1-ヘキサノール
1-ヘキサノール (1-hexanol) は有機化合物のアルコールの一種で、炭素6個の直鎖を持つ、無色の液体。水にはわずかに溶け、ジエチルエーテルやエタノールなどの有機溶媒には易溶。ヒドロキシ基の位置が異なる位置異性体として 2-ヘキサノール、3-ヘキサノールがある。芝を刈ったばかりのときの匂いは 1-ヘキサノールによるといわれる。香料として工業的に用いられる。消防法による第4類危険物 第2石油類に該当する[2]。
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物質名 | |
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1-ヘキサノール | |
別名 ヘキサノール | |
識別情報 | |
3D model (JSmol)
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ECHA InfoCard | 100.003.503 |
CompTox Dashboard (EPA)
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性質 | |
C6H14O | |
モル質量 | 102.17 g/mol |
示性式 | CH3(CH2)5OH |
密度 | 0.8153 g/cm³ (25 ℃)[1] |
融点 | -51.6 ℃[1] |
沸点 | 157 ℃[1] |
危険性 | |
引火点 | 63 ℃[1] |
特記無き場合、データは標準状態 (25 °C [77 °F], 100 kPa) におけるものである。
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製造
編集1-ヘキサノールはエチレンのオリゴ化により工業的に製造される。トリエチルアルミニウムを用い、ヘキシル鎖が生じたところで酸化処理すると 1-ヘキサノールが得られる[3]。下の式は理想的な反応式であり、実際は他の鎖長のアルコールもともに得られるため分留がなされる。
- Al(C2H5)3 + 6 C2H4 → Al(C6H13)3
- Al(C6H13)3 + 3 O + 3 H2O → 3 HOC6H13 + Al(OH)3
代替法では、1-ペンテンをヒドロホルミル化して得られるヘキサナールを水素化して 1-ヘキサノールとする。この手法ではヘキサノールの位置異性体を含む混合物が得られ、それぞれ可塑剤の原料として利用される[3]。