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== 中春こまわり君 ==
=== 概要 ===
秋田書店『[[週刊少年チャンピオン]]』連載の『'''がきデカ'''』の“その後”を描いた漫画。随所に昭和のノリを感じさせる懐かしギャグを織り交ぜつつも、社会人や老境となった登場人物たちの、生活面、健康面、金銭での悲哀を滲ませたサラリーマン漫画の側面がある。本作の発表期間(2004年~2009年)に合わせてキャラクターが5歳加齢するリアリズムも、万年小学生キャラで通した『がきデカ』と大きく異なる。
 
大人向け漫画雑誌の『[[ビッグコミック]]』[[2004年]]1号、2号にわたって、こまわりと夫婦喧嘩の末に別居していた妻・圭子が家に戻ってくるエピソード『妻の帰還』を発表。その2年後の[[2006年]]9号~10号に、小学校時代の幼馴染・木ノ内ジュンの受難劇を描いた『ジュン』前編・中編・後編の3話を掲載。[[2008年]]3号以降は不定期ながら連載形式となり、[[2009年]]の完結後に[[ビッグコミックス]]レーベルから全2巻の単行本が発売。[[2016年]]には[[電子書籍]]化を果たしている。
 
=== 登場人物 ===
;山田 こまわり(やまだ こまわり)
:金冠生生電器営業部に勤務する、妻子持ちの中年男性。38歳(連載後半は43歳)。作中時間より7年前に同僚の美女・圭子と結婚。奇行は相変わらずだが、基本的には常識を弁えた社会人。子供の頃は傍若無人でパワフルだったが、現在は寄る年波に勝てず、[[痛風]]を患うなど体中にがたガタが来ており、上司の理不尽な命令に従う悲哀を味わう日々を過ごしている。悲惨な生活を送っていた幼馴染のジュンに関わったり、他所の男女の痴情のもつれに多く巻き込まれる。
;山田 圭子(やまだ けいこ)
:こまわりの3歳年下の妻。夫の子供時代を忌み嫌っていたが、現在は若干理解している。息子の教育方針を巡る口論で一度は実家に帰るものの、夫を避けているわけではない。自ら寝室に誘っての[[性行為#性交|セックス]]で、([[火山]]の[[噴火]]で描写されるような)凄まじい爆発力の[[射精]]を受け入れる程度には、夫婦関係は良好。ただし[[義親#義親|]]に嫌われているため、夫の両親との同居には難色を示している。
;山田 登(やまだ のぼる)
:こまわりの息子。7歳(連載後半は12歳)。母親似で、将来は僧侶になろうと考えている。若干老け顔だが今時の若者で、付き合っている女子もいるらしい。
;西城 良夫(さいじょう よしお)
:こまわりの会社の同僚にして、腹を割って話せる子供時代からの幼馴染。子供の頃は明朗快活な美少年だったが、現在は仕事に追われる枯れた中年男である。小学生時代のガールフレンド、モモ子と結婚して一男一女の父親になっている。
;西城 モモ子(さいじょう モモこ)
:旧姓・木ノ内。良夫の妻二児の母。夫同様、こまわりの幼馴染で、家族同士の付き合いがある。子供の頃は早熟で過激な面もあったが、現在は落ち着いた平凡な主婦である。妻に家出されたこまわりに対し、しばらく息子を家で預かる提案をする親身なところがある。
;木ノ内 ジュン(きのうち ジュン)
:モモ子の妹。「南極タクシー」に勤務して[[運転手#タクシー運転手|タクシー運転手]]をしていたが、乗客を放置して逃げる奇行により[[解雇]]された。二度結婚に失敗し、底辺の生活を送る。最初の夫・'''伊藤園介三郎(いとうえん かいさぶろう)'''はすでに再婚して別の家庭を築いている。二度目の夫・'''業原幸雄(ごうはら ゆきお)'''は浮気症のロクデナシで、こまわり達を巻き込んだ殺人未遂事件を犯して服役した。
;福島(ふくしま)
:こまわりの幼馴染。商店街で鮮魚店「福島」を営む。一男一女の父。顔を見せるたびに売り物の魚や貝を盗もうとするこまわりに手を焼く。
;あべ 美智子(あべ みちこ)
:こまわりの子供時代の担任。こまわりが痛風の診察のために訪れた病院で30年ぶりに再会する。酒に溺れて[[肝臓]]を患い、すさんだ生活を送っていたため、かつての面影は微塵も無くなっていた。かつこまわりたちの母校である逆向小学校に、まだ勤務しいるらしい。昔の恋人・'''清治(せいじ)'''とは大分前に離婚している。
;栃の光(とちのひかり)
:こまわりの行きつけの[[割烹]]店「日本料理 狛」の店主。認知症の祖父・'''栃の嵐(とちのあらし)'''を介護している。人間の妻・'''夏代(なつよ)'''との間にハーフの息子・'''浩(ひろし)'''がいる。
;鶴屋 亀吉(つるや かめきち)
:こまわりの幼馴染。こまわりと美智子の会話の中言及されてい名前が挙がるが、本人は本編に登場していない。
;山田 常雄(やまだ つねお)
:こまわりの父。69歳。定年退職し、暇な老後を送っている。こまわりからは小学生時代と同じく「とーちゃん」と呼ばれている。
;山田 としえ(やまだ としえ)
:こまわりの母。65歳。こまわりの結婚相手を「険のある冷たい嫁」と評しており、圭子のことを嫌っている。
;木ノ内 道代(きのうち みちよ)
:モモ子とジュンの母親。『がきデカ』時代と同じく洋裁店を営んでいる。結婚に失敗したジュンを気遣うこまわりや西城に感謝しながらも、駄目な男に引っかかった娘にはもう構わないで欲しいとジュンを突き放しているが、内心は哀れに思っている。
;六高寺 吉次郎(ろっこうじ きちじろう)
:圭子の父。山上の別作品『[[光る風]]』の主人公・'''弦(げん)'''の父親に容貌も行動も酷似しており、それを意識したギャグを頻繁に口にする。自宅の仏壇に『光る風』の弦と'''光高(みつたか)'''の遺影がある。息子(こまわりにとっては義弟)・'''
; 六高寺 直久(ろっこうじ なおひさ)'''は「おろちビール」商品開発研究所勤務。
:吉次郎の息子にして、こまわりの妻・圭子の弟。27歳の既婚者。「おろちビール」商品開発研究所勤務。姉と義理の兄の夫婦関係は良好だと評価している。
 
=== 書誌情報 ===
; BIG CIMICS SPECIAL([[小学館]])
:# [[2009年]]2月4日初版発行 ISBN 978-4-09-182456-1
:# [[2010年]]5月3日初版発行 ISBN 978-4-09-183229-0
 
== パチンコ ==