ニトログリコール
(エチレングリコールジニトラートから転送)
ニトログリコール (nitroglycol) は、エチレングリコールの硝酸エステル。別名二硝酸グリコール、日本国の法律に基づく名称ではエチレングリコールジニトレート。
| 物質名 | |
|---|---|
Ethane-1,2-diyl dinitrate | |
別名 Ethylene glycol dinitrate, Glycol dinitrate, Ethylene dinitrate, Ethylene nitrate, 1,2-Bis(nitrooxy)ethane, Nitroglycol (NGc), 1,2-Ethanediol dinitrate, Dinitroglycol, EGDN, Ethane-1,2-diyl dinitrate | |
| 識別情報 | |
3D model (JSmol)
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| ChemSpider | |
| ECHA InfoCard | 100.010.058 |
PubChem CID
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| UNII | |
CompTox Dashboard (EPA)
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| 性質 | |
| C2H4N2O6 | |
| モル質量 | 152.1 g/mol |
| 外観 | 油状、無色または淡黄色の液体 |
| 匂い | 無臭[1] |
| 密度 | 1.4918 g/cm3 |
| 融点 | -22.0 °C |
| 沸点 | 197.5 °C |
| 5 g/l | |
| 蒸気圧 | 0.05 mmHg (@ 20 °C)[1] |
| 爆発性データ | |
| 衝撃感度 | 0.02 kp m = 0.2 Nm |
| 摩擦感度 | 36 kp = 353 N pistil load no reaction |
| 爆速 | 7300 m/s[2] |
| 危険性 | |
| GHS表示: | |
| NFPA 704(ファイア・ダイアモンド) | |
| 引火点 | 215 °C; 419 °F; 488 K[1] |
| NIOSH(米国の健康曝露限度): | |
| C 0.2 ppm (1 mg/m3) [皮膚][1] | |
| ST 0.1 mg/m3 [皮膚][1] | |
| 75 mg/m3[1] | |
特記無き場合、データは標準状態 (25 °C [77 °F], 100 kPa) におけるものである。
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ダイナマイトやプラスチック爆弾など爆薬を製造する時に爆発物マーカーとして添加することが「可塑性爆薬の探知のための識別措置に関する条約」で国際的に義務付けられている。日本では「可塑性爆薬に含める物質等を定める告示」(平成9年通商産業省告示第548号)により、可塑性爆薬を製造する際に「探知剤」として添加しなければならない物質として義務化されている。爆発物探知機はこの物質に対して極微量であっても敏感に反応するように作られている。そのため、ごく微量でもこの物質が含まれていると、本当に爆発するかどうかに関係なくプラスチック爆弾と見なされ拘束される危険があるが、毒性の強い第1種指定化学物質であるため爆薬以外への添加は行われていない。
性質
編集工業的には単体で使用されることはなく、ニトログリセリンと混合してダイナマイトなどに加工される。
毒性
編集体内に吸収されやすく、暴露されると初期症状として、頭痛・嘔吐感・目眩が起きる。さらに暴露が続くと全身の衰弱・疲労感・四肢の疼痛が起こり、死亡する場合もある。
製造方法
編集法規制
編集出典
編集- ^ a b c d e f NIOSH Pocket Guide to Chemical Hazards 0273
- ^ Meyer, M.; Köhler, J.; Homburg, A. (2007). Explosives (6th ed.). WILEY-VCH. p. 227. ISBN 978-3-527-31656-4


