タマヨリビメ(タマヨリヒメ、玉依毘売、玉依姫、玉依媛)とは、日本神話に登場する様々な女性、神道女神の名である[1]倉塚曄子は、「物語の中では固有名詞のように扱われているが、むしろ普通名詞と考えたほうがよい。」と述べている[2]

タマとは(神霊、霊魂)のことで、ヨリとは憑りつくことを指す。すなわち、タマヨリビメとは「神霊依り代となるヒメ巫女)」「神霊が依り憑く女性」を意味し、柳田國男によると,神霊を宿すことのできる巫女の総称であり、神に近しい者として神格化された[2][3]。倉塚曄子は、「祭儀の際、神降臨の秘儀に立ち会う巫女が、神話的には神に感精してその子を生む母として形象化されたものである。古代の巫女はなべてタマヨリヒメであったといえる。」と述べている[2]

脚注

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  1. ^ 石田英一郎『一寸法師』アテネ文庫、1948年、25頁。 
  2. ^ a b c 玉依姫』 - コトバンク
  3. ^ 井ノ内菜央「玉依姫とその信仰」『人間文化研究:京都先端科学大学人間文化学会紀要』第52巻、京都先端科学大学人間文化学会、2024年3月31日、65-101頁、CRID 1390581876583165696doi:10.20558/0002000087 
  4. ^ 事代主神 神名データベース 國學院大學
  5. ^ a b 三輪山伝説』 - コトバンク
  6. ^ a b 賀茂伝説』 - コトバンク

関連項目

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