不妊手術
外科的医療処置
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不妊手術(ふにんしゅじゅつ、英: Sterilization)は、外科的手術によって妊娠を不可能にする方法である。避妊手術、断種手術と呼ばれることもある。また、特に家畜では、去勢とも呼ぶ。
なお、欧米各国の「sterilization」という言葉は「全てを殺す」という意味合いから「滅菌」という意味にも用いられる。
獣医学領域
オス
- 挫滅(ざめつ)
- 専用のバルザック去勢器で陰嚢の付け根の皮膚上から精索を挟んで押し潰し、無血で去勢を行う方法。精管を閉塞する人間男性のパイプカットと原理的に近い。挫滅を行った後の精巣は次第に縮小していき、やがて機能停止する。食肉用の牛などで行われる。
- 陰嚢除去
- 紐やゴムリングで陰嚢上部をきつく緊縛し、血行を阻害して、壊死した睾丸を脱落させる方法。
メス
- 卵巣摘出
- 卵巣のみ摘出する方法。手術創が小さく、比較的身体の負担が少ない。
医学領域
男性
- 両側精管結紮切除術
- 一般的にパイプカットとも呼ばれている。男性の精巣(睾丸)から精嚢への管を外科手術的に閉塞する方法でこれを行うと精嚢に精子が貯蔵されなくなり精嚢腺と前立腺から分泌される精液に精子が存在しなくなる。パイプカットを行っても精液自体は無くならず射精も可能であるし、精巣で造られる男性ホルモンは睾丸に血流があればその分泌は衰えない。
- 避妊の効果は完璧に近い(PI:0.10-0.15%程度)が、必要に応じて随時行えるものではないことや長期にわたると精巣の精子生成機能が退化するため再接続手術で受精機能を回復することは確実には望めず、採用には大きな決意を求められる方法である。
- また誰でもできるというものではなく、母体保護法に基づいて行われるため、基本的には子供が複数いて子育ても一通り終わり、配偶者(事実婚を含む)の同意がある既婚男性でなければいけない。