にある種が多い。アオガエル科やアマガエル科の多くの種と異なり、指先に吸盤がないため成体は樹上生活には適応せず、生息域は水際から大きく離れることはない。また環境に合わせて体色を変えられる種も存在しない。
分類
編集分類と和名はオシー(2025)、倉本編著(1993)を参考[2][3]。種数はAmphibian Species of the Worldを参考[1]。日本産属の和名は日本爬虫両棲類学会(2025)に従う[4]。
- アメリカミズベアカガエル属 Amerana - 8種
- ハヤセガエル属 Amolops - 89種
- ミズアカガエル属 Aquarana - 7種
- バビナ属 Babina - オットンガエル・ホルストガエルのみ
- Boreorana - 1種
- フタイロアカガエル属 Clinotarsus - 3種
- ツチガエル属 Glandirana - 6種 サドガエル・ツチガエルなど
- フーハヤセガエル属[5] Huia - 1種
- イケガエル属 Hylarana - 108種
- アメリカアカガエル属 Lithobates - 37種
- シセンアカガエル属 Liuhurana - 1種
- ボルネオハヤセガエル属 Meristogenys - 13種
- ハラブチガエル属 Nidirana - 22種
- ニオイガエル属 Odorrana - 68種 アマミハナサキガエル・アマミイシカワガエル・オオハナサキガエル・オキナワイシカワガエル・コガタハナサキガエル・ハナサキガエルなど
- トノサマガエル属 Pelophylax - 14種 ダルマガエル・トノサマガエル・ワライガエル・ヨーロッパトノサマガエルなど
- アカガエルモドキ属 Pseudorana - 1種
- アカガエル属 Rana - 54種
- フィリピンイケガエル属 Sanguirana - 8種
- ナガレガエル属 Staurois - 6種
- スマトラアカガエル属 Sumaterana - 3種
- ウィジャヤラナ属 Wijayarana - 5種
人間との関係
編集ウシガエルのように食用にされることもある。著名な例では、中国や中央アジアで菓子として食されるハスマが挙げられる。
日本では本科の構成種を河川や水田で見かけることができる。しかし河川工事や水田の減少等の原因で生息数は減少している。特に南西諸島に生息する種は環境破壊等により生息数が激減し、地方自治体指定の天然記念物や環境省のレッドリストに記載されている種も少なくない。
ペットとして飼われる種類も多い。
出典
編集- ^ a b c “Ranidae Batsch, 1796 | Amphibian Species of the World”. amphibiansoftheworld.amnh.org. 2025年10月12日閲覧。
- ^ マーク・オシー、サイモン・マドック、富田京一(日本語版監修)、冨水明(日本語版監修)『カエル大全 FROGS OF THE WORLD』エムピージェー、2025年3月1日、190-195頁。ISBN 978-4-909701-96-1。
- ^ 倉田満編著 「カエル目(無尾目)の分類表2」『動物たちの地球 両生類・爬虫類 3 トノサマガエル・モリアオガエルほか』第5巻 99号、朝日新聞社、1993年、96頁
- ^ “日本産爬虫両生類標準和名リスト(2025年4月28日版)”. 日本爬虫両棲類学会 (2025年4月28日). 2025年10月12日閲覧。
- ^ 松井正文 「2007年以降に記載ないし、分類変更された日本産両生類について」『爬虫両棲類学会報』2013巻 2号、日本爬虫両棲類学会、2013年、105-109頁。
参考文献
編集- クリス・マチソン(著者) 松井正文(監修・訳)『世界カエル図鑑300種』ネコ・パブリッシング、2008年4月20日。ISBN 978-4-7770-5227-1。