岡田遺跡
岡田遺跡(おかだいせき)は、神奈川県高座郡寒川町に所在する旧石器時代から弥生時代後期にかけての複合遺跡。特に縄文時代中期の環状集落は神奈川県内最大規模であり、日本列島全域的に見ても有数の規模を持つ集落遺跡と目されている[1]。
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所在地 | 神奈川県高座郡寒川町岡田 |
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種類 | 複合遺跡 |
歴史 | |
時代 | 旧石器時代〜縄文時代〜弥生時代 |
座標: 北緯35度22分23.8秒 東経139度23分50.5秒 / 北緯35.373278度 東経139.397361度

概要
編集相模川の支流である目久尻川と小出川に挟まれた標高24メートルの相模野台地上に位置し、当時は遺跡南方の台地裾にあたる寒川駅周辺まで入江であった(縄文海進)。
1982年(昭和57年)に、県営住宅の建て替え工事に伴い発掘調査され、以降1989年(平成元年)まで延べ9回の調査が行われた。その結果、大型コンテナ約800箱分となる膨大な量の土器が出土し、調査範囲内だけでも600棟を超える竪穴建物跡が検出された。未調査区域を含めると推定1000棟から1500棟にのぼる竪穴建物跡が存在すると推定されており、日本列島最大級の縄文中期環状集落と推定された[2]。
弥生時代の竪穴建物や方形周溝墓なども検出されており、弥生時代に入っても集落が営まれていたと考えられている[2]。
現在、出土した土器や石器等の遺物は、寒川町文化財学習センター(寒川町立一之宮小学校内)か寒川神社の方徳資料館(神嶽山神苑内)で見ることができる。
出土遺物
編集土器
編集総量:大型コンテナ約800箱。寒川町文化財学習センターで保管されている。
種類:深鉢、取手付土器、有孔鍔付土器、台付形土器、釣手土器などが出土している。
特徴:釣手土器が少なくとも3点確認された。
石器
編集総量:19118点
釣手土器
編集3つの環状集落跡(a,b,c)から、計3点の釣手土器が出土した。
- a(またはb)集落跡:藤内(勝坂Ⅱ)式期〜曾利Ⅰ式期
- b集落跡:曾利Ⅲ式期以降
- c集落跡:曾利Ⅱ式期
特にa集落跡から出土した1点は、神奈川県内では3例、全国で58例と比較的出土数が少ない釣手土器であり、3面がほぼ同じ形をしている釣手土器は全国的に例が少なく希少性が高い。この釣手土器は寒川町指定重要文化財に指定され、寒川町文化財学習センターのキャラクターである「つりてくん」のモデルとなっている[3]。
周辺
編集脚注
編集参考文献
編集外部リンク
編集- 岡田遺跡 - 寒川町
- 岡田遺跡 - 寒川町観光協会
- 「岡田遺跡について調べたい、概要のわかる資料がほしい。」(寒川文書館) - レファレンス協同データベース