イソサフロール
イソサフロール(英: isosafrole)は、サフロールの異性体である。cis-体、trans-体の幾何異性体が存在するが、市販のものはtrans-80%、cis-20%の混合体である。
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物質名 | |||
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(E)-5-(prop-1-enyl)benzo[d][1,3]dioxole | |||
識別情報 | |||
ECHA InfoCard | 100.004.010 | ||
CompTox Dashboard (EPA)
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性質 | |||
C10H10O2 | |||
モル質量 | 162.19 | ||
外観 | 無色~淡黄色の液体 | ||
匂い | ササフラス香 | ||
密度 | 1.096 | ||
融点 | 6.7~6.8℃(trans-体) | ||
沸点 | 248℃(trans-体) 242~243℃(cis-体) | ||
不溶 | |||
溶解度 | アルコール、油類に可溶 | ||
屈折率 (nD) | 1.5730~1.5736(trans-体) 1.5630-1.5632(cis-体) | ||
危険性 | |||
致死量または濃度 (LD, LC) | |||
半数致死量 LD50
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1.34g/kg(ラット経口) 5g/kg以上(ウサギ経皮) | ||
関連する物質 | |||
関連物質 | サフロール | ||
特記無き場合、データは標準状態 (25 °C [77 °F], 100 kPa) におけるものである。
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用途
編集ヘリオトロピンの原料となる。国際香料協会では香料への使用を禁じており、精油への含有率も0.05%以下と制限を設けている。アメリカ合衆国では、食品への使用を禁じている。工業的にはサフロールに少量の水酸化カリウムとメタノールを加えて140~170℃に加熱して異性化する[1]。
安全性
編集日本の消防法では危険物第4類・第3石油類に分類される[2]。半数致死量(LD50)は、ラットへの経口投与で1.34g/kg、ウサギへの経皮投与で5g/kg以上[1]。特定麻薬向精神薬原料に該当し、一定量を越える輸出入等には麻薬及び向精神薬取締法に基づく届出が義務付けられている[3]。
出典
編集- ^ a b c 『合成香料 化学と商品知識』印藤元一著 2005年増補改訂 化学工業日報社 ISBN 4-87326-460-X
- ^ 東京化成工業
- ^ 麻薬向精神薬の原料の取扱いについて (PDF) (厚生労働省地方厚生局麻薬取締部)