ナンヨウスギ科学名:Araucariaceae)は、裸子植物門マツ綱ナンヨウスギ目[1]。かつてはマツ目に分類された。

ナンヨウスギ科
チリマツ Araucaria araucana
分類
: 植物界 Plantae
: 裸子植物門 Pinophyta
: マツ綱 Pinopsida
: ナンヨウスギ目 Araucariales
: ナンヨウスギ科 Araucariaceae
学名
Araucariaceae Henkel & W.Hochstetter
和名
ナンヨウスギ科

本文参照

マキ科と並び南半球を代表する針葉樹のグループである。

名前

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「植物科名に関する標準和名表」(1952)に基づき、標準和名は「ナンヨウスギ科」と定められている[2]

形態

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ナンヨウスギ科の樹形は様々である。

生態

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広葉樹が優勢なことが多い熱帯においても本科やマキ科の針葉樹が優勢になる場合があり、一因として菌根が関係しているといわれている[3]

人間との関わり

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ニュージーランドではナギモドキ属の巨木が崇められている。北島には特に有名なものが2本、タネ・マフタ(森の神の意味)とテ・マツア・ナヘレ(森の父の意味)があり、樹種はいずれもAgathis australisである。木材として用いられるほか、奇抜な形から庭園樹としても人気のあるものが多い。 Araucaria bidwilliiのほか、ナンヨウスギ属の種子には食べられるものがあり、オーストラリアの先住民アボリジニの他、遠く離れた南米チリの先住民マプチェ族も食用にしていたという。ナギモドキ属の樹脂はカウリガム(英:kauri gum)などと呼ばれ、自生地ニュージーランドの先住民マオリは採取したばかりの樹脂をチューインガムのように嗜好品としたり、琥珀ワニスとして利用していた。

分類

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オーストラリア及びその周辺の太平洋の島々と遠く離れた南米大陸に合計20種ほどが分布する。そのうち14種はニューカレドニアの固有種。
  • †アラウカリオキシロン (学名:Araucarioxylon
中生代の地層からのみ化石が見つかる属で絶滅したものとみられている。
約17種がニュージーランドから東南アジアにかけて分布する。
  • ウォレミア属 (学名:Wollemia
ウォレマイ・パインWollemia nobilis)だけから成る単型属

出典

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  1. ^ Yang, Y. et al. (2022). “Recent advances on phylogenomics of gymnosperms and a new classification”. Plant Diversity 44 (4): 340–350. doi:10.1016/j.pld.2022.05.003. ISSN 2468-2659. https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S2468265922000440?via%3Dihub. 
  2. ^ 日本植物分類学会 (1952) 植物科名に関する標準和名表. 植物学雑誌. 65(769-770), pp.200-203. doi:10.15281/jplantres1887.65.769-770_199
  3. ^ 潮雅之. 2017.特集:熱帯林における球果類優占のメカニズム マキ科・ナンヨウスギ科の根の形態・菌根菌・窒素固定活性. 日本生態学会誌67(3), pp337-345. doi:10.18960/seitai.67.3_339

外部リンク

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