塩化鉄(III)
鉄の塩化物の一つ
(塩化第二鉄から転送)
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塩化鉄(III)(えんかてつ(III)、Iron(III) chloride)は、組成式 FeCl3の無機化合物である。かつては塩化第二鉄(えんかだいにてつ、ferric chloride)とも呼ばれた。金属光沢がある。融点は 302 ℃。アルコールやエーテルに可溶である。潮解性がある。水和物は黄褐色(写真)を呈する。水に溶かすと赤褐色の溶液となる。
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物質名 | |||
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Iron(III) chloride | |||
別名
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識別情報 | |||
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3D model (JSmol)
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ChEBI | |||
ChemSpider | |||
ECHA InfoCard | 100.028.846 | ||
EC番号 |
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PubChem CID
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RTECS number |
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UNII |
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国連/北米番号 |
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CompTox Dashboard (EPA)
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性質 | |||
FeCl 3 | |||
モル質量 |
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外観 | 反射光で緑黒色、透過光で赤紫色、六水和物は黄色の固体、水溶液は褐色 | ||
匂い | わずかに塩酸 | ||
密度 |
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融点 | 307.6 °C (585.7 °F; 580.8 K) (無水物) 37 °C (99 °F; 310 K) (六水和物)[1] | ||
沸点 |
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912 g/L (無水物または六水和物, 25 °C)[1] | |||
への溶解度 |
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磁化率 | +13,450·10−6 cm3/mol[2] | ||
粘度 | 12 cP (40% 溶液) | ||
危険性[4][5][注釈 1] | |||
GHS表示: | |||
![]() ![]() | |||
Danger | |||
H290, H302, H314 | |||
P234, P260, P264, P270, P273, P280, P301+P312, P301+P330+P331, P303+P361+P353, P304+P340, P305+P351+P338, P310, P321, P363, P390, P405, P406, P501 | |||
NFPA 704(ファイア・ダイアモンド) | |||
引火点 | 不燃性 | ||
NIOSH(米国の健康曝露限度): | |||
TWA 1 mg/m3[3] | |||
安全データシート (SDS) | ICSC 1499 | ||
関連する物質 | |||
その他の 陰イオン |
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その他の 陽イオン |
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関連する凝固剤 | |||
構造 | |||
六方晶系, hR24 | |||
R3, No. 148[7] | |||
八面体 | |||
特記無き場合、データは標準状態 (25 °C [77 °F], 100 kPa) におけるものである。
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塩化鉄(II)が酸素や空気により酸化され生成したものは、不均化および加水分解により酸化鉄(III) や水酸化鉄(III)、塩基性塩化鉄(III) の沈殿が発生する。
結晶状態のものは強い酸化力を有する。濃厚な水溶液でも酸化作用を示すので、プリント基板や銅版画のエッチング剤として利用されている。
フェノール類に加えると呈色するため、それらの検出に用いられる。ヘキサシアニド鉄(II) 酸カリウムとの反応で濃青色沈殿が生成する。
生成
編集または、塩化鉄(II)・二酸化硫黄・塩化水素の反応で生成される。
反応
編集塩化鉄(III)と酸化鉄(III)を約350 ℃まで加熱するとオキシ塩化鉄になる。
3価の鉄イオンが銅から電子を受け取り2価になり、銅は銅イオンになる。塩化鉄(III)は塩化鉄(II)になる。このプロセスをエッチングに利用する。
脚注
編集注釈
編集出典
編集- ^ a b c d e f Haynes, William M., ed (2011). CRC Handbook of Chemistry and Physics (92nd ed.). CRC Press. p. 4.69. ISBN 1439855110
- ^ Haynes, William M., ed (2011). CRC Handbook of Chemistry and Physics (92nd ed.). CRC Press. p. 4.133. ISBN 1439855110
- ^ NIOSH Pocket Guide to Chemical Hazards 0346
- ^ HSNO Chemical Classification Information Database (New Zealand Environmental Risk Management Authority), http://www.epa.govt.nz/search-databases/Pages/ccid-details.aspx?SubstanceID=10764
- ^ Various suppliers, collated by the Baylor College of Dentistry, Texas A&M University. (accessed 2010-09-19)
- ^ Template:GHS class JP
- ^ “Structure refinement of an FeCl3 crystal using a thin plate sample”. J. Appl. Crystallogr. 22 (2): 173–180. (1989). Bibcode: 1989JApCr..22..173H. doi:10.1107/S0021889888013913.
- ^ “経済産業省化学工業統計年報” (PDF). 2004年. 2017年10月1日時点のオリジナルよりアーカイブ (PDF). 2017年10月1日閲覧.
関連項目
編集外部リンク
編集- 国際化学物質安全性カード 塩化鉄(III)(無水物) (ICSC:1499) 日本語版(国立医薬品食品衛生研究所による), 英語版
- 塩化鉄 (III) 六水和物 JISK8142:2018