三井住友建設

日本の準大手ゼネコン
住友建設から転送)

三井住友建設株式会社(みついすみともけんせつ)は、東京都中央区に本社を置く準大手ゼネコンである。インフロニア・ホールディングスの子会社。2003年三井グループ三井建設住友グループ住友建設が合併して誕生した(「三井住友」も参照)。JPX日経中小型株指数の構成銘柄の一つ[2]である。

三井住友建設株式会社
Sumitomo Mitsui Construction Co., Ltd.
リバーシティM-SQUARE
本店が入居するリバーシティM-SQUARE
種類 株式会社
機関設計 監査役会設置会社
市場情報
東証プライム 1821
1962年2月5日 - 2025年12月19日
(予定)[1]
大証1部(廃止) 1821
1965年8月 - 2008年5月
略称 SMCC
本社所在地 日本の旗 日本
104-0051
東京都中央区二丁目1番6号
設立 1941年(昭和16年)10月14日
(株式会社西本組)
業種 建設業
法人番号 2010001131477 ウィキデータを編集
事業内容 建築土木不動産
代表者 柴田敏雄(代表取締役社長)
資本金 120億03百万円
発行済株式総数 1億6267万3321株
売上高 連結:4629億82百万円
単独:3200億84百万円
経常利益 連結:37億25百万円
単独:△1億97百万円
純利益 連結:8億55百万円
単独:9億12百万円
純資産 連結:773億15百万円
単独:441億94百万円
総資産 連結:3934億74百万円
単独:3134億20百万円
従業員数 連結:5,392〔2,112〕人
単独:2,903 〔1,318〕人※1
決算期 3月31日
主要株主 インフロニア・ホールディングス 80.61%
(2025年9月26日)
主要子会社 主要関連会社の項を参照
関係する人物 五十嵐久也(元社長)
則久芳行(元社長)
近藤重敏(元社長)
外部リンク www.smcon.co.jp ウィキデータを編集
特記事項:経営指標は 2025年3月 第22期 有価証券報告書
※1:従業員数は就業人員であり、臨時従業員数は〔 〕内に年間の平均人員を外数で記載している。
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土木事業・建築事業・海外事業の開発に三本柱を掲げており、PC橋梁、超高層集合住宅を得意としている。

歴史

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旧西本組本社ビル

旧三井建設株式会社

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  • 1887年明治10年)5月 - 西本組(後の三井建設株式会社)創業。
  • 1941年昭和16年)10月 - 株式会社西本組設立。
  • 1945年(昭和20年)5月 - 三井建設工業株式会社に社名変更。
  • 1952年(昭和27年)6月 - 三井建設株式会社に社名変更。
  • 1962年(昭和37年)2月 - 東京証券取引所2部に上場。
  • 1963年(昭和38年)8月 - 東京証券取引所1部に上場。

旧住友建設株式会社

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三井住友建設株式会社

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  • 2003年平成15年)4月 - 三井建設が住友建設を合併し、三井住友建設株式会社に商号変更。
  • 2008年(平成20年)5月 - 大阪証券取引所上場廃止。
  • 2020年令和2年)10月1日 - 三井E&Sホールディングスの子会社の三井E&S鉄構エンジニアリングの株式70%を取得し、商号を三井住友建設鉄構エンジニアリングに変更[3]
  • 2023年(令和5年)4月1日 - 2023年3月期は205億円の最終赤字になり、新井英雄会長が辞任。
  • 2025年(令和7年)
    • 9月26日 - インフロニア・ホールディングスが株式公開買付けにより議決権所有割合ベースで80.61%の株式を取得し、親会社となる[4]
    • 12月19日 - 東京証券取引所プライム市場上場廃止予定。
    • 12月23日 - 株式併合により、インフロニア・ホールディングスの完全子会社となる予定[1]

歴代社長

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事故・処分

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杭打ちデータ改ざんの疑い

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同社が施工したパークシティLaLa横浜で、附帯するデータの誤りがあった(施工は日立ハイテクノロジーズが1次下請け、旭化成建材に2次下請け)[7]。これを受け、2016年1月に杜撰な工事管理を理由として、1ヶ月間の指名停止処分を受けた。

2015年滑橋事故

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2015年(平成27年)9月16日愛媛県今治市古谷地先で、国土交通省四国地方整備局 松山河川国道事務所が発注した朝倉第2高架橋上部の建設中、橋桁を送り出し工法で架設する過程でコンクリートの橋桁が傾き、滑り落ちた[8]

2016年落橋事故

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2016年(平成28年)4月22日16時30分頃、横河ブリッジと共同して施工を進めていた新名神高速道路の有馬川橋梁工事現場(横河ブリッジ担当工区)で橋桁が落下。2名が死亡、8名が負傷した[9]

2018年足場崩落事件

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2018年(平成30年)3月15日大阪府枚方市の新名神高速道路の工事現場にて、大雨の為に足場に土砂が流れ込み、作業員1人が架道へ転落し死亡した。この事故について、2023年(令和5年)2月9日に現場責任者の社員3人が業務上過失致死の疑いで容疑がでた[10]

2025年マンション談合疑惑

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関東地域のマンション大規模修繕工事を巡る談合疑惑で、公正取引委員会2025年4月23日、独禁法違反不当な取引制限)の疑いで、グループ会社のSMRCに立ち入り検査を行った[11]

主な施工物件

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販売している物件

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橋梁の受賞作品

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田中賞

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土木学会による毎年の褒賞に、田中賞がある。これは、関東大震災後の首都の復興に尽力した田中豊博士の功績を称え記念する事業として昭和41年度より設けられたもので、橋梁工学に関する優秀な業績に対し授与する賞である。田中賞のうちの作品部門は、計画・設計・施工・美観などの面で優れた特色を有すると認められた橋梁構造物に与えられる。

 三井住友建設(三井建設,住友建設時代を含む)が施工した橋梁のうち、田中賞作品部門を受賞した全橋梁を以下に年代別に示す[13]

  • 1966(昭和41)年度~1969(昭和44)年度  1橋(名護屋大橋
  • 2020(令和2)年度~2023(令和5)年度  4橋(別埜谷橋、ケラニ河新橋、蓼野第二橋の床版取替、吉野川サンライズ大橋

計65橋(2024(令和6)年度まで)

fib(Federation international du beton、国際コンクリート連合)

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  • 最優秀賞:2006(平成18)年 青雲橋(我が国の橋梁として初の受賞、発注者:徳島県山城町、設計者:(株)エイトコンサルタント、施工者:三井住友建設(株))[14]
  • 最優秀賞:2018(平成30)年 田久保川橋(寺迫ちょうちょ大橋、発注者:西日本高速道路(株)九州支社、設計・施工者:三井住友建設(株))[15]
  • 審査員特別賞:2022(令和4)年 別埜谷橋(発注者:西日本高速道路(株)四国支社、設計・施工者:三井住友建設(株))[16]

IABSE(International Association for Bridge and Structural Engineering、国際構造工学会)

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  • 作品賞優秀賞:2019(令和元)年 武庫川橋(日本の高速道路橋として初の受賞、発注者:西日本高速道路(株)関西支社、設計・施工者:三井住友建設(株))[17]

主要関連会社

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※全て株式会社

連結子会社

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  • 三井住建道路
  • SMCシビルテクノス
  • SMCR - 2021年(令和3年)1月にSMCリフォームから商号変更
  • SMCテック
  • SMC商事
  • SMCプレコンクリート
  • 三井住友建設鉄構エンジニアリング - かつての三井造船の鋼橋事業などを継承。2020年(令和2年)10月に三井住友建設が三井E&Sホールディングスが保有する株式のうち70 %を取得し、連結子会社化。子会社としてPC橋などを事業とするドーピー建設工業がある[3]
  • 西和工務店
  • ドーピー建設工業

その他

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  • 宅地建物取引業の免許番号は国土交通大臣免許(15)第1号で、国土交通大臣免許を持つ宅建業としては免許番号が最も小さい。

脚注

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出典

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  1. ^ a b 株式の併合並びに単元株式数の定めの廃止及び定款の一部変更に関する 臨時株主総会開催のお知らせ三井住友建設 2025年9月30日
  2. ^ JPX日経中小型株指数構成銘柄一覧 (2021年9月30日時点) jpx.co.jp 2021年10月4日公表 2021年10月8日閲覧。
  3. ^ a b 株式会社三井E&S鉄構エンジニアリングの株式取得の完了について”. 三井住友建設 (2020年10月1日). 2021年10月14日閲覧。
  4. ^ インフロニア・ホールディングス株式会社による当社株式に対する公開買付けの結果並びに親会社及び主要株主である筆頭株主の異動に関するお知らせ”. 三井住友建設 (2025年9月19日). 2025年10月13日閲覧。
  5. ^ “三井住友建設/社長に近藤重敏取締役昇格/4月1日就任”. 日刊建設工業新聞. (2021年2月12日). オリジナルの2021年3月8日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20210308120402/https://www.decn.co.jp/?p=118555 2022年2月7日閲覧。 
  6. ^ “三井住友建設社長に柴田氏、銀行出身の近藤氏と交代”. 日本経済新聞 (株式会社日本経済新聞社). (2024年2月28日). https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC2874X0Y4A220C2000000/ 2024年5月19日閲覧。 
  7. ^ 虚偽データで基礎工事、大型マンション傾く 三井不動産レジ販売 日本経済新聞 2015年10月14日
  8. ^ 「朝倉第2高架橋工事に伴う橋桁の落下事故について」平成27年9月16日松山河川国道事務所工務第二課
  9. ^ 「新名神高速道路工事現場における 橋桁 落下事故について」平成16年4月23日三井住友建設
  10. ^ “三井住友建設社員3人を書類送検 新名神工事で業過致死容疑―大阪府警”. 時事ドットコム. (2023年2月9日). https://www.jiji.com/amp/article?k=2023020901211&g=soc 2023年2月10日閲覧。 
  11. ^ “談合疑い、公取が新たに立ち入り マンション修繕、約30社に”. 47NEWS. (2025年4月23日). https://www.47news.jp/12486793.html 2025年4月25日閲覧。 
  12. ^ ながしま遊館(中部地区)”. 公共建築協会 (2010年). 2017年2月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年2月26日閲覧。
  13. ^ PC設計ニュースNo.200田中賞受賞橋梁”. 三井住友建設株式会社. 2025年2月6日閲覧。
  14. ^ 「青雲橋」がfib(国際コンクリート連合)の最優秀賞受賞”. 三井住友建設株式会社 (2006年2月22日). 2006年2月22日閲覧。
  15. ^ 「田久保川橋」がfib(国際コンクリート連合)の最優秀賞受賞”. 三井住友建設株式会社 (2018年10月31日). 2018年10月31日閲覧。
  16. ^ 「別埜谷橋」がfib(国際コンクリート連合)の「審査員特別賞」を受賞”. 三井住友建設株式会社 (2022年7月1日). 2022年7月1日閲覧。
  17. ^ 「武庫川橋」がIABSE(国際構造工学会)の作品賞優秀賞を受賞”. 三井住友建設株式会社 (2019年9月25日). 2019年9月25日閲覧。

関連項目

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外部リンク

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