1,1-ジクロロエタンは、ハロゲン系炭化水素に属する有機化合物である。エチリデンジクロリドとも呼ばれる。クロロホルム様の臭気を持つ無色の液体である。水に難溶であるが、ほとんどの有機溶媒には可溶である。 各種溶媒や洗浄剤、殺虫燻蒸剤やハロン消火器などにも用いられる。また耐高真空性のゴムの製造や、温度感受性物質の抽出にも用いられる。以前は手術時の吸入麻酔としても用いられていた。

1,1-ジクロロエタン
1,1-Dichloroethane
1,1-Dichloroethane
物質名
識別情報
3D model (JSmol)
ChEMBL
ChemSpider
ECHA InfoCard 100.000.785 ウィキデータを編集
KEGG
UNII
性質
C2H4Cl2
モル質量 98.96 g/mol
外観 無色の油状液体[1]
匂い クロロホルムのような[1]
密度 1.2 g/cm3
融点 −97℃
沸点 57.2℃
0.6%[1]
蒸気圧 182 mmHg (20°C)[1]
磁化率 −57.4·10−6 cm3/mol
危険性
引火点 −17 °C; 2 °F; 256 K[1]
爆発限界 5.4–11.4%[1]
NIOSH(米国の健康曝露限度):
TWA 100 ppm (400 mg/m3)[1]
TWA 100 ppm (400 mg/m3)[1]
3000 ppm[1]
関連する物質
関連物質 1,2-ジクロロエタン1,1-ジクロロエチレン
特記無き場合、データは標準状態 (25 °C [77 °F], 100 kPa) におけるものである。
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400〜500°Cで10MPaまで加圧すると、熱分解によりクロロエチレンが生成する。

性質

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有毒である。光分解により生成したヒドロキシラジカルと容易に反応するため、大気中の半減期は62日である。

関連項目

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出典

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外部リンク

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