第5世代ジェット戦闘機

これはこのページの過去の版です。219.104.49.155 (会話) による 2009年11月18日 (水) 16:31個人設定で未設定ならUTC)時点の版 (現状)であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

第5世代ジェット戦闘機英語:5th generation jet fighter)とは、それまでの戦術航空機での戦訓と技術の進歩から1980年代に概念が打ち立てられ、おおよそ2000年代から運用が始められたジェット戦闘機の一群のことをいう。

第5世代ジェット戦闘機であるF-22

代表的な第5世代ジェット戦闘機(計画段階も含めて)としては、アメリカ合衆国F-22YF-23X-32F-35、またロシアI-21 (PAK FA)などが挙げられる。また、戦闘機として計画されたものではないが日本心神も第5世代ジェット戦闘機として発展する可能性がある。

いずれにせよ、第5世代ジェット戦闘機として実用化されているのは、2009年現在においてF-22のみである。今後新たな戦闘機の登場によって、第5世代ジェット戦闘機の定義は変わる可能性もありえるので、留意する必要がある。

概要

 
Su-47

第5世代ジェット戦闘機の概念は意外に古く1981年にアメリカ空軍から提案された先進戦術戦闘機計画まで遡る。この提案によれば、「敵よりも先に発見し、先に(複数の敵機を)撃墜する」という条件を満たすよう規定されており、高度な火器管制装置ステルス性が求められていたことがわかる。

第4世代ジェット戦闘機との大きな差異はステルス性以外には見当たらない。特にアビオニクスについては、F/A-18E/Fなどの4.5世代機の最新型も高性能なアビオニクスを搭載している。F-22に付与されているスーパークルーズ(超音速巡航)についても、F-35シリーズには付与されない見通しである一方、第4世代ないしそれ以前の戦闘機でも、意図して付与した性能では無いがスーパークルーズ能力を有する場合もあることから、第5世代機の十分条件とはいえない。

ステルス性が第5世代ジェット戦闘機の要件として認知されるまでには、試行錯誤、紆余曲折があった。例えば極めて高度なCCV設計や、推力偏向を採用したジェットエンジンなど、より高度な運動性の追及が次世代戦闘機の条件と考えられた事もある。そのためX-29のような前進翼機や、通常の尾翼形式にさらにカナードを付加したCCV実験機が、研究されたこともある。しかしながら前進翼やカナード形式はステルス性を損なう事が判明した事、先行して実用化されたステルス攻撃機のF-117の高い実績などから、そうした高運動性は第5世代ジェット戦闘機の要件から外されてしまった。例えばスホーイ社はSu-47戦闘機を第5世代ジェット戦闘機として発表したものの、方向性としては完全に外れてしまい、次世代戦闘機として認知されずに終わった。

ステルス性が第5世代ジェット戦闘機の要件となったため、マルチロール機という点では、現在までの所は第5世代ジェット戦闘機がステルス性を保った状態での武器積載量は、第4世代ジェット戦闘機に比べれば劣る。ただしステルス性を考慮せず増槽を使えば、この限りではない。また第5世代ジェット戦闘機は未だ開発途上である事から、今後どうなるかは未知数である。

現状

 
F-35

第5世代ジェット戦闘機の配備は未だアメリカ空軍のF-22Aのみにとどまっていて、アメリカ海軍ですらF-35の配備を待たなければならない。アメリカではその他に、アメリカ空軍で配備予定のF-22の戦闘爆撃機型、FB-22を開発中であるが、予算面などから先行きは不明である(ボーイングロッキード・マーティンの次世代爆撃機の共同開発でロッキード・マーティンがFB-22開発そのものを中止する可能性がある)。

日本では航空自衛隊の次期主力戦闘機(F-X)として第5世代ジェット戦闘機のF-22を導入したい意向であるという。しかし、F-22に関してはアメリカ議会の輸出許可が出ないなど行先は不透明である(当該項目関連項目参照)。また日本独自の計画である心神は機体規模が台湾が配備しているF-CK-1と同規模かそれを上回る規模であり、また高度なアビオニクスを搭載する予定の為、戦闘機としての転用も可能とする向きがある。ただし、この場合にはウエポンベイ等の開発や広大な領空を持つ日本に合わせた改修(機体規模の拡充など)など、予算や政治的問題も含めて乗り越えなければならない課題も多い。

しかしながら、2009年4月、F-22の生産中止が発表[1]され、導入を希望していた日本をはじめ各国の戦闘機開発・導入に影響を与えるのは必至と見られている。

ロシアではロシア空軍が、I-21を近年中に導入したい意向である。

ヨーロッパでは、イギリスイタリアオランダトルコノルウェーなどがJSF計画に参加している。

その他、韓国KFXや、中国J-XX (戦闘機)等、独自の第5世代機計画が存在するとされるが、その概要は明らかではない。

第5世代ジェット戦闘機

 
YF-23
 
X-32
 
1.44
 
MCA

  アメリカ合衆国

  ロシア

  ロシア/  インド

  • FGFA計画

  中国

  韓国

  日本

  インド

  • MCA計画

脚注

関連項目