荒川区立図書館(あらかわくりつとしょかん)は、東京都荒川区にある公立図書館の総称である。

荒川区立図書館【全体用】
Arakawa Municipal Library
ゆいの森あらかわ(中央図書館)
施設情報
正式名称 荒川区立中央図書館(中央館)
愛称 ゆいの森あらかわ
前身 東京都立荒川図書館 (1938 - 1950)、荒川区立荒川図書館(1950 - 2016)
事業主体 荒川区
延床面積 約4,110.88㎡ m2
開館 2017年3月26日
所在地 荒川区荒川2-50-1 (ゆいの森あらかわ)
統計・組織情報
蔵書数 405,289 冊(令和4年時点)
貸出数 738,031 点(令和3年度)
来館者数 510,961 人(令和3年度)
貸出者数 182,970 人(令和3年度)
条例 荒川区立図書館条例
職員数 84名(吉村昭記念文学館含む)
公式サイト 荒川区立図書館
プロジェクト:GLAM - プロジェクト:図書館
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荒川区の管理運営する図書館は全7館。全館の蔵書点数(図書・雑誌)は894,542冊、視聴覚資料所蔵点数は50,324点。年間貸出数は1,621,347冊である(2020年度統計)。[1]

図書館一覧

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  • 荒川区立中央図書館(ゆいの森あらかわ内)
  • 荒川区立南千住図書館
  • 荒川区立尾久図書館
  • 荒川区立町屋図書館
  • 荒川区立日暮里図書館
  • 荒川区立汐入図書サービスステーション
  • 荒川区立冠新道図書サービスステーション

中央図書館(ゆいの森あらかわ内)

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1938年(昭和13年)10月1日設立の東京市立荒川図書館に端を発する(三河島八丁目1.352 番地)、1950年(昭和25年)10月1日:に荒川区に移管。1955年(昭和30年)1月20日荒川区会館4階に移転(三河島二丁目1.191 番地)、1962年(昭和37年)3月2日建、物新築(荒川四丁目27番2号に再移転)、2016年(平成28年)12月18日閉館)。現施設は2017年(平成29年)3月26日に開館。約60万冊の蔵書規模を誇る区の「中央図書館」。荒川区出身の作家・吉村昭氏を紹介する「吉村昭記念文学館」、子どもたちの夢を育み成長を促す「子どもひろば」が一体となった複合施設、2017年(平成29年)3月に開館した「ゆいの森あらかわ」内にある。外観は、「知恵と知識が集まる緑豊かな丘」をコンセプトに、キューブを積み重ねた形そのものが街並みを形成するよう設計され、さらに、外壁をレンガ調のデザインにすることで、周辺の環境に調和するよう配慮されている。館内は、1階から5階に向かって、また、中心から外側に向かい、賑わいから静寂へ変化する滞在型の読書空間を演出するように設計されている。各階には、市松配置の吹抜を連続させ、上下階の活動を感じることができ、その中心部にカウンターやベンチを配置することで、コミュニティ活動へと誘う設計になっている。ビジネス支援コーナーや医療健康情報コーナーなど、本を通して生活に身近な課題を解決するための支援を行っている。豊富な蔵書と多様なサービスにより、地域の知の拠点としての機能を全うすることを目標としている。約3万冊の絵本を所蔵する「えほん館」では、ノンフィクション作家・評論家の柳田邦男氏の「絵本は人生に三度」という提言をもとに、大人から子どもまで、誰もが楽しめる絵本を用意している。また、季節毎に特集やイベントを開催している。約900席の座席を備えている。資料を広げやすい大きなテーブルや小さな子どもが座りやすい椅子、木陰での読書空間など、多様な閲覧席がある。館内のすべてのフロアに無線LANを完備している。

南千住図書館

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1972年(昭和47年)6月6日開館。1998年(平成10年)5月1日に現在地に移転。中央館機能をゆいの森あらかわに新設されるまでは南千住図書館が中央館的な役割を担っていた。中央館機能をゆいの森あらかわに移管した後も、28万冊の蔵書を収蔵可能な中規模館として運営されている。荒川区の歴史・文化を楽しみながら学び、探究できる荒川ふるさと文化館と共同した取り組みを実施するとともに、「俳句のまち あらかわ」にちなんだ松尾芭蕉等に関連するコーナー、女性・ヤングコーナーを設置している。区内の図書館で唯一16ミリフィルムを所蔵している。併設されている荒川ふるさと文化館の企画展示に合わせて図書館が持っている貴重な資料の活用を図るなど、荒川ふるさと文化館と連携した事業を行っている。

尾久図書館

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1971年(昭和46年)9月23日開館。建物老朽化のために再建築、2022年(令和4年)2月20日再開館[2]。区内で初めての公園内図書館[2]。設計は類設計室[2]。 四季折々の花々を眺めながら読書のできる「テラス席」や館内からも宮脇公園北側のローズガーデンを一望できる「見晴らしカウンター」を設け、お気に入りの席で読書を楽しむことができる。 その他に「飲食スペース」、自然観察会等、公園と連携したイベントができる「多目的室」、周囲に気兼ねなく、親子で読み聞かせや手遊びができる「おはなしコーナー」を設けている。 座席数は約300席を擁し、バラエティに富んだ椅子を配置している。「グループ学習室」も設けられている。

  • 1階は赤ちゃんから小学生、中高生向けの本を配置している。靴をぬいで読書が出来るおはなしコーナーのほか、飲食スペースやイベントのできる多目的室、ベビーステーションを備えている。
  • 中2階は吹き抜けの空間で雑誌やコミック、大人向けの絵本を配置している。
  • 2階は社会科学や自然科学、文学など主に一般書を配置している。見晴らしカウンターやテラス、学習室、グループ学習室を備えている。

町屋図書館

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1976年(昭和51年)10月1日開館。図書館の階下には原保育園、目の前には原中学校、隣には公園、近くには隅田川・都立尾久の原公園東京都立大学荒川キャンパスがある。ワンフロアーで明るく、文庫本、技術、環境、産業、日本文化などの図書を多く所蔵している。また、荒川区にゆかりのある昭和の塗り絵画家、蔦谷喜一(つたやきいち)の塗絵が体験できる。

日暮里図書館

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1979年(昭和54年)6月11日開館。経済財政民族ハングル図書などを多く所蔵している図書館。2階には、荒川区出身で区民栄誉賞を受賞した作家・吉村昭氏の著作や写真、自筆原稿などを展示した「吉村昭ギャラリー」がある(設置日は1993年(平成5年)8月3日)。2021年(平成25年)6月11日には、天皇陛下(現上皇陛下)の行幸を賜り、吉村氏の震災関連の資料展示をご覧になられた。2016年(平成30年)4月21日にリニューアルオープンし、飲食スペース等を新設した。

汐入図書サービスステーション

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2017年(平成19年)10月10日、南千住図書館から遠い汐入地域の区民に対する図書館サービスの充実と、急増する子育て世代の教育環境の整備のために、べるぽーと汐入商店街振興組合の空き店舗を借りて、南千住図書館の分室として開館した。絵本実用書小説が主体の小規模な分室となっているが、他の図書館の資料を取り寄せたり、返却することが可能である。また、拡張した児童フロアは、荒川区社会福祉協議会が運営する「汐入おもちゃ図書館・子育てサロン」と隣接している。

冠新道図書サービスステーション

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2009年(平成21年)11月14日、日暮里図書館から遠い西日暮里地域の区民に対する図書館サービスの充実のために、冠新道商興会に面するマンション兼店舗1階の一室を借りて、日暮里図書館の分室として開館した。絵本や実用書主体の小規模な分室となっているが、他の図書館の資料を取り寄せたり、返却することも可能となっている。

開館時間・休館日

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  • 開館時間
    • ゆいの森あらかわ

午前9時00分から午後8時30分まで (1月4日のみ午後1時00分から午後6時00分まで)

    • 地域館

火曜日~土曜日 午前9時00分~午後7時30分 日曜・祝日・臨時開館日 午前9時00分~午後5時00分

  • 休館日
    • ゆいの森あらかわ

毎月第3木曜日・施設点検日・年末年始および特別整理期間

    • 地域館

月曜日(祝日の場合は翌日以降の平日) 毎月第2(町屋・日暮里・冠新道は第3)木曜日・年末年始および特別整理期間

脚注

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  1. ^ 荒川区の図書館 令和3年(令和2年度事業概要) 8 統計資料”. 荒川区立図書館. 2021年12月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年12月20日閲覧。
  2. ^ a b c 「新館紹介」『図書館雑誌』第116巻第7号、日本図書館協会、2022年7月20日、367頁、ISSN 0385-4000 

関連項目

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外部リンク

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