東京おひさまベリー(とうきょうおひさまベリー)は、東京都農林総合研究センター育種したイチゴの品種[1]

概要

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ハウス栽培用ではなく、露地栽培用の品種である[1]

大粒で、酸味、甘み、香りといった味のバランスが良いことが特徴とされる[1][2][3]。日本で古くから露地栽培されているイチゴ品種の宝交早生と比べると、ひと回りほど大きく、果肉の中まで赤い[2][3]。このため、ジャムジュースに加工するときれいな色が出るとされる[2]

2019年に品種登録された[3]

名称の由来

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露地栽培向け品種であることから、東京おひさまベリーという名前がつけられた[2]

開発の経緯

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ハウス栽培は設備費用が必要となってくるが、路地栽培は設備費用が抑えられる[2]。また、東京都内では広い土地が確保できないため、別の農産物を作ったあとの同じ畑でイチゴを栽培できる露地栽培が向いているとされる[2]。このため、東京都は東京おひさまベリーによる農家の所得向上を期待している[2]

宝交早生女峰を交配させた品種を選抜した「99-8」を種子親にし、芳玉を交配させて得られた実生から選抜を重ねて誕生した[4]

事件

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  • 2021年2月にホームセンターで購入した東京おひさまベリーの苗を自宅の庭で栽培し、フリマアプリを通じて2023年4月までに延べ31人に101株の苗を販売したとして、種苗法違反の疑いで書類送検が行われた[3]

出典

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  1. ^ a b c 「スッキリ解決! イチゴ栽培の疑問」『野菜だより』2022年11月号、学研プラス、2022年、58頁。 
  2. ^ a b c d e f g 東京都が開発“新品種イチゴ”のお味は?”. 日テレNEWS (2019年5月16日). 2025年1月28日閲覧。
  3. ^ a b c d 狙われたイチゴとミルク 「東京おひさまベリー」の苗 無許可販売容疑で書類送検 研究用の生乳持ち帰り職員停職」『東京新聞』2023年11月2日。2025年1月28日閲覧。
  4. ^ 露地栽培「東京おひさまベリー」」『わかやま新報』2023年5月28日。2025年1月28日閲覧。