オオイトトンボ

イトトンボ科の昆虫の一種

オオイトトンボ(学名:Paracercion sieboldii)は、トンボ目イトトンボ科昆虫である。

オオイトトンボ
オオイトトンボ雄
分類
: 動物界 Animalia
: 節足動物門 Arthropoda
: 昆虫綱 Insecta
: トンボ目(蜻蛉目) Odonata
亜目 : イトトンボ亜目 Zygoptera
: イトトンボ科 Coenagrionidae
: クロイトトンボ属 Paracercion
: オオイトトンボ P. sieboldii
学名
Paracercion sieboldii
Selys1876
和名
オオイトトンボ

分布

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日本以外では朝鮮半島に、日本では、北海道から九州まで広く生息しているが、西日本本州の太平洋岸では近年生息地が激減している[1]

形態

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オスは成熟すると斑紋が青色になる。メスの体色は緑色と青色の2型が存在し、同族他種とは、オスの上付属器はすぼまり、下付属器の方が長いことや、メスの胸部の肩縫線に淡色条がなく、前胸部縁がえぐれていないことで区別できる[1]

生息環境

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平地から丘陵地の抽水植物や浮葉植物の繁茂する池沼湿地、放棄水田や穏やかな河川などを生息域とする[1][2]

生態

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幼虫(ヤゴ)は水草などにつかまっている。卵の期間は1週間から2週間程度、幼虫の期間は2ヶ月から1年程度(1年で1世代から多世代)、幼虫で越冬する[3]

成熟したオスは水面付近の植物に静止して縄張りを占有し、時おり周囲を飛んでメスをさがす。メスを見つけると連結し水辺の植物に止まり移精、交尾を行う。交尾を終えたペアは連結態のまま水面付近の植物に産卵するが、メス単独での産卵も観察される[4]

脚注

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参考文献

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  • 尾園暁・他『日本のトンボ (ネイチャーガイド)』文一総合出版、2012年。ISBN 978-4-8299-0119-9 
  • 尾園暁・他『トンボハンドブック』文一総合出版、2024年。ISBN 978-4-8299-8179-5 
  • 梅田孝『写真でわかる!ヤゴの見分け方』世界文化社、2023年。ISBN 978-4-418-23403-5