ANO1
アノクタミン1[5](Anoctamin-1、略称:ANO1)またはTMEM16A(transmembrane member 16A[6])、DOG-1[注 1]は細胞内のCa2+上昇によって活性化されるCa2+依存性Cl-チャネルの一つである。ANO1遺伝子によりコードされる。2008年にCa2+依存性Cl-チャネルとして機能することが報告された[8]。Ca2+の結合や膜電位の変化によって活性化されるという特徴を持つ。気道上皮細胞における粘液の外分泌や消化管における自動的な蠕動などの様々な生体における機能が明らかになっている。また、特筆すべき点としてがん細胞における過剰発現が知られており、がんの治療標的としてのANO1阻害剤の研究が行われている[9]。以下、遺伝子名としても略称としても使用されるANO1で表記を統一する。
歴史
編集ANO1は機能不明なタンパク質の中で2008年にCa2+依存性Cl-チャネルとして働くことが明らかになったイオンチャネルである。Ca2+依存性Cl-チャネルは1980年代より何らかのチャネルが存在することは知られていたが、その分子的な実態はそれまで明らかになっていなかった[8]。
分子機能が特定されたのは2008年で、3グループがそれぞれ個別の方法でANO1がCa2+依存性Cl-チャネルの一つであることを同定した。Yangらは機能不明な複数回膜貫通タンパク質を探索してANO1を異種発現させた結果、同定した。Schroederらはメキシコサンショウウオの卵母細胞にアフリカツメガエル卵母細胞から得たCa2+依存性Cl-チャネルのmRNA[注 2]を注入し、cDNAライブラリーを作成することで同定した。Caputoらは気道上皮細胞でCa2+依存性Cl-チャネル電流がIL-4によってアップレギュレーションが引き起こされることを利用し、IL-4によって発現が上昇する遺伝子のsiRNAを導入したときにCa2+依存性Cl-チャネル電流が阻害されるものから同定した[注 3][8]。
ANO1(TMEM16A)はTMEM16ファミリーの一タンパク質である。TMEM16ファミリーは最初に発見された2つ(TMEM16AとTMEM16B)がCa2+依存性Cl-チャネルであり、それゆえにTMEM16ファミリーがCa2+依存性Cl-チャネルのファミリーである、と考えるのが自然であった。しかし、その後発見されたものはほとんどが脂質二重層でリン脂質を輸送するリン脂質スクランブラーゼであった。スクランブラーゼとして働くTMEM16ファミリータンパクの中にもイオン輸送能を持つものがあり、この2つの機能の関連性が示唆される[10]。これらのTMEM16ファミリータンパクは当初は8回膜貫通であると考えられていたためAnoctaminと名付けられた。しかし、後の研究でTMEM16ファミリータンパクは10回膜貫通であることが明らかになっている[10]。
構造
編集ANO1チャネルは膜貫通領域、N末端領域、C末端領域、細胞外領域で主に構成される。N末端領域とC末端領域はどちらも細胞内側に存在する。
膜貫通領域は10回ともαヘリックス構造であり、N末端側からα1~α10と称される。α3~α7の間をCl-含めアニオンが通過する[9]。このイオンの通路は砂時計(hourglass)様の形と称されており、細胞膜中央側にゲートがあって、細胞内側・細胞外側にそれぞれ比較的広い空間がある[10]。N末端領域にも2つの短いαヘリックス構造があり、α0a・α0bと呼ばれており、βストランドとともにフェレドキシンフォールド様の構造を形成する[9]。ANO1には明確な構造をもつ細胞外領域も存在する。細胞外領域はα1-α2、α5-α6、α9-α10のリンカーによって構成されており、4つのジスルフィド結合が存在することで安定している[10][11]。
ANO1はモノマー2つから成る二量体(ホモダイマー)である。ホモダイマーであることは非変性PAGEにより生化学的に確かめられた[9]が、クライオ電顕を用いた構造解析でも明らかにされた[12]。各モノマーのα10同士の相互作用によってダイマーが形成されるが、その相互作用部分はタンパク質全体の約1.3%にすぎない[10]。イオンチャネル全体の形状はダブル・バレル(double-barreled)と表現される[10]。
モノマーそれぞれに一つずつCl-を通すポアがあり、ポアにある負電荷のグルタミン酸が集合した部位へCa2+が結合することで開閉が行われる[12]。主要な結合部位は2つ存在し、α6~α8にあるよく保存された5つの負荷電アミノ酸(グルタミン酸とアスパラギン酸)によって構成される。Ca2+結合部位のアミノ酸の変異体では明らかにCa2+の親和性が低下していることからも重要性が裏付けられている[10]。これらに加え極性はあるが無電荷なアスパラギンがCa2+結合のために重要であることが確認されている[11]。Cl-を通すポアの細胞内側・細胞外側にそれぞれある比較的広い空間には塩基性アミノ酸残基が多く含まれている。これによって電気的にプラスとなり、陰イオンの選択性に貢献する。細胞膜中央側の最も狭い部分は2.5Åとなっており、3.6ÅのCl-を通すには不十分な狭さである[10][12]。
細胞中央側のゲートは3つのイソロイシンから成る疎水性の部分により形成される。Ca2+が結合すると構造変化を引き起こし、ポアの開口でゲートの部分も通過できるようになる[12]。ポア開口での構造変化にはα6におけるαヘリックスからπヘリックスへの転換が重要であると考えられている[11]。
Ca2+結合部位はポア部分にある電位感受性の結合部位のみならず、他に2つの電位非依存性で親和性が比較的低い結合部位が存在すると考えられている。一つは場所すら分かっていない。もう一つはα2・α10間にあり、1つのCa2+を保持できることが分かっている[12]。
ANO1チャネルはCl-イオンを通過させるチャネルであるが、より大きい陰イオンにおいて通過しやすいことがある。比較するとSCN->NO3->I->Br->Cl->HCO3->F-である[注 4][14]。HCO3-に関してはCa2+が高濃度のとき、Cl-の透過性とほとんど変わらないという報告もある[14]。陰イオンのみならず、陽イオンも通す可能性が提唱されているが、20%は陽イオンの電流であるという研究からCl-の選択性がNa+やK+より圧倒的に大きいという研究まで多様であり、決着はついていない[10]。
ANO1は完全長のもの以外にも選択的スプライシング産物がアイソフォームとして存在している。選択的スプライシングを受ける場所はa~dの4つが考えられており、aはN末端から116アミノ酸、bはN末端領域にある22アミノ酸分、cとdはα2-α3のリンカー部分にあり、それぞれ4アミノ酸分、26アミノ酸分で構成される[11]。これらのアイソフォームの構成の違いはCa2+感受性や電位依存性への多様性を生み出している。例えば、abやabcはacよりもCa2+感受性が低く、abではCa2+感受性が電位非依存性になるという研究結果がある[注 5][12]。
機能
編集分子的機能
編集ANO1チャネルは脱分極により活性化され、過分極により脱活性化される。細胞内Cl-は他のイオンチャネルの発現によって左右されるため、細胞により平衡電位が異なる[12]。ANO1チャネルは低濃度Ca2+下では外向き整流性の電流[注 6]を流すが、高濃度Ca2+下では負のV0.5シフト[注 7]が起こることで反転電位以下で内向き電流が流れるようになる[12]。
ANO1チャネルの機能は細胞内のCa2+と膜電位によって相乗効果的に活性化される。Ca2+が存在しなければ200mVという細胞にとっては非常に大きい電位でないと開口しないことが実験的に確かめられている[9]。また、細胞内Ca2+以外にも細胞外の通過できるアニオン(Cl-など)の濃度も活性化のために関わってくる。実際に細胞外のCl-をNO3-に変えると電位依存性が著減したことが報告されている。この現象の機構としては細胞外Cl-によるCa2+親和性の変化ではなく、電位依存性の変化が関係していると考えられている[9]。
活性化に必要なCa2+の供給源としてはGqタンパク質共役受容体やリアノジン受容体の活性化により小胞体内に貯蔵されたCa2+が放出される経路やTRPチャネルによる細胞内への流入が挙げられる[12]。
Ca2+以外の2価陽イオンでもANO1チャネルが開口することが確かめられており、Sr2+やBa2+がCa2+と同程度の活性化能を持っている[注 8]。一方、Mg2+の場合は結合はするものの活性化しない[15]。
ANO1の機能はPIP2によっても大きく影響されることが分かっている。細胞内のPIP2低下によってANO1チャネル電流が低下し、逆にPIP2存在下では活性化や脱感作が起こる。PIP2の結合部位はα3~α8の細胞内側に広く存在することが報告されているが、これらは個別に作用を持ってα3~α5が脱感作、α6~α8がCa2+結合による活性化に関連していると考えられている。PIP2はリン酸基を持っていることから負に荷電しており、反対にPIP2の結合部位には正の電荷を持つリシンやアルギニンが多く含まれている[11]。
物理的な調節因子としては温度が挙げられる。Ca2+による活性化のみよりCa2++熱の方が電流が大きかったという報告がある[9]。
生理的機能
編集ANO1チャネルは上皮細胞、気道や血管などの平滑筋細胞、血管の内皮細胞、心筋細胞、嗅覚受容神経細胞、体性感覚受容神経細胞、カハール介在細胞、侵害受容神経細胞、後根神経節細胞、光受容細胞、味覚受容細胞、脊髄ニューロン、自律神経系[9]、膵臓腺房細胞、網膜、近位尿細管、顎下腺、ライディッヒ細胞[8]などに存在する。
気道上皮細胞では粘液分泌に関係しており、粘液を分泌する杯細胞においてよく発現していることが示されている。ヒスタミンやIL-4などのアレルギー・炎症による気道粘液分泌の機構にANO1が重要と考えられている[9][6]。そのため、粘液の過剰分泌が関連するCOPDに対する治療薬としての有用性が提唱されている[6]。一方で、CFTRの異常で生じる嚢胞性線維症においてはANO1を活性化させることで失われたCl-チャネル機能の代償になるのではないかと考えられており、活性化に関しても治療標的としての利用が注目されている[11]。
血管内皮細胞では血圧の調整に関わっていると考えられている。高血圧のマウスでANO1が過剰に発現していることが報告されており、実験上ではノックダウンや阻害剤処理により血圧の上昇を抑制することができている[9]。
消化管ではカハール介在細胞に存在するANO1が消化管のペースメーカー機能にかかわっている。カハール介在細胞は消化管筋層に存在し、生成される徐波(slow wave)が消化管の自動的な運動に役立っている。これにANO1が重要な役割を果たしており、ノックアウトマウスや阻害剤存在下では腸管の自動的な蠕動能が妨げられる。逆に作動薬を用いれば振幅や周波数の増加が引き起こされることも確認されており、消化管の蠕動不全に対する治療薬の標的としての応用も期待できる[9]。
侵害受容細胞ではANO1チャネルの温度感受性が重要であると考えられている。ANO1のsiRNAを処理したマウスでは熱刺激に対する逃避行動までの開始時間が延長したという報告がある[9]。
薬理学
編集ANO1チャネルは天然化合物のジンセノサイドRb1(GRb1)やレスベラトロール(RES)、キトサンオリゴ糖(COS)などによって活性化される[11]。合成化合物でも活性剤が発見されている[9]。
ANO1チャネルはタンニン酸、ガロタンニン、オイゲノール、シコニン、フラボノイド(ルテオリン、ガランギン、クェルセチン、フィセチンなど)[9]、マトリン[11]などの天然化合物によって阻害される。合成化合物にも阻害剤が発見されており、ニフルム酸、DIDS、フルフェナム酸、9-フェナントロール[9]、ニクロサミド[6]、ジクロロフェン、ベンズブロマロン[16]などがある。
これまでに発見されているANO1チャネル阻害剤を用いればもちろんANO1チャネル電流が阻害される。しかし、この機構の原理は必ずしもANO1チャネル自体の阻害とは限らない。例えば、ニクロサミドによる阻害下ではUTPやイオノマイシンのような細胞内のCa2+上昇を引き起こす物質を投与してもCa2+上昇が起こらないという結果が得られており、ANO1自体ではなく、Ca2+の細胞内貯蔵場所からの放出部位を阻害している可能性が示唆されている[6]。
他チャネルとの相互作用
編集ANO1と相互作用するチャネルとして複数のタイプのTRPチャネルがある。TRPチャネルはCa2+を細胞内に流入させるのでANO1の活性化に好都合である。ANO1とTRPV1が相互作用すると末梢神経系における痛覚の増強が起こる可能性が報告されている[9][5]。ANO1とTRPC6は動脈の平滑筋で相互作用して血管収縮に働くと考えられている[9]。細胞外が低張な条件下で活性化されるTRPV4ではANO1との相互作用によりCl-を細胞外に流出させ、唾液などを分泌するのに役立っている。TRPV4-ANO1の相互作用に加え、TRPV4-IP3受容体との相互作用も示唆されており、この3つから成る大きい複合体として働いている可能性もある[17]。TRPV4-ANO1の相互作用は唾液などの外分泌腺のみならず脈絡叢上皮細胞でも観測されており、脳脊髄液の分泌に重要な可能性がある[17]。現在も研究途上であるが、他にもTRPV3とANO1の相互作用が創傷治癒に重要である可能性やTRPC2とANO1の相互作用が鋤鼻器のニューロンの興奮性に関連している可能性が報告されている[17]。
がんにおける発現
編集ANO1はさまざまながんにおける関与が確認されている。消化管間質腫瘍(GIST)、胃癌、頭頸部癌、大腸癌、膵癌、食道癌、乳癌、前立腺癌、唾液腺腫瘍、子宮体癌、肝癌、肺癌などでの報告がある[9][7]。多くのがんではANO1の過剰発現ががんに影響するが、子宮体癌とHER2陽性/ER陽性乳癌では例外的に過剰に発現していないと考えられている[7]。ANO1の過剰発現の原因としてはANO1をコードする染色体領域の11q13[注 9]という部分の増幅に関連していると考えられている。遺伝子増幅によるアップレギュレーションによりどのようにがん発現が成り立っているのかは不明である[9]。しかし、サイクリンA2、サイクリンD1、サイクリンE、サイクリン依存性キナーゼなどの細胞周期に関わるタンパク質やNF-κB、STAT3などの転写因子のアップレギュレーションがANO1の過剰発現によって引き起こされることが分かっており、核内に存在するタンパク質への影響が示唆されている[7]。
遺伝子の転写調節以外でも転写が行われた後のANO1のmRNAに対して発現を抑制する機能を持つmiRNAのダウンレギュレーションや細胞膜へのメンブレントラフィックに関与する物質の制御により過剰発現に至る仕組みも考えられている[7]。
ANO1の過剰発現を意図的に培養細胞などで再現した場合、がんの増殖や進展・浸潤、遊走、転移などが引き起こされることが分かっている。ANO1を高発現したがんでは腫瘍サイズが大きい、ステージが進行済みである、生存率が低い、再発率が高い、予後が悪い、化学療法で改善しにくい、リンパ節・遠隔転移しているといった関連性も見出されている[9][7]。転移についてはANO1の阻害によって上皮間葉転換が抑制されたため、ANO1は上皮間葉転換のプロセスに必要であると考えられている[7]。ANO1と相互作用する因子として報告されているERMタンパク質は細胞骨格と細胞膜を介在するタンパク質であり、ANO1とERMの相互作用ががん細胞の遊走に役立っているのではないかと推測されている[7]。ERMタンパク質のうちラディキシンの結合にはANO1のC末端側の細胞内領域にあるS970のリン酸化が重要である[7][12]。
逆にANO1を阻害したりノックダウンしたりすると増殖は抑制される。そのため、ANO1の阻害剤ががんの治療に役立つ可能性があり、研究が行われている[9]。
ANO1はシグナル伝達に関わる受容体との相互作用によってがんに関与していることが考えられている。EGFRとは機能的関連が強く、ANO1の阻害によってEGFR下流のシグナルが減弱したりEGFR下流のシグナルによってANO1蛋白が増加したりすることが明らかになっている[9]。ANO1とEGFRは相互作用しているのではないかと考えられており、近接ライゲーションアッセイによって実験的に観測されている[7]。ANO1はMAPK経路にも関わっており、ANO1の過剰発現はRas-Raf-MEK-ERK経路の活性化につながる[9]。CaMKIIによるシグナル伝達もANO1の調節に関わっており、CaMKIIはANO1チャネルの電流を低下させる方向に働く[9]。TGF-βもANO1チャネル電流に対しては低下方向に働き、こちらはタンパクの発現量の低下も起こる[9]。
脚注
編集- ^ DOGはdiscovered on gastrointestinal stromal tumors proteinの略。直訳すると消化管間質腫瘍から発見されたタンパク質[7]。
- ^ アフリカツメガエル卵母細胞ではもともとCa2+依存性Cl-チャネル電流が観測されていたため、その観測されたチャネルを利用している。
- ^ なお、これだけでは細胞内にCa2+を流入させるチャネルを阻害している可能性もあるので、CaputoらはANO1のノックダウンを行ってもCa2+濃度が変化しないことからその可能性を排除している。
- ^ 別の文献ではI-とNO3-の順番が逆という報告もある[13][12]。
- ^ ここでは転写されたもので表している。例えば、完全長のものはabcd、dだけスプライシングで除かれたものはabcといった具合である。
- ^ 電流なので、Cl-は内向き。整流性は電流の向きが変わる反転電位よりも電流が流れ始める閾値電位が大きいため起こる。
- ^ チャネルが半数活性化されるような電位をV0.5といい、それが負にシフトするので、より負の電位でも活性化が起こるようになる。
- ^ 同レベルまで電流を活性化できる、という意味であり、同じ濃度ではCa2+>Sr2+>Ba2+と報告されている[15]。
- ^ 染色体にコードされた遺伝子の位置を表している。詳しくは遺伝子座#命名法を参照。
出典
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