タマスダレ(玉簾[2]、珠簾[2]学名Zephyranthes candida)は、ヒガンバナ科クロンキスト体系ではユリ科タマスダレ属球根草。

タマスダレ
Zephyranthes candida
Zephyranthes candida
(2005年9月11日、大阪府
分類APG III
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 単子葉類 monocots
: キジカクシ目 Asparagales
: ヒガンバナ科 Amaryllidaceae
亜科 : ヒガンバナ亜科 Amaryllidoideae
: ヒッペアストルム連(アマリリス連) Hippeastreae
亜連 : タマスダレ亜連 Zephyranthinae
: タマスダレ属 Zephyranthes
: タマスダレ Z. candida
学名
Zephyranthes candida
(Lindl.) Herb.[1]
英名
white rain lily、autumn zephyrlily、fairy lily、

和名の由来は、白い小さなを「」に、が集まっている様子を「」に例えたことによる。別名は四季水仙(しきずいせん)[2][3]

別名のレインリリー(雨ユリ)とは、ゼフィランサス属及び近縁のハブランサス属の総称であり、タマスダレだけの別名ではない。まとまった雨後に一斉に花茎を伸ばし開花することに由来する。また、タマスダレを「ゼフィランサス」ということもあるが、本来、ゼフィランサスは名であるので注意を要する。

花言葉:純白な愛・期待[要出典]

形態・生態

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は細長く状で濃緑色から直接出ている。

- 初秋に白いを咲かせる。1本の花茎に対して、花は1つだけである。

種子をほとんど作らない個体とよくつける個体が存在する。

球根の分球でよく増える。

葉や鱗茎リコリンというアルカロイド成分が含まれており、誤食すると嘔吐痙攣の症状をおこす。葉はノビルと間違いやすい[4]

分布

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原産地はブラジル南東部: サンパウロ州; 南部: パラナ州サンタカタリーナ州リオ・グランジ・ド・スウ州)、ウルグアイアルゼンチン北東部(ミシオネス州エントレ・リオス州ブエノスアイレス州サンタフェ州コルドバ州[5]日本には明治時代初期の1870年頃渡来し、日本の風土にも良く適応し、人里周辺に半野生化した群落が見られることがある。

日当たりさえよければ、乾燥地-湿地まで生息できる。

人間との関わり

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春先に球根が園芸店やホームセンターに出回る。多くの場合、本種の他に比較的近縁種であるサフランモドキ、キバナサフランモドキ、ハブランサスなどの球根と本種の球根をミックスした物がレインリリーやゼフィランサスの名で出回る。

脚注

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  1. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Zephyranthes candida (Lindl.) Herb.”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2014年8月16日閲覧。
  2. ^ a b c 新村出 編『広辞苑』(第七版)岩波書店、2018年1月12日、1829頁。 
  3. ^ 日本国語大辞典, 精選版. “四季水仙(しきずいせん)とは? 意味や使い方”. コトバンク. 2025年6月1日閲覧。
  4. ^ 東京都福祉保健局. “タマスダレ”. 食品衛生の窓. 2014年8月16日閲覧。
  5. ^ Zuloaga, F.O.; Belgrano, M.J.; Zanotti, C.A. (2019). “Actualización del Catálogo de las Plantas Vasculares del Cono Sur”. Darwiniana Nueva Serie, 7 (2): Appendix 1, 90. doi:10.14522/darwiniana.2019.72.861. https://www.ojs.darwin.edu.ar/index.php/darwiniana/article/view/861/1167. 

参考文献

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  • 清水矩宏・森田弘彦・廣田伸七編著『日本帰化植物写真図鑑 : Plant invader 600種』全国農村教育協会、2001年、408頁。ISBN 4-88137-085-5 

関連項目

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外部リンク

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