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{{出典の明記|date=2012年3月}}
[[Image:Toho Seimei HQ Shibuya Tokyo 2003.jpg|thumb|140px|[[渋谷クロスタワー|旧東邦生命ビル]]<br/>([[東京]]・[[渋谷]])]]
'''東邦生命保険相互会社'''(とうほうせいめいほけん 英語名:Toho Mutual Life Insurance Company)は、かつて存在した日本の[[生命保険]]会社([[相互会社]])である。[[1999年]]([[平成]]11年)6月に経営破綻し、保有していた保険契約は[[外資系企業|外資系]]の[[AIGエジソン生命]]を経て[[ジブラルタ生命保険]]に引き継がれている。
 
[[東京都]][[渋谷区]]の[[金王坂]]にあったかつての本社ビル「東邦生命ビル」は「[[渋谷クロスタワー]]」となり、[[銀座]]にあった旧本社ビル「銀座東邦生命ビル」は建て替えられ、商業施設「ZOE銀座」となっている。
 
== 概要 ==
[[明治]]時代に設立された[[徴兵]]保険会社「第一徴兵保険」を前身とする[[生命保険]]会社で、[[第二次世界大戦]]後に東邦生命保険相互会社となった。歴史的経緯から[[駐屯地]]や[[自衛隊地方協力本部|地方本部]]といった[[自衛隊]]施設へ出入りする営業を行っており、[[自衛官]]世帯の契約が多いことでも知られていた。他社で自衛隊施設での営業を行っていたのは[[協栄生命]]のみであった。
 
東邦生命は、[[太田清蔵 (4代目)|太田一族]]が3代80年以上にわたり[[同族経営]]を続けてきた会社である<ref name="Goubatu_p484">[[佐藤朝泰]] 著 『豪閥 <small>地方豪族のネットワーク</small>』 ([[学研ホールディングス|立風書房]] 2001年) 484頁</ref>。[[1995年]]([[平成]]7年)7月<ref name="Goubatu_p484" />、同社社長であった[[太田清蔵 (6代目)]]が18年間君臨した同社を去り、太田家や東邦生命にとって歴史的な出来事となった<ref name="Goubatu_p484" />。[[明治時代|明治期]]に[[博多]]の実業家であった太田の祖父が、経営再建のため上京して以来続いていた太田一族による支配に幕が下ろされた<ref name="Goubatu_p484"/>。
 
==経営悪化から破綻へ==
===経営悪化===
[[株価]]の下落による運用[[株式]]の評価損発生や融資先の[[不良債権]]処理に加え、[[予定利率]]の[[逆ざや]]によって[[1997年]]([[平成]]9年)には財務基盤の悪化が明らかとなった。このため、東邦生命はアメリカの大手[[ノンバンク]]である[[GEキャピタル]]と資本提携、以下のような[[新旧分離]]に似たスキームを用いての経営再建を目指した。
#先ず東邦生命とGEキャピタルの合弁([[議決権]]所有はGE:9、東邦:1)で「GEキャピタル・エジソン生命保険株式会社」を新設した。東邦生命の新規募集事業と営業部門の従業員についてはエジソン生命へ包括移転され、東邦生命としての新規契約は停止、この時点で東邦生命は既存保険契約の保全管理を主に取り扱う会社となった。
#GEキャピタル・エジソン生命として新規契約を締結した生命保険については、東邦生命へ[[再保険]]をかけて、年500億円程度の資金を支払い、東邦生命の財務体質の改善を図ることとなった。
 
しかしながら、この再建策に当たっては経済概況予測が甘く見積もられ、株式評価損の更なる計上と不良債権の増加による貸倒引当金の積増を余儀なくされた。また、[[1997年]]([[平成]]9年)度だけでも前年比20%程度の保険契約の満期・中途解約の続出による資金流出があった。
 
[[1999年]]([[平成]]11年)3月期決算での[[債務超過]]状態が確実視されていたが、東邦生命は同月、[[劣後ローン]]で450億円余りを調達した。さらに、渋谷の本社「[[渋谷クロスタワー|東邦生命ビル]]」の信託受益権を約200億円で[[ゴールドマン・サックス]]へ売却した。これらの資金はそれぞれ[[運転資金]]に充当されたとみられた。
 
同様の形態で外資系金融と組んで自主再建を図る手法は「東邦生命方式」と呼ばれ、後に[[千代田生命保険]]も試みたものの、千代田生命は提携が破談となり経営破綻した。
 
===経営破綻===
[[1999年]]([[平成]]11年)6月4日、同年3月期決算で2000億円を超える債務超過と見込まれ、[[トーマツ]]による[[財務諸表監査|監査]]では[[財務諸表監査#意見差控|意見不表明]]とされた。同日、[[金融監督庁]]による[[業務停止命令]]が発令され、経営陣は自主経営の断念を表明、東邦生命は名実ともに経営破綻に至った。
 
===破綻後===
破綻処理に当たってはGEキャピタルがスポンサー、GEキャピタル・エジソン生命が受け皿会社に名乗りを上げた。生命保険契約者保護機構とエジソン生命の拠出金により、[[養老保険]]などの[[責任準備金]]は最大1割削減、[[年金保険|個人年金保険]]などの予定利率は強制的に引き下げられたが、死亡保障などは特例で保護の上、ほとんどの契約は社名変更した[[GEエジソン生命]]へ契約移転(承継)された。[[2001年]]([[平成]]13年)に契約移転分について契約者配当金が一部削減されたものの支払われている。
 
同社は2003年に[[AIG]]が買収し、[[2002年]]([[平成]]14年)から[[AIGエジソン生命]]と改称し、かつて東邦生命方式による再建を画策した旧千代田生命([[AIGスター生命保険]])と同一資本下に入った。2012年1月にエジソン生命と共に[[ジブラルタ生命保険]]へ吸収合併された。
 
==脚注==
<references />
 
==関連項目==
*[[科研製薬]] - 経営破綻直前まで筆頭株主となっていた(のちに[[東レ]]へ株式譲渡)
*[[THE ALFEE]] - 1996年頃イメージキャラクターを務め、テレビCMにも出演。
*[[西日本鉄道]] - 4代目太田清蔵が西鉄の名付け親となったほか、資本関係にあった。
*[[東京ドーム]] - 前身の[[後楽園球場]]時代からのフェンス広告のスポンサーだった。
*[[岩崎家]] - [[三菱財閥]]創業家で、縁戚関係にある。
*[[あみだ池大黒]] - 先代の会長が5代目太田清蔵の次男と義兄弟の関係。
*[[渋谷クロスタワー]]
 
== 外部リンク ==
* [https://www.gib-life.co.jp/st/keiyaku/e/toho/index.html 旧東邦生命よりご契約移転の皆さまへ|ジブラルタ生命保険]
 
{{DEFAULTSORT:とうほうせいめいほけん}}
[[Category:かつての相互会社]]
[[Category:かつて存在した日本の保険会社]]
[[Category:かつて存在した東京都の企業]]